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地熱は宇宙に放熱されるのか?
地球内部は高温・高圧だそうですが、その熱は、どんどんと発生してくるものなのでしょうか? それとも、長い年月をかけてだんだん熱が冷めていっているものなのでしょうか? 地球は、誕生したばかりのときはとても高温で、 だんだんと冷えて生物が生存できるようになったと聞いています。 となると、今後もどんどん冷えていき、いつかは冷たい星になってしまうのでしょうか? 地熱はどんどんと宇宙に放熱していっているのでしょうか? また、地球は太陽から熱エネルギーをもらっていますが、 それは地熱が宇宙に逃げる量と比べるとどちらが大きいのでしょうか?
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こんにちは。 >地熱はどんどんと宇宙に放熱していっているのでしょうか? 地球内部の熱エネルギーは、「マントル対流」によって深部から地殻付近に運ばれ、地表から赤外線放射によって宇宙に放出されています。 地表に出て来る熱といいますのは、地熱や温泉、火山の噴火といったものですが、「スーパー・プルーム」と呼ばれる最も大型のマントル対流は、現在、太平洋に「中央海嶺」を形成しており、そこでは地殻プレートが生み出されています。 マントル対流によって運ばれ、海水によって冷やされたマントル物質はプレート運動によって日本海溝やフィリピン海溝から再びマントルへ沈み込み、また深部で加熱されて地表へ戻って来ます。このマントル対流によって運ばれる熱は、地殻や海水を常に温めていますが、それで地表の気温が上がってしまわないのは、それが赤外線放射によってきちんと宇宙に放出されているからです。 >地球内部は高温・高圧だそうですが、その熱は、どんどんと発生してくるものなのでしょうか? 地球内部の熱エネルギーのほとんどは地球が作られたときの微惑星の衝突エネルギーによって蓄えられたもので、それ以降の供給はありません。ですが、全体としてはほんの僅かでしかありませんが、地球内部の放射性物質や潮汐力によって発生する摩擦熱などによって、現在でも少しずつ熱は生み出されています。 >となると、今後もどんどん冷えていき、いつかは冷たい星になってしまうのでしょうか? >それとも、長い年月をかけてだんだん熱が冷めていっているものなのでしょうか? そうですね、 地球内部の熱は、マントル対流によって運び出され、地表から宇宙へ放射されています。放射性物質の発熱はほんの僅かでしかありませんし、その燃料は消費されてゆくものであることに間違いはありません。従いまして、基本的には、内部に地熱というものを持つ全ての惑星と同様に、地球もまた冷えて行く傾向に向かうのだと思います。ですが、それがどのくらいの年月を要するのかは検討も付きません。 >地球は、誕生したばかりのときはとても高温で、だんだんと冷えて生物が生存できるようになったと聞いています。 地球の外、即ち宇宙というのは真空ですから、熱エネルギーといいますのは赤外線によって放出されなければ地球が冷えるということはありません。我々の地球は、温室効果を司る大気成分の変化によって段階的に冷やされました。 まず最初は、地球を作った微惑星が衝突し尽くされてしまうことによって衝突エネルギーの供給がなくなります。地球はここから冷え始めました。このとき、原始地球の大気はその90%が二酸化炭素よりも強烈な温室効果を持つ水蒸気でしたが、やがて地表が冷えかたまり、雨が降るようになりますと、温室効果の主要因である水蒸気が海洋となって大気から大量に取り除かれます。これにより、地球は一気に冷やされました。ですが、そこにはまだ二酸化炭素という温室効果ガスがあります。この二酸化炭素を取り除いたのが生物の出現ですね。そして、この過程で、やがて地殻、海洋、大気に覆われた地熱の急激な流出は終息し、現在の状態が保たれています。 >また、地球は太陽から熱エネルギーをもらっていますが、それは地熱が宇宙に逃げる量と比べるとどちらが大きいのでしょうか? 太陽エネルギーの供給の方が圧倒的に大きく、比べる手段がちょっとありません。 話がたいへんややこしいので上手く説明できるかどうか分かりませんが、まず、宇宙に放出されている地熱といいますのは、地球大気の温室効果によって決定される「赤外線放射収支」の約1%に当たります。何のことなのか分かりませんよね。 太陽から得られるエネルギーは途轍もなく膨大なものですが、このエネルギーは地球の平均気温が15℃に保たれている限り受け取った分と全く同じ量が宇宙に捨てられています。