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吸盤について質問です。
吸盤について質問です。 吸盤ってどうしてひっつくことができるのでしょうか? wikiでは「大気圧や水圧を利用して物に張り付く器具」と説明されており、 友人が周りの大気圧で押されていると言っています。 しかし、私は吸盤がひっつくのは吸盤の復帰力とその中の空気の膨張の限界でひっついていると思っていたのですが、どうなんでしょうか? もしかしたら検討違いなこと言ってるかもしれませんが教えていただけたら幸いです。
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こんにちは。 なかなか釈然としない問題ですよね。 次のような説明ではいかがでしょう。 ポイントは「結局、大気圧で押されていることは事実。”鉄の吸盤”を使うとある程度納得できるのだけど・・・」 圧力や真空の実験にはいろいろな方法がありますが、いずれもちょっとした驚きがあります。 それは、やはり、”人間の持っている直感との相違”が原因となっています。 (1) ストローでジュースを吸うとき、どうしても「一生懸命吸っている」のであって、「押してもらっている」ようにはとても思えない。 (2) 1気圧は実はかなり強力。小さな吸盤や圧力容器でも、中の空気を抜いただけで猛烈な力として見えるようになり固い缶でもつぶれてしまったりする。でも日常では、空気なんて、特に強風にでもならなければ大した力になるようにはとても思えないのに・・・。 (3) 吸盤を引っ張ると、手応えがバネといっしょ。外部の空気圧の「押す力」ならいつも一定の力のはずなのに、強く引くと少し伸びていかにも「中の空気が広がって吸い寄せている」ように感じる。 (1)は、私にも直感的には説明できにくいです。長いストローの場合にはあんなに一生懸命吸っているのに、押してもらう手伝いをしているだけなんて・・・。まあ、あえて言えば、実は、「胸の筋肉(横隔膜)を、空気圧に抵抗して押している」のですが。 (2)については、実験演出の上で驚きを与える一番の原因です。「普通の空気圧がこんな力を持っているなんて・・・」 実はこれは、真空(超定圧)が自然界に極めて少ないことによるものと言えるでしょう。猛烈な台風の風でも、原因となる空気の圧力差(低気圧と高気圧の差)は10%程度。 一旦「風」になると、空気としての慣性力を持つので、ビルの陰で渦を巻いた場合等にもっと大きな差になることはありますが、1/5気圧まで下がることはほぼ絶対にありません。私たちの体も内部にまで広く圧力が浸透しているため、結局、皮膚での押し合いもバランスしてしまい、人生の中で「1/100気圧」などということは経験できないのです。 (昔、「自然は真空を嫌う」という有名な言葉がありました) (3)は、質問者さんのご認識に一理ある要素でもあり、他方、一番身近な「ビニールの吸盤」が故に起きる勘違いでもあります。 まず、「強く引くほど伸びるので、膨張の限界なのでは・・」という表現は一理あります。 吸盤をガラスに貼り付けた段階では、中の空間に少し入っている空気によってある程度の圧力があり、内側からほんのり押してくれています。強く引くほど、空間が大きくなって低圧になり、大気圧との差が出てきます。 さらに、ビニールやゴムの吸盤では、引き手の部分の伸びや吸盤全体の変形も手伝ってバネのような感じになるので、なおのこと「膨張の限界」という感覚えをもたらします。 でも、これのような手応えは、鉄製の吸盤を作ってみると全く感じません。鉄やガラスでカップを作り、接合面を良く研磨し、特別な機械で中の空気を抜くと、引っ張った際に全く伸びの手応えがなく、接着剤で貼り付けたような感覚になります。それにもかかわらず、部屋全体の空気を抜くと、いとも簡単にはずれてしまう・・・もしこの実験を見る機会があれば、「中の空気が吸うのではなく、周りが押している」ことも何となく感覚的に納得できるでしょう。 さてさて、長くなってしまいましたがいかがでしょうか。 お役に立てば幸です。