- 締切済み
エントロピーについて
エントロピーの概念がまずわからないので教えていただきたい。 あと、参考書のこの問題がわかりません 熱容量Cが同じで温度がT1,T2(T1>T2)の二つの物体を接触させたあと、やがて平衡温度T0に達した。二つの物体を接触させる。前後のエントロピーS変化を求めエントロピーがぞうだいすることを求めなさい。 教えていただきたい。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- htms42
- ベストアンサー率47% (1120/2361)
エントロピーは熱力学で出てくる量の一つです。 熱力学はモデルによらない閉じた体系を作っています。 エントロピーも熱力学の体系の中で意味づけをすることが道筋だと思います。 統計力学的な解釈は新たなモデルを導入しての解釈です。 意味付けの幅が広くなる可能性もありますが、混乱の生じる可能性もあります。 熱力学ではたくさんの熱力学関数が出てきます。エントロピーはその中で不可逆変化を記述することのできる唯一の関数です。第2法則に直接繋がります。これがエントロピーの意味です。 エントロピー自体は他の熱力学関数と同じく平衡状態でしか定義されていません。でもある平衡状態Aから別の平衡状態Bに移ったとき、その変化が起こった条件が示されていれば、その変化が可逆変化であるか、不可逆変化であるかの判定が可能になるのです。 ギブスのフリーエネルギーが不可逆変化を表していると言う人がいるかもしれません。 でもこれはエントロピーの示す性質をある種のエネルギーに読み変えたものです。ギブスエネルギーの不等号はエントロピーの不等号に由来するものです。 ○参考書の問題 これは参考書に載っていた問題文そのままでしょうか。 これだけだとすると条件が不足しています。 意味付けもできません。 普通は温度T1,T2の物体が周囲から断熱的に切り離された状態にあるという条件で考えます。 外界との間で熱の出入りが許されるのであればエントロピーはどのようにでも変化することが可能だからです。 断熱の条件が成り立っているところで温度の異なる2つの物体を接触させます。高温の物体から低温の物体に熱が移動します。これは不可逆変化の代表例です。第2法則の内容の一つになっています。 熱の移動の起こる前の状態でのエントロピー(2つの物体の合計 SA))と熱が移動して実現した新たな平衡状態でのエントロピー(2つの物体の合計 SB))を比べます。SA<SBであるというのが不可逆変化に対応するのです。△S=SB-SA>0です。 2つの物体1,2については片方で増えて他方で減っています。でも合計では増えているのです。 これをどのようにして求めるのでしょうか。 そこにエントロピーの重要な性質があります。 状態Aから状態Bへの変化は不可逆変化です。変化の途中は平衡状態ではありません。 #2を見ると物体1のエントロピー変化がClnTo/T1、物体2の変化がClnTo/T2となっています。 これはAからBへの変化が準静的に起こったとして計算したものです。実際に起こったのとは異なる道筋で変化量を計算しているのです(このからくりを意識しないままにエントロピー変化の表現を公式としてだけ利用していると思われる記述を目にすることがよくあります)。「エントロピーは状態量であるので状態Aから状態Bへの変化は起こった変化が可逆変化であるか不可逆変化であるのかには関係しない」という性質を使っています。これは重要な性質です。準静的変化であれば周囲との熱の交換を伴ったゆっくりとした温度変化です。物体1は周囲に熱を出します。物体2は周囲から熱を貰います。出した熱量と貰った熱量の大きさは同じですが相手が異なります。物体1と接触していた周囲と物体2に接触していた周囲に熱の不均衡を生じさせるものになっています。物体1と物体2だけの間で熱の移動が起こっている不可逆変化と周囲との間で熱の移動が起こる準静的変化とが同じ状態を実現することができるのです。エントロピー変化も同じです。だから「不可逆変化が起こればエントロピーが増大する」という表現は誤解を生じることがある表現です。確かに実現する状態でのエントロピーは初めの状態よりも大きくなっています。でも不可逆変化であっても、可逆変化であってもエントロピー変化は同じなのです。異なるのはその変化に対応する熱の移動の形態です。 「エントロピー増大の法則」という言葉だけが独り歩きをしています。 不可逆変化ではエントロピーが生まれると書いてある本もあります。エントロピーの流れという表現を使っている本もあります。こういう表現が混ざってくるとエントロピーの意味がぼやけてきます。平衡状態の熱力学でのエントロピーである限り、生まれたり、流れたりはしません。生まれたり、流れたりするというのは別の枠組みの熱力学での解釈です。 エントロピーが分かりにくいということの理由の一つは異なる枠組みでの解釈がどんどん付け加わってしまって、どこまでが元々の意味であったかが分からないものになってしまっているということにあるように思います。だから導入部から忠実に論理を追いかけて行って理解しようとすると「???」という場面に出くわしてしまうのです。ところがいつの間にか「=」の関係だけの熱力学に戻ってしまって式変形と偏微分のオンパレードになってしまいます。論理を追いかけるのはやめて式さえ使えたらいいという立場に開き直ってしまいます。多くの物理化学の本の立場もこれと似たようなものです。 断熱自由膨張も不可逆変化の代表例です。 エントロピー変化を計算してみて下さい。 対応する可逆変化での熱の移動を求めて比較すると理解が深まるでしょう。
- kgd34625
- ベストアンサー率75% (9/12)
>エントロピーの概念がまずわからないので教えていただきたい。 下記のURLをご覧ください。 熱力学の本を何度も読む中で、理解を深めるしかないでしょう。 エントロピーは乱雑さの程度との説明は、統計熱力学を勉強しないと 実感はつかめません。 カルノーサイクルの結果からは上記のイメージは 導き出されませんのでご注意ください。 >参考書のこの問題がわかりません 熱容量Cで温度T1の物体が温度T0になった時のエントロピー変化をΔS1とすると ∆S1=Cln T0/T1 熱容量Cで温度T2の物体が温度T0になった時のエントロピー変化をΔS2とすると ∆S2=Cln T0/T2 二つの物体を接触させる前後のエントロピー化をΔS とすると ∆S=∆S1+∆S2 =Cln(T0/T1)+ Cln(T0/T2) =Cln{T0^2/(T1×T2)} 熱容量が同じで温度がT1,T2(T1>T2)を接触させ、平衡温度T0になるのだから T0=(T1+T2)/2 T0^2=((T1+T2)/2)^2>T1×T2 だから ∆S=Cln T0^2/(T1×T2)>0 よってエントロピーは増大する。
- ---------------
- ベストアンサー率42% (9/21)
エントロピーの概念については、まず熱力学の教科書を読んでいただきたい。 その上で、まだわからないことがあれば、何がわからないのか質問点を具体的していただきたい。 がんばっていただきたい。