これは興味深いですね、普段何となく見過ごしているだけに。
(広辞苑より)
著者: 書物を著作した人。著作者。著述者。作者。
作者: (1)芸術作品の作り手。(2)歌舞伎狂言の脚本を書く人。(3)勅撰集などに歌が選ばれた歌人。
著者の説明で作者もありますね。ややこしいですが、ここはやはり「著」の意味に基づいて「著述:書物を書きあらわす」作業を行う人とするべきでしょう。
(3)なるほど、和歌は「書く」のではなく「作る」ものですね。(2)の定義により、脚本家/劇作家も「書く」のは過程であり劇を「作る」作業をしています。(1)の前提により、芸術作品一般が含まれます。
では、「作家」といったらどうでしょう。意味は詩歌・小説・絵画など、芸術作品の製作者。特に小説家。(区別が段々曖昧になってきました。これは置いておきましょうか。)
方向を変えて、[author]の和訳を。
(1)著者、作者;著述家、作家 具体的には、Playwright, dramatist, poet, novelist, composer, lyricist, songwriter, songwriter, biographerなど。writerより品格のある語なので自称すると偉そうに聞こえる。
No.1の方の挙げられたシェークスピアは劇作家(dramatist)、詩人(poet)ですから、広辞苑定義では確かに「作者」と呼ぶにふさわしい人物です。正確には彼の作品は「戯曲」ですから、著者より作者と呼ぶほうがふさわしい、のです。
では漫画作品はどうでしょう。彼らの作品は「書く」だけではなく「描く」ことが作品の大部分です。その要素があるならば、「作者」の方がよりふさわしいのかもしれませんが、目的が書物である以上「著者」ともいえます。確認してください、単行本の奥付を見ると「著者」になっています。
即ち、どんな作品であれ、作ったものが書物になる出版の段階で、「作者」も併せ、みな「著者」になるということですね。