さもなくば、地球はどんどん暖まってゆき、仕舞いには蒸し焼きにされてしまいます。 ですが、地球が全てのエネルギーを宇宙に返してしまうとするならば、計算上では地球の平均気温は-20℃にしかなりません。では、これが15℃になっているということは、15℃になるまでは出て行く量が抑えられ、15℃になった時点で初めて、入って来る量と出て行く量が同じになるということです。これによって地球の気温は平均15℃に保たれているわけですが、この上限を15℃に決定しているのが現在の地球大気の温室効果です。 さて、地球には地熱という自前の熱エネルギーがありますので、-20℃から15℃に上げるために必要なエネルギーは全て太陽エネルギーではなくても良いわけです。そして、そのうちの約1%が地熱ということですね。従いまして、温室効果によって15℃の保たれている現在の地球では、地表に発生した地熱は、太陽から受け取ったエネルギーと同様に、赤外線として全て宇宙に放出されなければならないということになります。 ですから、少々乱暴な話ですが、もし地球に地熱というものがなくなってしまったとしましても、地球はその分だけ太陽エネルギーを宇宙に捨てなければ良いわけですから、地球大気の持つ温室効果が変わらなければ平均気温15℃は保たれるということです。太陽エネルギーといいますのは、それを穴埋めしても有り余るほど宇宙に捨てられているのですから、原理的にはそういうことになります。尤も、実際に地熱がなくなってしまうならば、地球の気候は大幅に変わってしまうとは思うのですが。
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- vq100mg
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地下から上がってくる熱量:「地殻熱流量」は、平均 0.07 [W/m^2] と推定されているようです。これは深さ方向への温度の上昇(例えば 100m あたり2~3℃)と岩石の熱伝導率(例えば3 [W/m/K])から測定できます。なお、現在の熱源は放射性同位元素の崩壊というのが定説のようです。 参考: http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/hamamoto/index.htm http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/netsuryuryo.htm ところで、太陽から降り注ぐ熱は地球の位置で約 1370 [w/m^2] で、一部反射されますが、7割が地球を加熱するとされてます。つまり、約 1000 [w/m^2] で地球断面積( πr^2 )が加熱され、その4倍の地球表面積( 4πr^2 )から約250 [w/m^2] で宇宙空間へ放射冷却されるというのが、放射の熱収支です。放射量は絶対温度の4乗に比例し、約250 [w/m^2]の放射冷却が得られるような平均気温になって平衡しているのです。 参考: http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2002_14627/slides/09/19.html http://homepage1.nifty.com/weather/yoho-note/yoho05.html 地殻熱流量 0.07 [W/m^2] は、太陽熱のエネルギ収支250 [w/m^2]に比べると僅かな値です。ともあれ、それが気温に与える影響はどの程度なのか、一応見積もってみましょう。放射エネルギは絶対温度の4乗(つまり温度はエネルギの4乗根)に比例すること、熱量の比率が微小な事を考えれば、(0.07/250)/4 * 290 [K] と近似しても良さそうです。僅かに 0.02℃の増加と計算されました。 地球の内部も太陽の表面くらい高温なのに、地上の温度は遥かに遠くの太陽の放射と宇宙への放射冷却のバランスでほぼ決まっているというのは不思議ですね。分厚い岩盤の熱伝導というのは恐ろしく小さいものです。放射より伝導の方が伝わり難いなんて日常スケールの経験則を逸脱してますね。
お礼
計算式までご呈示くださいましてありがとうございます。 とてもよくわかりました。 地熱の影響は小さいのですね。 あと、熱の発生は、放射性同位元素の崩壊とのことですが これは初めて聞きました。 勉強になりました。 ご回答、詳細な解説、ありがとうございました!
