このサイトでは、絶対音感について、たびたび質問があります。
私もかつて回答したことがあるような記憶があるのですが、一言で「絶対音感」といいましても、これはピンからキリまで、です。
ものすごく乱暴な言い方をすれば、絶対音感とは、楽器の音などの相対的な音の高さを比べる基準の音を聴かなくても、今鳴った音をドレミで正確に再現できる能力です。
とすれば、生活上で聴くごく一部の音だけでも、聴いて、音名で再現できるぐらいの人は、結構いると思います。たとえば、幼少期に「チューリップ」を毎回ハ長調で聴いて、ドレミで歌い続けてきた人は、いずれ、移調されて歌われる「チューリップ」を聴いたときに、違和感を感じる可能性が高いです。
チューリップの出だしがc音だと知っていて、頭の中でイメージが出来上がっている人は、その記憶を頼りに、楽器の助けなしで、c音を当てることができます。これも、わずかながら、絶対音と呼んでもよいでしょう。そういうレベルでの絶対音感の持ち主ならば、世界中、きっとかなりの割合でいるし、差はあまりないと思います。
でも、本格的なものになると、複雑な和音進行を聴いても、全部正しく五線譜の上に書いてしまえたりするレベルになります。しゃべっている言葉を、そのままドレミに置き換えて、バイオリンで演奏再現してしまう人もいます。
こうなると、今までの方の回答にもあります通り、日本独特の英才教育の影響を感じずにはいられません。おそらく、日本人の、そういう意味での絶対音感の持ち主は多いことでしょう。
あくまでも予想ですが、日本人はかつて、音楽は、あまり楽譜を通して習うということをしませんでした。師匠の演奏する琴、尺八、三味線などを、耳で聴き、耳で覚え、また、しぐさで覚えて正確に、弟子へ弟子へと教えていきました。
そういう意味では、耳で覚えるという活動は、楽譜を介さないという意味でも、西洋人よりも盛んに行われていた民族といえるかもしれませんね。
お礼
ありがとうございました、良くわかりました。急いでいましたし、本当に助かりました。