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日銀の独立性、自主性は何のため?
日銀は独立性、自主性を持っていると聞きましたが、どうして必要なのでしょうか。 経済政策は政治の一環として行うもので、お互いの関連組織が連携して行わないと その効果も上がらないと思うのですが。 一体何故このように決められているのでしょうか。 また、最近の円高は企業にとっては厳しい現実かも知れませんが、日本全体の 経済基盤がここまで成長したら経済の基本的原理として仕方がないのではないで しょうか。 他の大国でも同じ道をたどってきていると思うのですが、たとえばアメリカ、フランス などは、どのようにして自国の貨幣価値のアップに対処して来たのでしょうか。 やはり賃金の安い、発展途上国への進出しかないと考えられますが。
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>しかし、円高については、発展途上国が経済力をつけてきた時には避けられない >問題、且つどの国にも生じることだと思うのですが、、、、、、 う~ん・・・「どの国にも生じる」問題なのに、どうして日本だけ「円高」になるんでしょう か。そう考えてみませんか? 発展途上国が経済力をつけてきたら、どの国も通貨高になるのなら、ドルも、ユーロも皆通貨 高にならないとおかしいはずでしょ? だけど、現実は違いますよね。 > 今の日本が正にその時だと思うのですが、国外への生産拠点の移動以外には >対処法はないのではないでしょうか。 今の日本・・・ですか。国外へ生産拠点が移動したのは、何も今に始まった話ではないで しょ? バブル経済の発展下において始まった政策ですよ。 前回の回答でお示ししてますが、 >そういった方法を参考にすべきです。それは、決して『安易に』賃金の安い発展途上国へ進出する、などという方法ではありませんよ。 「安易に」と記しているでしょ? バブル経済を生み出した政策は、「公共事業の拡大」「低金利政策」「法人税・所得税減 税」「物品税の廃止」。つまり、内需の喚起こそがバブル経済の原資となったんです。 この時、税収はなんと政策実行前の1/3にまで激減したんだそうですよ。 にもかかわらず、経済はバブル景気を迎えたのです。 今の日本の最大の問題は、日本の国内に「仕事」がないことが一番の問題なんです。 国内に仕事がない事が一番の問題なのに、賃金の安い発展途上国への進出が今以上に加速し たりすれば、それが国内にどのような現実をもたらすのかは、容易に想像できるかと思いま す。 益々物価は下落し、国内の経済はさらに悪化します。当然税収も落ち込みますし、不必要な 国債発行をしなければならないような状態が訪れかねません。 それを阻止するのが日本国政府の役割。必要なのはやはり「政策」です。 仕事を作り、また国内での生産に対してメリットがある政策の実施。もちろんプラザ合意 後の政策と同様な政策が現代も通用するのかといえば、それはまた別問題です。 今の時代は、今に合った政策が必要です。 ちなみに、ニクソンショックの時は1ドル360円から4年ほどで一気に180円まで上昇しまし た。 プラザ合意の折りは1ドル250円から3年ほどで一気に120円にまで上昇しました。 どちらも、内需を拡大することでこの国は経済危機を乗り越えてきたのです。内需が拡大 し、余剰資金が生まれれば、必ず為替相場は円安へとシフトします。 首相がきちんとその方針を国民に対して内需拡大の意思を示し、これを裏打ちする政策を 取れば、国内経済はきちんと健全な状態に回復すると思います。
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- covanonki
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経済政策を政府と日銀が連携して行わないと効果が上がらないのはおっしゃる通りかと思い ますが、だから日銀の独立性が必要ない、というのは別問題であるように思います。 仮に日銀が政府から独立していなければ、政府の意思でいくらでも日銀券を刷る事が可能 だ、と言うことになってしまい、通貨の信頼を損ねてしまいかねません。 戦前、戦中~戦後にかけて、これを象徴するような出来事がありました。 軍事政権下、政府が軍事増強のために国債を発行し、これを日銀に買い取らせることによっ て大日本帝国は資金を回し、これを終戦末期~終戦直後にかけてまで行っていました。 戦争によって日本の生産ラインは破壊され、物の供給が十分に行えないにも関わらず、で す。結果、この国では極端な物価の高騰を招き、実に物価は300倍にまで上昇したと言いま す。 これは、元々世界恐慌下、デフレと経済不況から脱出するために、高橋是清によって行われ たリフレーション政策が大元なのですが、経済が回復し、リフレ政策が必要なくなったと判 断した是清は軍備縮小を図ろうと画策したところ、当時の軍部より反感を買い、暗殺されて しまいました。