- moby_dick
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地球内部の熱は、どんどんと発生していて、どんどん放熱しています。 発生は、単に摩擦熱です。 地球内部は高圧で、力が強い。 流動体で、大きく動く。 強い力を加えながら、大きく動くので、大きな摩擦熱が発生する。
お礼
熱は摩擦熱ですか。 No.5さんは >放射性同位元素の崩壊 と述べていますが、 高圧ですから、摩擦熱もありますよね。 ご回答ありがとうございました。
誕生直後の地球では、太陽からの吸収量よりも宇宙への放射量の方が多かったのでどんどん冷めていきました。 でも現在の温度まで冷めてしまうと、太陽からの吸収量と宇宙への放射量が同じになって今は安定しています。 安定したからこそ、地球に生命が生まれることができたのです。 でもそのバランスが今崩れてきています。 環境問題で、吸収量に比べて放射量が圧倒的に減ってきているため、地球が次第に熱くなっているのです。 ここの吸収量と放射量の差は地球全体からすればわずかな差でしかありませんが、地球に対する人間の大きさなど、人間に対するインフルエンザウィルスくらいしかありません。 なので、そんな微細な生き物である人間には、地球のわずかな変異が問題になっているのです。
お礼
地球のわずかな変異が問題になる とのお言葉、まさにその通りだと思いました。 地球規模で考えれば、人間は確かにちっぽけな存在ですね。 ご回答ありがとうございました。
- robin1124
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こんばんは。 地熱と言うのはマグマなどの地球の内部に存在する高熱物質の事ですよね。 まずそれら地熱が地表の温度に及ぼす影響はほとんどありません。 地球の構造はゆで卵を例にするとよくわかります。 黄身に当たるのが地球の「核」と呼ばれる部分で、 白身に当たるのが「マントル」、そして殻(カラ)に当たるのが地面「地殻(ちかく)」です。 マント ルや地殻は岩石からできていて、核は鉄からできています。核の温度は約6000度もあります。 地球はできたときから冷めて今の状態になりました。 ですがこれからも冷めていくことはないと思います。 地球内部の核には冷えない仕組みがあります。 中心核は内核(固体の鉄)と外核(熔けた鉄)に分かれていて 核から熱が奪われると、熔けた鉄が固体に変わります。 この時鉄は熱を出すので温度が下がらないのです。 この熱を難しい言葉で「潜熱(せんねつ)」といいます。 理科の実験で氷水を冷やした事があるでしょうか?コップに水と氷を入れると水の温度は0℃になります。 これを冷凍庫で冷やしても水が全部氷になるまでは温度は0℃のまま下がりません。 水が氷になるとき潜熱を出すからです。地球の中心核も全部が固体の鉄になるまでは6000度のまま変わらないのです。 中心部の熱が地表へ伝わらないのは厚いマントルの上にある為です。 地上の温度は太陽によって大きく左右されます。 地表は太陽の放射熱により暖められています。 地表の熱の放出はほんの微々たるものです。宇宙まではとても放出されません。 宇宙どころか私たちの頭のすぐ上のほうでどんどん冷めていきます。 基本的に100M高くなると気温は1度さがるようです。 温泉が沸いているところでは地面を触ると「暖かい」程度ですよね。 私たちが感じる地熱とはせいぜいそんな程度です。 マグマが吹き出ているところでもそばまで行かなければ熱いとは感じません。 何度も言いますが地球の温度に地熱はまったくと言っていいほど影響を与えていません。 最後に、太陽の熱が届いている限り地球は寒くなることはないでしょう。 もし寒くなるならそれは地球全体が雲や噴煙などに包まれ太陽光が届かなくなるときだと思います。 とても長くなりましたが参考になりましたでしょうか。 ではでは。
お礼
とてもよくわかりました。 ありがとうございます!!
お礼
とてもわかりやすい解説をありがとうございました。 よくわかりました。 地熱の影響よりも、太陽エネルギーの方がずっと大きいのですね。 なるほどです。 ご回答、詳細な解説、本当にありがとうございました。 勉強になりました!