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応力に関する質問です。
物理学初学者です。 教科書を読んでいて、質問しています。 質問(1) テンソルについて書かれていますが、テンソルとは何か?もっと詳しく言えば2階のテンソルとあるが、これはどういうことか? 質問(2) 3-3図の場合には~(略)応力テンソルはつぎのようになっている。 とありますが、こうなる理由がよくわかりません。 分かる方教えてください。
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たとえば,応力テンソルの成分σxyは,「x面(yz面に平行またはx軸に垂直な面のこと)に作用するy方向の応力(単位面積当たりの力)」を指しています。つまり応力の成分は2つの方向を指定して初めて意味をなすわけです。 これはベクトル成分が1つの方向指定だけですむことと比べるとわかりやすいと思います。このことをベクトルは1階テンソルであるといいます。したがって応力は2階テンソルを構成します。また,スカラー量は方向がないので0階テンソルであるともいわれます。 さらにいえば,ベクトルと2階テンソルが座標系の回転に対してどう変換するか,という点も大切です。 以下の掛け算はすべて行列積です。 ベクトルVが回転行列Rに対して V' = RV と変換されるのに対して,2階テンソルTは T' = R T tR ※tRはRの転置行列(逆行列に等しい) と変換を受けるという特徴があります。 このことは,2階テンソルが2つのベクトルの「直積」という構造をもっている量であるともいえます。直積とは,列ベクトルと行ベクトルの行列積です。 T = a tb = { ax,ay,az } ( bx,by,bz ) = ( axbx,axby,axbz / aybx,… / azbx,… ) ※{ }の中は成分が縦に並んでいると考えて下さい。/は行の区切りです。 座標回転による変換は a' = Ra b' = Rb ∴T' = a' tb' = Ra t(Rb) = Ra tb tR = R T tR というわけです。こうした変換の基本性質が,ベクトルやテンソルで記述された法則が選ぶ座標系によらないことを保証しているという点が重要なのです。
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- yokkun831
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先の質問への回答で不十分な点を補足します。 そもそも応力というものは,流体中の圧力がその例としてあげられるように,物質中の各位置において定義される意味で「場の量」ですが,それだけでは力としての方向が定まらない量です。向きつきの面が指定されて初めて具体的な「力」としての向きが定まるわけですね。 たとえば,物質中にx軸をとってそれに垂直な面を考えます。その面によって物体を2分したときに,応力は面の外側(x正方向)の部分が内側の部分に対して,面を通して及ぼす単位面積当たりの力として定義されます。もし,逆に内側が外側に対して及ぼす応力を考えると,作用反作用の関係から応力は正反対の向きになります。したがって,面の外側に向く方向を面の「表」と定義して,裏側にある部分が表側にある部分から受ける力を考えているわけです。その結果として応力から力を求めるときに符号がついたのですね。
- yokkun831
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>このことは定義なのでしょうか? 定義かと問われるとわかりませんが,テンソルの重要な特徴であって,ベクトルの直積は間違いなくテンソルを構成します。しかし,テンソルを常にベクトルの直積に分解できるかというとそうはいかないということです。なおかつ,座標変換においてはベクトルの直積と同等の変換をするという点が大切なのです。 >bは列ベクトルで、tbは転置行列でしょうか? その通りです。したがって,tbは成分をそのままに行ベクトルにしたものを表します。 >Ra t(Rb) = Ra tb tRとなるのが分からないので教えていただきたいです。 添付図を参照下さい。行列の積の転置は,転置の逆積になります。
お礼
詳しい解説をありがとうございました! 理解することができました。
補足
>このことは,2階テンソルが2つのベクトルの「直積」という構造をもっている量であるともいえます。直積とは,列ベクトルと行ベクトルの行列積です。 このことは定義なのでしょうか? >T = a tb = { ax,ay,az } ( bx,by,bz ) = ( axbx,axby,axbz / aybx,… / azbx,… ) bは列ベクトルで、tbは転置行列でしょうか? >∴T' = a' tb' = Ra t(Rb) = Ra tb tR = R T tR というわけです。 Ra t(Rb) = Ra tb tR となるのが分からないので教えていただきたいです。