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なぜ水を温めると上に移動する?
いつもお世話になっております. 流体の自然対流について,素朴な疑問があるのでご教授お願いします. 水を冷やすと密度が大くなるため,重力の作用方向へと運ばれ,水を温めると密度が小さくなるため,重力の作用方向とは逆方向へと運ばれます. ではなぜ密度が大きいと重力の作用方向へと運ばれ,密度が小さいと重力の作用方向とは逆方向へと運ばれるのでしょうか? 感覚的ではなく,物理学的にお願いします.
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以前、この問題を真剣に考えたことがあります。 そのときの一応の結論は以下の通り: 1.ある場所(例えば、ビーカーの底)の水を温めると、 その場所の分子が速く運動する。→密度の減少 2.その周りの分子は比較的ゆっくり動いているので、密度は高い。 3.この速い分子は遅い分子にぶつかって元の場所に戻りやすい。 4.ところが、重力がかかっているので、下側の分子は上側の分子よりも密度が高い。 したがって、下に向かう速い分子は上に向かう速い分子よりも さらに元の場所に戻りやすい。 5.上に向かう力(=浮力)の発生 模式的に、強調して描くと、 ◯ ◯ ◯ ↑ ◯ ↑ ◯ ◯ ↓↑ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ 以上の考察から、対流が起こるには、 分子間平均距離<<平均自由行程 という条件が必要ということがわかります。 ちなみにNo.1さんの考え方だと、ヒーターを天井につけた場合、 温度が高くなると地面まで到達する分子の数が増えることになってしまい、 温かい空気は地面に溜まることになってしまいます。 ただし、ヒーターを地面につけた場合は、私の説明の方が変な気もします。 ひょっとすると、ヒーターを地面につけた場合と天井につけた場合で、 分子論的に説明するやり方は別々に考察する必要があるかもしれません。
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- gohtraw
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浮力を考えるといいと思います。 水の中にある物体を沈めたとき、その物体にかかる浮力は物体と同じ体積の水にかかる重力と同じ大きさになります。もしその物体に働く重力よりも浮力の方が大きければ、その物体は浮きあがろうとします。逆に浮力の方が小さければ物体は沈もうとします。物体の密度が小さいと、同じ質量でも体積は大きくなるので浮力が大きくなり、物体は浮きやすい傾向にあり、物体の密度が大きいと逆に沈みやすくなります。 これを踏まえて、十分に多い量の水の中にさまざまな温度の水を静かに(混じり合わないように)注いだ時のことを考えます。便宜上、密度1g/cm3の水の中に1gの水を注ぐとし、冷たい水の密度を1.1g/cm3、温かい水の密度を0.9g/cm3とします。密度1.1g/cm3の水1gは1/1.1≒0.9cm3の体積を持ちます。従ってこれを密度1g/cmの水の中においた場合、浮力は約0.9g重です。一方この冷たい水にかかる重力は1g重ですから、重力>浮力となって冷たい水は沈んでいきます。温かい水の場合は浮力が1/0.9≒1.1g重、重力が1g重なので浮力>重力となり温かい水は浮いていきます。
- rukuku
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こんばんは 気球や飛行船のように浮かぶものが固体の場合は「浮力」の考え方で説明できます。しかし、気体が温まると上へ行くのは別の考え方をした方が良いかもしれません。 ボールを真上に投げる場合を考えてください。 ボールの初速が早ければ高くまで上がり、ボールの初速が小さければ低くしか上がりません。(力学的エネルギー保存則) また、気体分子の温度が高くなるとと大きなエネルギーを得やすくなります(ボルツマン分布)。 その結果、温度が高い方が気体分子は高くまで上がることができます。正確に言う、温度が高くなると高くまで上がることができる気体分子の数が増えます。 以下のサイトも参照してみてください http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/chem/lec10-2.html