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原子核はなぜ分裂しないのですか
電子同士、陽子同士は普通は反発しあうと教えいていただきました。 http://okwave.jp/qa/q7407552.html それなのに、ウランなど特別なものを除いては、原子核はなぜ分裂しないのですか。
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質問者が選んだベストアンサー
まず、二つの粒子が結合(極めて近い距離で安定して存在する)には、両方の粒子間に共有する別の粒子が必要となることが量子力学により分かっています。 なぜ、共有する粒子が存在すると、安定化するのか?については、量子力学の知識が必要となりますが、全ての粒子の性質として、「粒子は、自分の存在できる場所が広ければ広いほど、エネルギー的に安定化する」という不確定性原理がありまして、これにより全て説明できます。 たとえば、分子は原子と原子が結合したものですが、互いの原子間で、電子を共有することで安定化しています。 このとき、電子は一カ所の原子だけでなく、隣の原子にも共有されています。 原子は、原子核と電子で構成されていますので、イメージとしては、 原子:(原子核)-(電子) 分子:(原子核1)-(電子)-(原子核2) という感じになりますが、実際には電子は、常に原子核1と原子核2の間を行き来しています。 (原子核1-電子) (原子核2) <=> (原子核1) (電子-原子核2) 分子を形成することにより、”電子は自分の居場所をより広く獲得する”ので、先に述べた不確定性原理により、安定化します。 一般に、二つ以上の同じような状態が存在し得る時、全体としてはエネルギー的に安定化することが分かっています。 同様に、互いに荷電状態が異なる粒子(プラスとマイナスの粒子)同士では、”光子”を共有することで、同様な原理で安定化しています。 その他にも、”重力子”と呼ばれる粒子は、物体間で共有されて、これが万有引力の原因です(但し重力子はまだ発見されておらず、仮説の段階です)。 さて、原子核ですが、質問者様と同様の疑問は原子の姿が明らかとなったときに皆が疑問を持ったことでした。 そして、分子の成り立ちと同様に、原子核において、陽子間、陽子-中性子間でやはり結合を媒介する粒子が存在するはずだと考えられました。 そして、原子核の大きさ、本来なら反発するはずの陽子間をつなぎ止めるほどの大きな力を生み出すには、どのような粒子であれば良いのか? ということを理論的に計算し、存在を予言したのが日本の湯川秀樹博士で、その粒子を中間子、または湯川粒子と言います。 後に、中間子は発見され、湯川先生は日本初のノーベル物理学賞を受賞されました。 この中間子の性質では、おおよそ100個程度までの核子(陽子や中性子)をつなぎ止められることも分かっており、それ以上になると陽子間の反発力の方が勝り始め、崩壊し易くなります。これが、原子量100以上の原子が存在し難い理由です。 実は、中間子の他、陽子と中性子のスピンと呼ばれる物理量も原子核の構成に重要であることが分かっていて、重水素(陽子と中性子が一つずつ)が存在するのに、軽ヘリウム(陽子が二つのみ)が存在しない理由も、核子のスピンによって説明できます。 具体的には、核子同士の結合には、スピンの向きが同じであることが求められるのですが、「同じ粒子で、スピンが同じ向きでは、同じ環境に存在出来ない」ということも分かっていて(パウリの排他原理)、そのため二つの陽子が同じスピンの向きで存在する必要のある軽ヘリウムは、存在出来ないのです。
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- ryumu
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No6.です。訂正です。 > この中間子の性質では、おおよそ100個程度までの核子(陽子や中性子)をつなぎ止められ ここは、おおよそ200個程度の間違いです。 ですので、 > これが、原子量100以上の原子が存在し難い理由です。 これは、原子番号100以上の間違いでした。 お詫びして訂正します。
お礼
重ねてのご回答をいただき有り難うございます。
- k_yuu01
- ベストアンサー率39% (23/58)
電気的反発(電磁力)を打ち破るくらいに強い力、”強い力”が働いているためです。 ”強い力”という名詞です。ややこしいですね。 現在、自然界には4つの根本的な力が存在すると理解されています。 すなわち、重力・電磁力・強い力・弱い力 の4つ 日常の力(蒸気とか摩擦とか)も微視的に突き詰めれば上記のいずれかに落ち着きます(大体前者2つに) というより後者2つは原子核スケールでしか発現されません(換言すれば、到達距離が原子核スケール以内) 強い力は核力とか強い相互作用とも言われ、日本のノーベル賞受賞第一号の湯川秀樹の研究がその始まりとも言われます。 この力は中性子と陽子の間に働く力であり、原子核を分裂しないよう押し留める”糊”の役割があります。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
- htms42
