>よく即位したら急に○○公や○○何世などになりますが、あれはどういうことでしょうか?
○○何世になるのは、既に他の方から回答があったように、王になった場合に、過去の同じ名前の王と区別するために、○○何世と呼ばれるわけですが、今回のウィリアム王子は、結婚を期にケンブリッジ公という称号を貰いました。結婚を期に称号をもらう、というのは比較的多いパターンと思われますが、コンウォール公の地位は、王(もしくは女王が統治している場合は女王)の長男が、誕生、あるいは親が王として統治するようになった時点で継承されるものなので、常に「結婚を期に称号が与えられるもの」とはいえません。(=儀式をいつやるかは別として)
尚、王の孫だとコンウォール公にはならないので、王位継承1位の者即ちコンウォール公、という訳ではなく、よってプリンス・オブ・ウェールズとコンウォール公が常にセット、という事ではありません。一応、別のルールに従って付与される、別の称号です。
>コーンウォール公爵やヨーク公爵というのはずっと昔からいたのですか?
ヨーク公もコンウォール公も、14世紀から、中断はあるも、ほぼ継続して存在しています。
英国を例にとると、Peerage(爵位)には、(Prince/Princess of Walesは別格として) Duke, Marquess, Earl, Viscount, Baronがあり、これを便宜的に、儒教で「古代中国(=周の時代)にあった」とされる、公、侯、伯、子、男という言葉を使って、訳しています。
これらの爵位は、中世では、その名の領域に対する一定の支配権を王から認められた事を意味しました。つまり、「王位継承者はPrince of Walesになる」というルールは、王になる前の王位継承者に常に、ウェールズの一部の領域支配権を与える、という事でしたが、それが今では、単なる称号になり、王位継承者はどういう称号が与えられるか、という慣習を守っているだけ、という事になっています。
但し、コンウォール公には、コンウォール公領(570平方キロ)が残っていたり、フランスと英国の間にあるチャネル諸島は、ノルマンディー公以来の英国王室の私領のまま(=したがって、イギリス=正しくは連合王国=の一部ではない)である、など中世の残滓もゼロではないです。
>そのフランスの例にするとオルレアン公とプロヴァンス伯ですが両方王子なら爵位は同じにならないんですか?
英国の例になりますが、現在の英国王室においては、王(今であれば女王)の息子は、Duke(公爵)になるのが原則です。が、エリザベス女王の三男は、ウェセックス伯となっています。父親が死んだら、エディンバラ公を引き継ぐ事は既に公に発表されているのですが、大衆紙で報道された所によると、結婚と同時にケンブリッジ公になるはずだったところ、直前に見たテレビの登場人物の「ウェセックス卿」が気に入って、それで、ノルマン人の征服直後から途絶えていた「ウェセックス伯」という称号が復活したのだそうです。この記事は、同じ王子の間で、爵位に違いがあるのは自然ではない、と思われている事の証左でもあります。
尚、パリ伯という称号に意味があったのは、およそ1千年前までで、オルレアン王家の者がパリ伯を称するようになったのは、革命で王位を追われ亡命したオルレアン家の(仮にフランス王家が復活すれば、と仮定した場合の)「第一王位継承者」が、カペー朝の血を引く事を強調する為に、自称しただけ、と私は理解しており、こういうケースをとりあげて、オルレアン公よりもパリ伯の方が格上、とか、考えないほうがいい、と私は思います。
補足
なるほど フランス王室にもシャルル○世やルイ○世と呼ばれるのは ルイやシャルルという名前の王族としては何人目という意味だったんですね では同じ兄弟の王子で爵位に優劣があるのは何故なんでしょうか? そのフランスの例にするとオルレアン公とプロヴァンス伯ですが 両方王子なら爵位は同じにならないんですか?