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地熱の起源
地球内部の熱は核分裂によって発生した熱だと言われていますが、どんな根拠でそのように考えられるのでしょうか。マントルは超塩基性岩だと思いますが、超塩基性岩には特に放射性元素が多いわけではないですよね。地球内部では、熱が溜まるほど放射性元素が多いんですか。
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地球内部の熱は、1.地球形成時の運動エネルギーが衝突・凝集により熱エネルギーに変わったもの、2.地球形成後の相変化に伴うエネルギー、3.地球内部に含まれる放射性物質の崩壊熱(核分裂ではありません)、の3つが考えられています。 このうち最も大きいものは1.です。地球は月や火星よりずっと大きいので、もともと1.による熱量も大きく、また大きいことがより冷えにくく(表面積に比べて体積が大きい)なっています。また1.、2.は地球の形成初期に得られる熱です。 ただし、1.、2.だけでは現在の地球が持っている熱量は大きすぎ、3.の放射性元素の崩壊熱が地球を冷えにくくしていると考えられています。地球を構成する物質に含まれる主な放射性元素としてウラン、トリウム、カリウムなどがありますが、いずれも元素半径が大きく、マグマに濃縮する傾向があります。そのため単位質量あたりでは地殻中に多く分布することになります。地殻岩石に1含まれるとすると、超塩基性岩には1/100程度しか含まれません。ただマントルは地殻の約100倍の質量なので、放射性元素の総量では地殻と同じくらい(10の20乗kgくらいのオーダー)含まれていることになります。また金属であるコアには金属元素であるウランは比較的多く含まれていると考えられています。 地球表面付近ですぐに冷やされる地殻と違い、内部で発生した熱は熱伝導率が低く、放熱が進まないのでそれなりの熱が内部に保持されるわけです。
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- ruehas
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こんにちは。#3です。 核分裂によって生み出されるエネルギーは放射性物質1g当たり、 「0.07×(30万×1000)^2」になります。 もちろん、この自然崩壊は何万年に一回、原子単位でしか起こりません。地球内部にある自然放射性物質の含有量は地表と大差はないと思います。ですが、地球の全体の容積を考えて下さい。これの密集しているところがウラン鉱脈であり、このような場所では地面が暖かくなっています。ここからウランを掘り出してきて濃縮してやれば原子力発電所は百年でも二百年でも発電ができます。果たしてこの熱が、46億年前の衝突エネルギーと一緒に地球内部に閉じ込められているというわけです。 地表のマグマが冷えて固まるのに一億年ほど掛かりました。それ以来40億年以上に渡り、地球内部はまだドロドロに溶けたままです。厳密にはマントルは固体ですが対流をしています。地球深部に蓄えられた熱がホットプルームとなって地表近くに上って来るのに何億年が掛かります。そして、それが冷えて核に沈み込んでゆくのにまた何億年です。 運ばれた熱が地表から放射される割合は極少量ずつです。地球大気には温室効果というのがあり、地表の輻射熱はそのまま宇宙へ放出されません。温室効果ガスに阻まれた放射熱はその半分が地表に弾き返されるのであります。このため、地表から放射される熱量は常にそれを差し引いた分だけということになります。そしてその熱は、地表から毎日廃熱されなければならない太陽エネルギーの2%程度でしかありません。 このように、地熱が冷えるといいましてもそれほど容易いことではないです。ですが、地球全体では自然放射性物質の量はだんだん減ってゆきます。産熱が放熱を上回ることはありませんので、地球は間違いなく冷えてゆきます。
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御礼が遅くなり申し訳ありません。 いろいろ新しい見方を教えていただきました。 有り難うございました。
- moritan2
