- ベストアンサー
鉛直面内での等速円運動
鉛直面内での等速円運動で、 最下点から少なくとも最上点まで到達するには どれだけの初速度を与えたらよいか、という問題で、 方程式を立てるときに 支えているものが糸か棒かで方程式が違いますよね? というか、最上点での速さを0にしていいかどうかが違いますよね? 糸の時は速さを0にできないのはなぜですか? 教えてください。 お願いします。。
- みんなの回答 (5)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
この円運動を静止している人が見るか,円運動している物体の立場から見るかによって,その捉え方は変わってきます. ANo.1の回答は静止している人から見たものです. 「遠心力」というのは,円運動している物体の立場から見たとき,この物体が感じる見かけ上の力であり,静止している人の立場では遠心力を考えてはいけません. 以下,「糸」の場合に,2通りの立場でこの円運動を見てみましょう. [I] 静止している人からこの円運動を見た場合. 円運動する物体に働く力は 重力 m g と糸の張力 T の2つです.これが「原因」です. この「原因」により,物体は円運動しています. 円運動しているということは中心向きの加速度(向心加速度)v^2 /R が生じているわけで,これが「結果」です. この「原因」と「結果」を結びつけるのが運動方程式で,向心方向の運動方程式は次のようになります: m v^2 /R = m g + T. …(1) で,「糸の張力は負になれない」という条件を使うため,上の式を T = … という形にすると, T = m v^2 /R - m g. したがって,「糸の張力は負になれない」という条件は次のようになります: m v^2 /R - m g ≧ 0 v = 0 のときこの不等式が満たされないことは明らかでしょう. [II] 円運動する物体の立場でこの円運動を見た場合. 自分自身は常に静止しています.「景色が動くから自分が動いているのは判るじゃないか」とか思うかもしれませんが,それは経験上知っているということであり,動いている立場から見ると,飽くまで動いているのは周り(景色)であり,自分はじっとしています. じっとしているということは,「物体に働いている力は釣り合っている」ということです.つまり物体に働く力が原因となって生じる加速度は0だということです. 今,円運動する物体に働いている力は飽くまで 重力 m g と糸の張力 T の2つです. ところが,この物体は円運動(加速度運動)しているので,上の2つの力の他に「見かけ上の力(慣性力)」として遠心力が働いているように見えるのです.その大きさは m v^2 /R (向心力と同じ大きさ)なのですが,中心と反対側を向いています. したがって,最上点における向心方向の運動方程式(釣り合いの式)は次のようになります: 0 = m g + T - m v^2 /R. …(2) この式は結局,[I]の場合の運動方程式(1)と等価なのですが,全く違った考え方で導出されたものです. > ということは、糸の場合に最上点での速さを0にしたら > 重力と釣り合うべき力(遠心力ですか?) > がなくなってしまうから、0にはできずに > 張力がはたらいているという条件にしたんですね。 > > 速さがないと遠心力はありませんよね? この考え方は[II]の立場によるものなのですが,「重力と釣り合うべき力(遠心力ですか?)」ではなく, 物体に働く本当の力(重力 + 糸の張力)と遠心力とが釣り合うのです. [II]の立場だと,「釣り合いを成り立たせるために張力を導入した」のではなく「重力も張力も物体には働いていて,なおかつ見かけ上の力としての遠心力も働いていて,結果としてこれらすべての力を合成したものが0となる(釣り合う)」のです. で,「糸の張力は負になれない」という事実から,最上点の速度が制限されるんです.
