残念ながら学術的には確かな話ではありません
そもそも、ローマ時代では、認知症もしくは白痴状態になった人間に関する史料など存在しませんので
そういう人間は社会・家族の恥部であるので、暗部に落とされるものです
有名な政治家でも老後が不明なことが多いのは、そういう社会背景がある、とも断言できるでしょう
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ただし、古代ギリシャでは、弑逆(簡単にいえば、目下の存在が、目上の人間を殺すこと)ことが多かったようですが・・・
そもそも、塩野女史は歴史フィクション作家なのですから・・・・
なお、白痴の人間が自殺した伝承は世界中にありますが、白痴が自殺する可能性など常識的にはありえないでしょう
他殺であるものを社会的体裁で自殺扱いにした・・という事例は中世にも見られることから、認知症・白痴が殺害されることは少なからず指摘できます
そのような事例を意図的に自殺にすり替えた・・というのが小生の結論です
彼女のマキャベリ記述はかなりいい加減だったことは研究者では有名ですが、彼女自身が史実性について明確に保障しないことを言及していることを踏まえて作品群を読むのが適切です
以上