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No.1 です。質問者さんの補足に回答します。 > 崩壊と核分裂は同義ですよね? 違います。 核分裂は、核分裂性の原子たとえばウラニウムとかプルトニウムが、元の原子の約半分の原子量の2つの原子になることです。 放射性物質の崩壊とは放射性の原子が α崩壊ならα線を出して原子量が4少ない原子になる、 β崩壊ならβ線を出して原子番号だけが変わる などです。 α崩壊も1つの原子が2つの原子になりますが、ヘリウム原子と原子量が4少ない原子になります。 約半分の原子量の原子2つになる核分裂とは区別されていて、核分裂とは言いません。 > 多くないのになぜ溜まるのでしょうか。 熱がたまるかどうかは、大きさ(発熱量)と表面積(熱が逃げる量)の比で決まります。 地球くらいの大きさになると、大きさと表面積の比を考えると、たとえば月と比べて表面積が少ないです。 表面積が少ないと熱が逃げないので、熱がたまります。 月だと地球に比べて大きさと表面積の比が表面積が大きいので、熱がたまりません。 地球より大きな惑星だと、内部はもっと熱いと思います。
お礼
崩壊と分裂は違うんですか。なるほどですね。 有り難うございました。
- ruehas
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こんにちは。 放射性物質は地熱の起源ではなく、「地熱の発生源」です。地熱の起源は飽くまで地球ができたときの星間物質の衝突エネルギーであり、地球内部で現在も作られている熱の「主な発生源」が天然放射性物質なんです。他に、マントル対流や潮汐力などの摩擦熱も作られています。ですが、全ての発生熱を合せても放出熱を補うことはできませんので、地球はしだいに冷めてゆくということだったと思います。
お礼
御礼が遅くなり申し訳ありません。 有り難うございました。
補足
>熱の「主な発生源」が天然放射性物質なんです。 花崗岩や砂岩を集めて置いておいても熱は発生しません。地球内部で核分裂が熱の「主な発生源」がであるということは、地球内部には花崗岩や砂岩よりもたくさんの放射性物質があるということですよね。そのことは、どんなことから言えるのでしょうか。 >地熱の起源は飽くまで地球ができたときの星間物質の衝突エネルギーであり 50億年も前にできた熱い地球が、その中心部に溶けたマグマを持ち続けるなどということが可能なのでしょうか。計算上はそのようなことが成り立つのでしょうか。50億年前に火の玉であった地球が50億年間もその熱を内部に保存しておけるというのは感覚的には信じがたいのですが....。
- 雪中庵(@psytex)
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また、wikiの誤った記述の犠牲者ですね。 基本的に、地球は、星間物質が集合してできた当初の 温度が最も高く(地表までマグマがあり海がなかった)、 その後、徐々に冷え続けています(地核は成長し続けて マントル対流は細分化=大陸の分裂している)。 もし地球内部の核分裂が原因なら、「最初に最も高温で だんだん冷え続ける」ことなどありません。 もちろん、その影響もない訳ではありませんが、主たる 熱源は、拡散していた星間物質が重力収縮する時の、 ポテンシャルエネルギーから運動エネルギー(≒熱エネ ルギー)への転化によるものです。
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御礼が遅くなり申し訳ありません。 有り難うございました。
- moritan2
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核分裂の熱だなんてどこに書いてありましたか? 普通は放射性元素の崩壊の熱と言われているはずです。 放射性元素がとくに多いわけではありませんが、熱がたまって、熱くなっています。
お礼
御礼が遅くなり申し訳ありません。 有り難うございました。
補足
>核分裂の熱だなんてどこに書いてありましたか? >普通は放射性元素の崩壊の熱と言われているはずです。 崩壊と核分裂は同義ですよね? >放射性元素がとくに多いわけではありませんが、熱がたまって、熱くなっています。 多くないのになぜ溜まるのでしょうか。超塩基性岩の放射性元素の含有率は花崗岩や砂岩のそれとほぼ同じだと思うのですが、その程度の含有率であっても計算上は溜まるのでしょうか。素人の感覚的にはとても溜まるとは思えないのですが...。
お礼
御礼が遅くなり申し訳ありません。 いろいろ新しい見方を教えていただきました。 有り難うございました。