数学は式の複雑なところを別の文字に置き換えてみたりすると簡単に解けたりすることが殆どです。
たとえばその(1)番。角度が“2θ”になっているのが厄介です。
だったらどうしましょう? 2θというその角度を、別の文字に置き換えると分かり易くなります。
この場合は“2θ=α”とおいてみましょう(文字は何でもいいです)。問題の式を書きなおすとこうなります(下)
sinα=-1
あとは数Iの三角数の基本的な知識の問題・・・なんですけどね、注意しなければならないことが一つ。
問題を解く過程で勝手に文字をおいた場合、その文字の範囲がどうなるか考慮する必要があります。
今回は2θ=αとおいたので、αの範囲は0≦α<4πとなります。要は円2周分です。
これの何が問題かというと、0≦α<2π(円1周分)であればα=3/2πとなるところが、実際は0≦α<4πなので、
αのとりうる値は 3/2π と 7/2π の二つ(7/2π は 3/2π から丁度1周分回った角度です)。
三角数絡みの複雑な問題の場合、この類いのチェックをする必要がある問題は多いです。注意しましょう。
さて、α=3/2π,7/2πとなりました。α=2θなので、あとは両辺を2で割ると
θ=3/4π, 7π/4
となり、これが正解となります。2つ目もギリギリ0≦θ<2πを満たしていますね。sin2(7/4π)も計算すると-1になります。
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(2)番に移りましょうか。まずこのままでは考えにくいので、両辺を2で割りましょう。
sin(θ-π/3)=1/2
とします。あとはさっきと同じように複雑なところを文字に置くと問題の見通しがよくなります。
この場合はα=θ-π/3とおくと簡単そうです。こうなります(下)
sinα=1/2
さて、ここでまたさっきのチェックです。αはこちらが勝手に置いた文字なので、範囲を考えましょう。αの範囲は計算すると
-π/3 ≦ α < 5π/3 となります。円1周分ですが、ちょっとずれています。範囲のなかで計算すると
α=π/6, 5π/6 となり、α=θ-π/3 なので両辺にπ/3を足すと
θ=π/2, 7π/6 とでてきます。
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三角数絡みの複雑な問題は式のどこかを置き換えて簡単にしていくという作業が鉄則ですが、
その際に自分で文字を置いた場合、その文字の範囲を考慮するのも鉄則です。
(2)の問題はαの範囲は気にしなくてもできないことはないですが、
(1)の問題はαの範囲を確認しないと 7π/2 という解を見落としてしまいます。注意しましょう。
お礼
よくわかりました!! ありがとうございます(*^_^*)