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冷却曲線
冷却曲線の過冷却なのですが、一体何なのか、意味がよくわかりません。 過冷却はなぜおこるのでしょう? ・凝固の開始には温度条件のみならず、結晶の「核」になる部分が必要だから (「核」を中心に凝固していく?雪玉を作るときに石を包むように作るイメージ?) ・液体が固体になる反応は発熱反応であり、これが急激に 起こるので (ということは、発熱の準備のため?) 色々調べてみたものの、しっくりくるものがなく、どういった現象なのか よくわかりませんでした。(もちろん高校化学の範囲です。)
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「凝固の開始には温度条件のみならず、結晶の「核」になる部分が必要だから 」 鋭いですね、まったくおっしゃる通りです。 高校生の化学であればこれで十分すぎるほどの解答です。「核」は専門用語としても使われていますからカッコ書きにしなくても大丈夫です。 Love1001さんのおっしゃるところの「温度条件」は、最終的にその物質がどんな形態(相, Phaseという)になるかを決定します。しかしその中間の動的な過程にどれくらいの時間を有するかは別の条件から決まります。「核になる部分ができるために多少の時間を要するから」と申し上げてもよいでしょう。 高校の化学の解答としては上記で十分ですが少しだけその先を説明しておきたいと思います。もしご興味があれば一読下さい。この辺りのお話は「核生成理論」として研究されほぼ確立しています。 いま液体が冷やされて、下の図のように液体の中に小さな固体の粒(核)が発生したとします。 液体 / ̄\ │固体 │ \_/ この場合のエネルギーの収支を考えてみます。これには ・液体が固体になったことによりエネルギー的に得する分 と ・液体と固体との境界が生じたことによりエネルギー的に損する分 があります。 前者は固体部分の体積、すなわち半径の3乗に比例し後者は半径の2乗に比例します。ということは半径が大である核ほど、エネルギー的に安定であることになります。逆に小さな核はエネルギー的に不安定なため、やがて消滅してしまうことになります。 「小さな核はやがて消滅してしまうのであれば、いつまで経っても核はできないのではないか?」 これもおっしゃる通りです。しかし実際には核は生成します。それはどういうことかと言うと、分子は常に離合集散を繰り返しているわけですが、その集合体がたまたま生き残れるために必要な大きさに(確率的に)達したとするとその先は安定的に成長できるわけです。 というわけで水を0℃以下の環境に置いたとしても、(固体の=氷の)核が生成して安定して成長できるようにならないと氷にはならなりません。過冷却はこのためにおこる現象です。 0℃よりもう少し温度を下げると、上記の核(のそのまた核)が生き残りやすくなるために急激に凝固が始まります。 後半の「液体が固体になる反応は発熱反応であり、これが急激に 起こるので 」は違うように思います。過冷却をしているということはまだ凝固は始まっていないのであり、その段階では凝固に伴う熱(潜熱)は発生しておらず、周囲の凝固が遅れているということはありませんから。 ただし凝固が始まりますと周囲に潜熱を放出しますので、温度を下げようとしても下がらず、温度は0℃のまま凝固だけが進行します。この挙動も冷却曲線に現れている通りです。
お礼
ご回答をありがとうございます。 お礼が遅くなり、申し訳ありません。 詳しくご回答くださり、イメージがつかみやすかったです。 ありがとうございました。