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借地上の建物の賃借人による敷地の瑕疵への対処法
- 借地上の建物の賃借人による敷地の瑕疵への対処法について、法的な関係や請求方法について調べています。
- 建物の賃借人が土地の賃貸人に対して修繕義務を代位行使する方法を検討していますが、現実的なものなのかについて悩んでいます。
- 修繕義務を履行するまでの間に生じた損害の賠償請求が可能かどうかも気になっています。
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土地賃貸人をA,土地賃借人・建物賃貸人をB,建物賃借人をCとします。 1 建物の賃貸人に対して有する建物の使用収益権を被担保債権として建物の賃貸人が土地の賃貸人に対して有する土地の修繕義務を代位行使するという方法は,現実にできるか? →修繕を請求する権利は,債務者の意思を尊重すべき一身専属権ではないでしょうから,Cは,Bに対する建物の使用収益請求権を保全するために債権者代位権の転用として代位行使できるのではないでしょうか。 2 もしできるとすると、土地の賃貸人が修繕義務を履行するまでの間に生じた損害の賠償請求までできるのでしょうか? → ここで,Aが修繕義務を懈怠してBに損害が発生しているのなら,BにはAに対する損害賠償請求権が発生しています。 ここで,ご質問は,CがBに対して金銭債権を有することを前提としています。 金銭債権を有するとすれば,瑕疵担保責任か債務不履行責任に基づくものでしょう。まず,瑕疵担保責任の追及については,敷地賃借権付き建物売買において敷地そのものの瑕疵は売買の目的物の瑕疵とはみない判例の立場(最高裁平成3年4月2日判決)からすれば,Cが土地の瑕疵を建物の瑕疵とみてBに瑕疵担保責任を追及することは難しく,CはBに対して瑕疵担保責任による金銭債権を有せず,代位行使の前提を欠くのではないでしょうか。 これに対し,BがCに土地には瑕疵がないことを保証していたような場合は,債務不履行責任としてCはBに損害賠償を請求でき,BのAに対する損害賠償請求権を代位行使できるでしょう。 以上について,回答者の頭では未整理の部分があるので,不備があったらご指摘ください。
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- akak71
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今回の液状化について 建物の基礎は、建物所有者の責任で施行する。 基礎をしっかりして工事しておけば防げたのが大部分=この場合は土地所有者の責任はないことになる可能性が強い。 どちらの責任か検討課題でもある。
お礼
ご回答ありがとうございます。 確かに、土地の瑕疵がどのようなものかによって結論が変わってくるかもしれないですね。 なるほど・・・と思いました。 現実的にどのような例があるのか具体的に考えることが大切ですね。 ありがとうございました。
- toratanuki
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たとえば、今回の地震のように、液状化という現象による隠れた瑕疵について、土地の所有者と賃借人との間に何らかの契約があればともかく、現実にはそんなことまで決めておかないでしょう。 一般人同士でも、土地の売買で瑕疵担保責任を決めておくことはまれです。 土地所有者がプロでなければ、無理です。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。 確かに土地の瑕疵について当事者間で決めておくことはまれだと思います。 そこで、契約がなかった場合に、法律上とることのできる措置についてお聞きしたかったのですが・・・。 法定責任説によっても契約責任説によっても、瑕疵担保責任は、当事者間で決めておかなくても法律上当然に認められるものですよね? 私が考えた方法が423条の債権者代位権の転用として認められるのか?という点についてもしよろしければご回答お願いしたいです。
お礼
ご丁寧な回答ありがとうございます。 修繕義務履行までの損害賠償の点について、私も最高裁平成3年4月2日判決を見て悩んでいました。 そもそも判決で、土地の瑕疵が建物の瑕疵とみられなかったのは、以下の理由からだと思います。 建物の譲渡により、借地権も譲渡されたことになる ↓ AとCとの間に土地について直接の契約関係が生じることとなる ↓ CはAに修繕を直接請求できる しかし、建物の譲渡ではなく、建物の賃貸の場合には、AとCの間に契約関係は生じず、CはAに直接修繕義務を請求することができません。 したがって、この判決の結論を今回の場合にそのまま適用するのは疑問がありました。 Cの立場からすると、建物に瑕疵があった場合も土地に瑕疵があった場合も使用収益ができなくなっているのならば、同じようにBに瑕疵担保責任を認めてよいのではないかと考えたわけです。 しかし、Bの立場からすると、土地の瑕疵まで保障したわけではないといえそうです。 ここの判断が難しいなと思いました。