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>「強い力」って何ですか。 静電気力が働いていれば陽子を2つ以上含む原子核は安定には存在できないはずです。 原子核が存在するためには静電気力による反発よりも格段に強い引力が働いているはずです。だからその力に対して「強い力」と命名したというだけです。その力は正電荷を持った陽子と電荷を持たない中性子をくっつける働きも持っていなければいけません。 「強い力が働いている」というだけであれば「なるほど、そういう力があるのですね」というだけのものです。 単なる言葉のの置き換えでしかないことになります。「核力」と言っても同じです。その強い力が核の内部でしか働かないのでそう命名したというだけです。陽子と中性子をくっつけて原子核をつくる時に働く力であるというだけです。それは一体どういう力なのかが知りたくなります。でも急に難しくなります。 定性的なイメージでも、古典的なイメージでもいいです。大雑把な一歩でいいから強い力が働くのがこういうことが関係するのではないかということが知りたいですよね。当たらずとも遠からずの話でいいのです。 高校の化学で扱う内容に基づいて書きます。 原子の分類は陽子の数で行われています。 陽子の数が等しければ同じ元素だとしています。 原子番号(元素番号)は陽子の数のことです。 (元素は原子の種類を示す言葉です。原子は個々の粒子のことです。) 元素番号1番は原子核に陽子を1つ含む元素です。元素の名前は水素です。 原子核を構成する粒子は陽子と中性子です。陽子と中性子の質量はほとんど等しいですから原子核の質量は陽子の数と中性子の数の合計で表すことができます。この数のことを「質量数」といいます。 水素の質量数は1,2,3と3種類あります。同じ元素に属する原子で質量数の異なるものを「同位体」と言います。安定な同位体と不安定な同位体があります。質量数1,2の同位体は安定ですが質量数3の同位体は不安定です。放射性の同位体というのはこの不安定な同位体のことです。炭素で言えば同位体は質量数が12,13,14の3種類があります(質量数11の炭素もありますが寿命が短すぎるので除外しました)。質量数14の炭素が放射性です。原子核が不安定な同位体の存在する元素はウランのような一部の元素だけではありません。 質量数1の水素は原子核が陽子だけからできています。 原子核が陽子だけでできている同位体の存在する元素は水素だけです。 質量数2のヘリウムは存在しません。質量数6の炭素も存在しません。陽子と陽子は反発するからです。 原子核の中にあっても反発することには変わりがありません。 原子核の中に2つ以上の陽子が存在することができるためには中性子が必要なのです。 > 陽子と陽子は反発します。原子核を構成する陽子同士は強い力で引き合います。 これは前の質問に対する回答の中の文章の引用です。 このように書けば質量数2のヘリウムがあってもいいのではないかと考えてしまいます。 核力という特別の力が陽子と陽子の間に直接働くというイメージで書かれているからです。 中性子がなければ2つ以上の陽子が原子核をつくることはできないという理解はこの文章からは出てきません。 周期表を見てもらうと分かりますが原子量の値は原子番号のほぼ2倍です。 これは安定同位体の原子の原子核の中では陽子の数と中性子の数がほぼ等しいということから出てくることです (原子番号が大きくなるに従って中性子の数の方が大きくなって行きます)。陽子と中性子は電子のやり取りで互いに移り変わることができる(n⇒p^++e^- という変化はβ崩壊の例の1つととして物理の教科書にも出てきます)ということと数がほぼ等しいという条件とが合わさって陽子の反発を抑えるような効果が生じているのではないかということが推測されます。 核力の話はその後のことです。 陽子と陽子の間に引力がはたらくというのは「結果的には」ということです。 中間子の交換というのもそういう話の中で出てくることだと思います。 電子のやり取りで陽子と中性子が入れ変わるというだけでは核力の強さが出てこない、もっと質量の大きな粒子の交換が必要だろうと考えるという流れでしょう。 ここから後は量子力学と相対性理論を学ばなければいけないでしょう。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
>「強い相互作用」ってなんですか。 ネットで検索するか、図書館か本屋で入門書をあさるか、大学で核物理学を学んでください。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
- alwen25
- ベストアンサー率21% (272/1253)
私も「強い力」について知るために原子核物理学を 勉強したことがあるのですがいまだに良く分かりません。 原子核の大きさくらいの距離で、陽子や中性子に働く引力 (名前の通り、伝わりさえすれば一般的にクーロン斥力より強い) ということくらいまでは分かりましたが。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
- aokii
- ベストアンサー率23% (5210/22063)
強い力で結びついているからです。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
補足
「強い力」って何ですか。
「強い相互作用」と呼ばれる別の力が働くからです。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。
補足
「強い相互作用」ってなんですか。
お礼
たくさんのご回答をいただきありがとうございます。 同文となることをお許しください。 福島原発事故に関連してふと不思議に思って質問させていただいたのですが、私のような素人に本当に分かりやすく説明していただき、とてもよく理解できたように思います。また、核力、光子、重力子、スピン、中間子、強い相互作用、弱い力など、たくさんの言葉を教えていただき、そのようなものが原子核の存在に大きく関連しているということもよくわかりました。 有り難うございました。