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中国経済の問題
中国では、日本を抜き名目GDPが世界2位になり、現在もなお10%前後の経済成長を継続しています。 反面、国内では住宅バブル、インフレが発生し、政府も金融政策の手段の一つとして、預金準備率を数回にわたり引き上げています。 このような中国経済に関してして以下の3つ質問があります。 1.GDP世界2位が与える影響 2.バブルの崩壊はあり得るか 3.中国経済の今後の見通し 4.民主化は生じうるのか 1であれば、国際発言力、中国への企業の関心などがあげられるでしょうか。また、ハンチントンに書かれている、中国文化の優位性の強調が生じうるのか。 2であれば、日本が1990年以降に経験したバブル崩壊は発生するのか。発生するならどのような影響が生じうるのか。例えば、中国の場合であれば、経済成長の牽引部門は主に外需ですから、貿易に関してネガティブな影響が出るのでしょうか。 3であれば、貧富の差の拡大、インフラの問題、ハードランディングによる国際経済へのネガティブな影響などがあげられるでしょうか。また、政府はどのような対応が求められるのでしょうか。 4であれば、現在の中国人は急激な経済成長に対し、民主化要求に関して無関心な人がマジョリティのようですが、経済発展と民主化は相関関係を為すことが多いため、今後生じうるのかという疑問がわきました。現在は共産党の独裁政権ですが...
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- gootttt
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1.GDP世界2位が与える影響 まず経済的には二つの影響があります。 一つ目は、輸出が増えるという事です。 かつて日本人と中国人には大きな3つの差がありました。 一つは高い教育水準、二つ目は生産に必要な資本、そして最後が技術です。 しかし、今の中国人の大学生は、遊んでばかりの日本人の大学生よりもずっと勉強しています。 そして生産設備に関しても港や道路や電気通信などのインフラも整備されましたし、外資を呼ぶ事で解消されました。 技術に関しても外資を呼び込む事で大幅に解消されました。 その結果、日本人と中国人の差がなくなれば、日本人よりも遥かに給料の安い中国人に仕事を頼むようになるわけです。 そうすると皆中国で物を作り、海外に売るようになるので中国の輸出は増えます。 その結果、今までよりも安い人件費で作られた安い製品を買える反面、今まで仕事を頼まれていた日本人は仕事を失います。 これが一つ目の影響です。 二つ目は、輸入が増えるという事です。 中国人が安い賃金で働くといっても、今までよりもたくさんいい仕事をしているわけですから賃金は当然上昇します。 つまり賃金は今までの中国人と日本人の中間くらいの賃金になるわけです。 しかし、賃金というのは使うためにあるわけですから中国人が稼いだ賃金は中国人が物を買うのに使われます。 その結果中国人が使う沢山のものを賄うために輸入は増えます。 その結果、日本の中国向け輸出は増加しますし、石油などの資源も中国向けの輸出も増加するので資源価格は高騰します。 その他、国際政治的には国家の発言力が増大します。 経済力とは国力の最大の要であり、経済力の増大は発言力の増大に直結します。 日本ですら、経済大国だったときは皆一目置いていたわけです。 また経済力の増大は軍事力などの増大にも影響しますので、国際関係の構造も変化するでしょう。 2.バブルの崩壊はあり得るか ありえます。 ただし、今の中国は高度経済成長の真っ只中です。 高度経済市長とは文明が一生に一度だけ味わえる最大の黄金期です。 ですから多少の問題は飲み込んでしまいます。 例えば、同時期の日本が証券バブルや公害問題(水俣やイタイイタイ病など)、そしてオイルショックや貿易摩擦があっても成長を続けたように中国も成長を続けるでしょう。 またバブルには、大きく分けて2種類あります。 一つは、日本の土地バブルやアメリカのサブプライムのような実態のないバブル。 もう一つは、ITバブルのような早すぎる見通しと過剰な期待に基づくバブルです。 前者のバブルは本当に悲惨です。何もいいことがありません。 しかし後者のバブルは新興産業に資金を注ぎ込むという重大な役割を果たします。その後バブル崩壊でまがい物の企業が淘汰された後本物の企業が大きく躍進するわけです。 前者と後者を比べるには、日本の土地バブルとアメリカのITバブルを比べれば分かりやすいでしょう。 日本の土地バブルやアメリカのサブプライムバブルは何一つ残しませんでしたが、アメリカのITバブル崩壊以後に発達したアマゾンやグーグルなどの企業とITという新たなインフラは社会を大きく作り変えました。 その上で中国のバブルは基本的に早すぎる見通しに基づくバブルだと思います。例えば、バブルによって無駄な不動産が大量に建てられる一方中国の都市はすさまじい勢いで立て替えられています。 北京は6年前は少し古臭い都市でした。北京の銀座と呼ばれていた王府井も古臭くしょぼかったわけです。しかし、オリンピック前後に再開発された地区である新光天地は銀座以上の雰囲気をかもし出しています。 北京のスラム街は急速に消滅しビルやマンションに建て替えられています。鉄道や地下鉄も改札の切符も人ではなく自動改札が管理するようになりました。 北京が東京に劣らぬ都市機能を持つのはもうすぐだと思います。 3.中国経済の今後の見通し 2で述べたとおり現在中国は高度経済成長の真っ最中ですから、多少の問題がしばらくは成長を続けるでしょう。 4.民主化は生じうるのか 少しづつ進んでいくと思います。 現在の中国はかなり自由な感じです。 まず人間は豊かになれば自意識が強くなりわがままになりますから、独裁というだけでアレルギーを示すようになるでしょう。 ただ現在はみな経済成長の恩恵を満喫いていますので、問題が表面化することはないと思います。毎年給料が10%上昇しているような状況で今の枠組みを変えたがる人はあまりいないわけです。 さて問題となるのはこの経済成長が終了したときです。 日本の成長が終わったように中国の成長もいつかは終わります。 そのとき、おそらく国民の不満は体制への不満と結びつくでしょう。 日本が政権交代した直接的原因は、バブル崩壊とリーマンショックです。韓国の独裁が終了した直接的原因はオイルショックです。 このように経済成長が停滞した中で起こりうる何らかの問題に上手く対応ができなければ、共産党も何らかの変化を余儀なくされると思います。 ただし、中国という国家は日本などと大きく違う点が一点あります。 中国は超広大な土地と超莫大な人口を抱える超巨大国家であり。 その人口は、日本・欧州・アメリカ・ロシアを足したより多いわけです。 そして地域ごとの格差と隔絶は絶大であり、都市ごとに地域ごとに国が違うというより時代が違います。北京は東京とたいした違いはありませんが、西安は昭和40年代という感じです。また泰山は昭和30年代という感じですし地方に行けば戦前の農村という雰囲気です。 中国はこのような国家であり、国家等より一つの地球があるようなものです。そうしてその広大な世界を中央の共産党が中央の都市を押さえ、地方の共産党が地方の都市を押さえているという感じなわけです。 ですので、いきなり中国全土が変わるような事はないですし、そのようなことをすれば中国は分裂しかねません。 中国はそこまで愚かではないでしょうから、おそらく経済の自由化をしたときと同じように実験的に徐々にやっていくのではないかと思っています。