結果的に軍事政権は暴走する事となったのです。 日銀の通貨発行におけるコントロールを政府が行えるようにしてしまうには、政府は基本 的に悪い事はしない、という「性善説」に立って考える必要があります。 ですが、過去の歴史が示している通り、政府はTOPに立つ人間によってどのようにでも 変化します。仮に悪でなかったとしても、その政府の行う政策が、必ずしも適正であるとは 限らないのです。だからこそ、日銀は政府から独立した存在であり、政府と日銀は、お互い の信頼関係において連携を図っていくべき存在だと思います。 ただ、現在でも財政法第5条に於いて、「国会の議決」を根拠として政府は日銀をコント ロールすることも可能とされています。ですが、それはあくまでも「禁じ手」であり、本当 にそれしか方法がなくなる時まで封印しておくべき手段だと思います。 野田内閣においてどうなるかは判りませんが、少なくとも菅内閣までの民主党政権では、民 主党という政党はあまりに無能であり、特に震災直後以降、日本の金融市場をコントロール してきたのは政府ではなく日銀です。仮にこの時点で日銀が政府から独立しておらず、政府 の支持がなければ動けないような存在であったなら、と考えるとゾッとします。 日本経済は終わっていたかもしれません。そういった意味でも日銀は政府から独立して動け る存在である必要性があるのです。 >また、最近の円高は企業にとっては厳しい現実かも知れませんが、日本全体の >経済基盤がここまで成長したら経済の基本的原理として仕方がないのではないで >しょうか。 私は、確かに今の為替市場は、日本の経済基盤を如実に表しているものだと思います。 ですが、だからといって日本が世界中の負の遺産をその身一身に背負う必要があるのでしょ うか。きちんと政府が、アメリカやヨーロッパに対して、「自分たちのしでかした過ちは、 自分たちでしりぬぐいをしてくれ」と主張し、不必要な資金はアメリカやヨーロッパに返す 必要があると思います。 ですが、残念ながら今の民主党政府に、それが出来るほどの実力がある人間など存在しませ ん。これは、野田首相を含めてそうだと思います。 であれば、きちんと政府が国内に対して投資を行い、国内の企業が外資(輸出入)に頼らず とも経済的基盤を作れるようにしてあげる必要があるはずです。 >やはり賃金の安い、発展途上国への進出しかないと考えられますが。 とありますね。ですが、これを今のまま許していると、日本の経済はますます疲弊していき ます。これをさせないよう、国内に市場を作り上げる工夫が政府には必要です。 ちなみに、 >他の大国でも同じ道をたどってきていると思うのですが、たとえばアメリカ、フランス >などは、どのようにして自国の貨幣価値のアップに対処して来たのでしょうか。 とありますが、フランスはよくわかりませんが、アメリカに対して言えば、日本とは全く逆 の道をたどってきています。 元々、戦後の国際市場は、金の価値にドルを固定させた「金本位制」。世界中の通貨をこの ドルに対して固定する「ドルペッグ制」を取っていました。 ところが、ニクソン大統領によってこの金本位制に対して終焉が告げられ、国際市場は変動 相場制へと移行します。その後、ドルはヨーロッパや日本の通貨に対してどんどんその価値 を下げ続けました。日本円に対しては、それは現在でも続いていますね。 ですから、本来参考にすべきは、他の大国がたどってきた道よりもむしろ、過去の日本がた どってきた道。 「ニクソンショック」後、日本はどのようにして過剰な通貨高を乗り切ってきたのか。「プ ラザ合意」後、日本はどのようにして過剰な通貨高を乗り切ってきたのか。 そういった方法を参考にすべきです。それは、決して安易に賃金の安い発展途上国へ進出す る、などという方法ではありませんよ。
お礼
covanonkiさん、丁重な回答有り難う御座いました。 日銀の独立性については過去に色々な背景があったことが分かりました。 しかし、円高については、発展途上国が経済力をつけてきた時には避けられない 問題、且つどの国にも生じることだと思うのですが、、、、、、 ある程度までは、色々な意味での生産性の合理化等で対処出来そうですが、 それにも限界があると思います。 今の日本が正にその時だと思うのですが、国外への生産拠点の移動以外には 対処法はないのではないでしょうか。 国を挙げての支援は必要でしょうが、どうもハード的?な問題の気がして、 政治レベルでも不可能な気がするのは私だけでしょうか。
補足
covanonkiさん、色々と貴重な回答有り難うございました。 非常に勉強になりました、もう少し勉強してもっと自分の考え?を 整理してみたいです、今後とも宜しくお願いします。
お礼
covanonkiさん、色々と貴重な回答有り難うございました。 非常に勉強になりました、もう少し勉強してもっと自分の考え?を 整理してみたいです、今後とも宜しくお願いします。