その他の回答 (4)
> 棒には抗力があるのに、糸には抗力はないのは > なぜですか? この手の問題で「棒」というものが現れたら,それは「剛体」であって,全く変形しないものと考えられます. 一般に,固い物体に外力Fを加えると,物体は多少なりとも変形し,その変形距離をxとすると,xに比例する力kxで押し返してきます.最終的に外力と物体が押し返す力が釣り合ったところで,変形がストップします: F = kx. …(1) これが抗力です.要するに,変形によって外力と同じ大きさの力を発生させているのです. で,剛体の場合は比例定数k = ∞であると考えられます.もちろん剛体は変改しないのでx = 0です.したがって剛体において,抗力の式(1)は次のようになります: F = ∞×0. 右辺の∞×0は不定形で,どんな値にもなり得ます. 棒による抗力というのはこんな感じです. 一方,「糸」とか「ひも」というものは,「変形に力が必要ないほど柔らかく,太さはなく,長さは伸び縮みしないもの」と考えます. 今,糸の両端にA, Bと名前を付け,糸の長さをLとします. AB間の距離を縮める方向に外力を作用させた場合,糸の長さは変化しなくても,糸は簡単に曲がります(つまり変形します).この外力を妨げるものは何もなく,抗力は働きません. ところが,AB間の距離を伸ばす方向に外力を働かせると, AB < Lの間は,糸は変形できますから外力を妨げるものはありません. しかし,AB = Lになった瞬間,状況は一変します.糸の長さは変わらないので,AB > Lになることはできません.したがってAB = Lの状態からさらにAB間距離を引き延ばす方向に外力Fを働かせると,剛体の時と同様に,伸びxに比例する力kxが働くのですが,糸はこれ以上伸びないのでx = 0,比例定数k = ∞と考えられます: F = kx = ∞×0. 右辺の∞×0は不定形で,どんな値にもなり得ます.これが糸の張力です. つまり,糸は変形できるがゆえに糸の両端距離を縮める方向の外力に対する抗力が現れることはないですが,伸び縮みしないがゆえに糸をぴんと張った状態からさらに引き伸ばそうとすると,張力が現れるのです. # もちろんこれらは理想化された話であって,実際には変形しない物体(剛体)なってありませんし,伸び縮みしない糸もありません.
お礼
ご丁寧にありがとうございます。
補足
ということは、糸の場合に最上点での速さを0にしたら 重力と釣り合うべき力(遠心力ですか?) がなくなってしまうから、0にはできずに 張力がはたらいているという条件にしたんですね。 速さがないと遠心力はありませんよね? 何度もすみません。。
ANo.1です. ANo.2さんのおっしゃる通り,鉛直面内での円運動は「等速」にはなりません. 完全に読み落としてました.お恥ずかしい. 私がANo.2で回答したのは等速じゃない円運動を想定したものですので,よろしくお願いします.
お礼
ありがとうございました。
補足
いいえ、いただきたかったのは さっきのようなご回答だったので とてもありがたいです。
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
>鉛直面内での という条件がある事から考えて、重力が存在している場合を想定しているのだと思われますが、重力が存在していて、且つ、運動が水平面内ではなく、鉛直面内で行われているのであれば、回転運動における質点の速度は、上昇時には重力加速度によって減速し、下降時には重力加速度によって加速しますから、 「等速」円運動 にはなりません。 従って、その問題自体が、問題として成り立ってはいない、誤った問題なのですから、正しい答えというものは存在しません。
お礼
ご回答ありがとうございます。
補足
すみません、つい等速円運動と書いてしまいましたが、 鉛直面内での運動では等速ではありませんよね。
最上点での速さを0にすると,最上点での向心加速度は0になります. # 回転半径をRとすると, # 向心加速度 = v^2/R = 0 (v = 0). したがって,最上点での速さが0なら最上点において働く力を合成したものの向心成分は0でなければなりません. しかるに,最上点では重力が中心向きに働いています.ということは,最上点において働く力を合成したものの向心成分が0になるためには遠心方向に何らかの力が働かなきゃいけません. 棒の場合は中心向きに働く重力に抗して遠心方向に突っ張る抗力が上述の「何らかの力」として働きますので,上述のような「最上点で速さ0」という状況が可能です. ところが,糸の場合,中心向きに働く重力に抗して遠心方向に突っ張ることができませんので,上述のような「最上点で速さ0」という状況が不可能なのです. なので,回転中心を位置エネルギーの基準として糸の場合を考えると,初速度をv0,最上点での速度をv,最上点での糸の張力(中心向き)をTとして,力学的エネルギー保存則より m v0^2 /2 - m g R = m v^2 /2 + m g R. …(1) 向心方向の運動方程式 m v^2 /R = mg + T. …(2) (1),(2)よりvを消去し,Tについて解くと, T = m v0^2 /R - 5 m g. 張力は中心向きにしか働かないからT ≧ 0. すなわち m v0^2 /R - 5 m g ≧ 0. ∴v0 ≧ √(5 g R).
お礼
ご回答ありがとうございます。
補足
棒には抗力があるのに、糸には抗力はないのは なぜですか?
お礼
何度もご丁寧にすみません。 ありがとうこざいます。