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原子炉の核分裂はどうやって起こすのですか
いつもお世話になります。稼動中の原子炉を停止するのには、中性子を吸収する制御棒を挿入するということですが、ということは制御棒がない状態、つまり燃料棒同士が近い状態になるとお互いの燃料棒から中性子が飛び交い勝手に核分裂が始まり、やがて臨界状態に達するのでしょうか。運転中は制御棒のコントロールで出力を加減しているのでしょうか。また疑問なのは、1本の燃料棒の中に入っている複数の濃縮ウランペレット同士は互いに核分裂は起こさないのでしょか。初歩的な疑問ですみませんがご教示お願いいたします。
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No.2です。 追伸: > 運転中は制御棒のコントロールで出力を加減しているのでしょうか。 ・沸騰水型原の原発はベース電源として設計されています。 したがって、24時間、運転出力の定格は100%または75%固定。 運転中は、制御棒は全量引き抜きが基本運転系です。 したがって、原子炉は再循環ポンプによるコントロールが主体です。 沸騰水型原子炉のコントロール方法。 1・制御棒。(サブ) 2・原子炉再循環ポンプ。(メイン) ボイドが多いと核分裂反応が下がる。 3・ホウ素濃度制御系。 水中のホウ素濃度が増えると核分裂反応が下がる。 http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=1006 ・加圧水型原子炉の制御棒は、出力調整用と停止用の二種類に分けられます。 原子炉のコントロール方法。 1・出力調整用制御棒。 2・ホウ素濃度制御系。 > 1本の燃料棒の中に入っている複数の濃縮ウランペレット同士は互いに核分裂は起こさないのでしょか。 ・先の回答の通りです。 自発性核分裂で、簡単に臨界が起こるようでは、原子力発電なんて、怖くて、とても使えません。
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- x530
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> つまり燃料棒同士が近い状態になるとお互いの燃料棒から中性子が飛び交い勝手に核分裂が始まり、やがて臨界状態に達するのでしょうか。 ・違います。 原子炉は大変安全性を重視した設計で、ペレットのU235とU238の比率は、自発性核分裂による臨界や連続核分裂に至る可能性は低くなるように作られています。 原子炉の起動時には、火種が必要です。 原子炉の炉内または炉心近くに、制御棒と同じように、起動用中性子源(イニシエーター)を格納容器から挿入することにより原子炉は臨界し起動します。 U238も極めて小さな確率ながら自発性核分裂を起こします。 自発性核分裂でも中性子を放出します。 あと、核分裂の不発(Pu240)も自発性核分裂を起こして、中性子を放出します。 ですが、U238やPu240が核分裂を起こす確率は、お話にならないくらい小さいため、臨界や連続核分裂に至ることは希です。 http://roko.eng.hokudai.ac.jp/studentadm/NRE/kuca.html#source チェルノブイリは運転中(連続核分裂中)の事故。 スリーマイルと福島は停止中の事故。 両者は、異なります。
お礼
現場で働いているかのようなご回答ありがとうございます。燃料棒を近づけただけでは核分裂は起きないんですね。中性子の火種があるとは知りませんでした。ただ、jcoの臨界事故があまりにも簡単におきた記憶があるので燃料棒同士が近いだけで核分裂が起きても不思議ではないなと思っていました。自発性核分裂など勉強になりました。
- Siegrune
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最後の疑問までは、はいそうです。 >また疑問なのは、1本の燃料棒の中に入っている複数の濃縮ウランペレット同士は互いに核分裂は起こさないのでしょか。 核分裂を起こしたときに出てくる中性子は非常に高速で飛んでいきます。 1本の燃料棒の中で核分裂でできた中性子はほとんど燃料棒の外へでていってしまうでしょう。 で、出て行った中性子が減速材である水により他の核物質に取り込まれてというか衝突してというか して、核分裂が繰り返されます。 おきていないわけではないでしょうけど、臨界状態に達するのは難しいでしょうね。 東京電力のこのページがわかりやすいかと。 http://www.tepco.co.jp/nu/knowledge/system/system01-j.html
お礼
朝忙しい時間にありがとうござました。中性子を減速させるのがポイントですね。tepcoのhpも分かりやすかったです。ご紹介ありがとうございました。tepcoの解説に問題の放射性物質の説明がなかったのが気になりました。ありがとうございました。
お礼
再度ありがとうございました。福島の場合は沸騰水型ですから圧力容器内にボイド(泡)を発生させたりホウ素の加減で出力をコントロールしているわけですね。長期間、反応度を常に0に保つようにコントロールしていることもサイト参照で分かりました。また加圧水型のチェルノブイリは制御棒を抜きすぎて反応度がプラスに転じた出力オーバーだったんですね。専門的な解説、何とか物理音痴の私でもちょっと理解できました。ご教示ありがとうございました。