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ダイオードの特性式、順方向降下電圧について
- ダイオードの順方向降下電圧はダイオードの種類によって異なります。シリコンダイオードなら0.6Vから0.7V、LEDなら2.0Vから3.5V程度です。
- ダイオードの電流-電圧特性はI=I0{exp(qV/nkT)-1}の式で与えられます。逆方向飽和電流I0の値が変わると特性の形状が変わります。
- 順方向降下電圧が上がる理由は逆方向飽和電流I0が極端に小さくなるためです。LEDなどの特定のダイオードではI0が低いため、順方向降下電圧が高くなります。
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えーと、勉強したのが結構昔なので所々ちょっと自信ないですが 順方向降下電圧は、ダイオードで通常使用する電流(数十mAオーダー位から?)において ダイオードにかかる電圧のことで、その電流の範囲では I=I0{exp(qV/nkT)-1} の指数関数の傾きが非常に大きくなっており、 使用範囲内の電流変化では、それに対応する電圧がほとんど変わりません。 例えばシリコンダイオードの場合、数十mAから数百mA位に変化させても 電圧降下はほぼ0.6V一定と扱って良いことになるわけです。 これが順方向降下電圧です。 つまり、順方向降下電圧は作動させたい電流の範囲次第で変わってきます。 そしてもちろんI0,nなど電流-電圧の関係にかかわるパラメータはすべて効いてきます。 シリコンダイオードとLEDの順方向降下電圧の差は 材料の違いと(これでI0が変わってきます) LEDは電子と正孔を再結合させて発光させていること(これでnが変わってきます) によって生じます。 ということでよろしいでしょうか。 <このVFが出現するようにダイオード特性式のパラメータを決定しようとすると、 これは「ダイオードはVFを超えると電流が流れ始める」と説明されることがあるために 勘違いされていると思います。 正しくは「VF以下のダイオード電流は、使用している電流範囲より十分小さくなるので無視できる」 の意です。 それから以下の方法でフィッティングさせて見てください (かなり面倒くさいと思いますが) 電流の式を変形します。 Vがある程度大きければ-1を無視できて I=I0{exp(qV/nkT)-1}≒I0exp(qV/nkT) 両辺のlogをとると logI=qV/nkT+logIo つまりlogIのVに対するグラフは、 傾きq/nkT、切片logIo なる直線になるはずです。 測定データの傾きと切片を実際に図ってn,Ioを求めてみてください ただし、t=0近辺では無視した-1のせいでグラフが曲がっているので無視してください。 また、内部抵抗の影響で大きなVではグラフが曲がってくると思います。 内部抵抗を考慮した I=I0{exp(q(V'-RI)/nkT)-1} の式で同様に対数グラフを作成します。直線になるよう、うまくRを調整してください。
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- cocacola2010
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回答というより確認になるかと思いますが、フィッティングさせたというのは 実際に測定した実験値のグラフにフィッティングさせたということでしょうか? その場合、実験時に印加電圧をマイナス方向にもとりましたか? I=I0{exp(qV/nkT)-1} のVに-∞を代入すると-I0になりますね。 実際に逆方向バイアスをかけ、その電流を測定すればI0がわかりますよね? その値を式に代入し、それを基準にしてさらにnを決定する・・・ というのが普通の流れだと思うのです。 しかし1.0×10^(-40)Aという極小の値が測定できるわけがないですので、 この過程を踏んでないのではないでしょうか 判断できる情報が十分でないので確かではないですが 印加電圧が正しかとっていないデータに表計算ソフトなどのフィッティング機能を そのまま適用しているのではないかな・・・と現段階では想像します。 (もしくは、逆方向バイアスでも測定をしているが フィッティングのさせ方が間違っている) また、フィッティングさせる場合 Vが大きな時の電流値は I=I0{exp(qV/nkT)-1} からずれてくる (PN接合の内部抵抗、および回路中の他の抵抗にかかる電圧が支配的になるため) ので極力小さな電圧値の範囲でフィッティングさせるのが良いでしょう。
補足
解答ありがとうございます。 説明が不十分ですみません。今回、実際にLEDの電流-電圧特性を自身で測定し、 そのグラフに対しI=I0{exp(qV/nkT)-1}のグラフをフィッティングさせる、ということを試みていました。 cocacola2010様のおっしゃる通り、本来逆電流からI0を求めるべきなのですが、 測定機器の精度がそこまで追いつかないみたいで、10^(-8)Aと0Aを電流値が行ったり来たりする、といった測定結果になってしまいました。 仮にI0=10^(-8)Aとしても、n=9.0としなければ正のグラフにうまく合わず (この時の式は抵抗を加味したI=I0{exp(q(V-RI)/nkT)-1}を用いています、R1=8.5でよく合いました) この値は大きすぎるのではないか…と考えていました。 今回一番知りたかったことは、 「シリコンダイオード(等)とLEDの順方向降下電圧の差は、 I=I0{exp(qV/nkT)-1}の主にどこのパラメータに効いてくるのか (またはそこに他の特性式が絡んできて差が出てくるのか)」 でした。 LEDに関する文献を見ても、順方向降下電圧VFは2V以上、とシリコンダイオード等のVFに比べ大きな値になっており、自分のデータもそのようになったのですが、 このVFが出現するようにダイオード特性式のパラメータを決定しようとすると、nを2より大きな値(それも少し大きいだけでなく、2倍3倍と大きい値)にするか、I0を1.0×10^(-40)Aにしなければならず、 いったいどういうことなのだろう、と考えていました。 文章力不足により、あまりうまく伝えることができず申し訳ありません。
お礼
丁寧な解説、ありがとうございました。 どうやらnの値が1から2の値を取る、とは限らないようで… どこかに書いてあったことを鵜呑みにしてしまっていたのがまずかったです。 特にLEDの場合なんかだとn=6等の大きな値を取るようです。 これでもやもやしていたことが解決しました。 フィッティングさせようとするとどうしてもnの値が大きくなってしまうのですが、 それはおかしいことではないようです。この部分を勘違いし、悩んでいました。 これでフィッティングもうまくいきそうです。ありがとうございました。