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「変身」をテーマにした文学について
「変身」をテーマにした文学は山月記や他人の顔、ジキルとハイドなど様々なものがありますが、これらの作品は近代から現代にかけて変化していった点はありますでしょうか? 上記以外にも国内外の作品を挙げて教えていただけると嬉しいです。
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- spring135
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>これらの作品は近代から現代にかけて変化していった点はありますでしょうか? 私は返信には2つの系統があって、一つは古代からあり、また現代でも受け継がれている「転生」という考え方です。人も物も永遠に生まれ変わって時代を生きていくのだという発想であり、仏教では「輪廻」といいます。この代表作品は何と言っても三島由紀夫の「豊饒の海」4部作です。そしてこれは作者が言っているように浜松中納言物語を下敷きにしています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E7%94%9F もう一つは、現代に固有の「存在への不信」から生まれた、霊的存在と物的存在の境界があいまいになることによって生じた変身で、カフカも中島敦もこのカテゴリーではないかと思います。 しかしこれも考えてみると昔からあったのかもしれません。わが子を失った女が悲しみのあまり竜のなって天に上り、雨を降らせて大洪水を起こして、村を滅ぼしてしまうなんて童話を聞いたことがあります。小川未明だったでしょうか。
- bakansky
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作品名で思いつくのは、カフカ 『変身』、アプレイウス 『黄金のロバ』、ヴァージニア・ウルフ 『オーランド』、他にもまだまだあるでしょうね。狼男なんてのも、「変身」 だと思います (筒井康隆の 『わが良き狼(ウルフ)』 は変身譚でしたっけ?)。『聊斎志異』 なんてのは、変身譚のオンパレードみたいなものでしょうし、他にも中国にはその手の話は多そうですね。おそらく世界中に満ち満ちているのではないかという気がします。 また、人が成長して新しくなるという面をとらえても、「変身」 といえなくもないかもしれない (特に女性の場合)。 時代による変化があるのかどうかまでは分りませんが、私は単純に作者によると思います。作者が、どのような人たちを読者として想定しているのか、また自分自身の経験や願望などがどのように反映されているのかによって、(もしも違いがあるのならですが)、違いがあるという程度のもののような気がします。
- FEX2053
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変身モノというと、多分「スーパーマン」「スパイダーマン」などがある意味その直系で、要は「ヒーローを身近に置くための手段」になった点があります。それをさらに推し進めたのが「ウルトラマン」で、ヒーローは巨大化して、元の人間とは別物になってますね。 「ウルトラマン」から、更に変身モノの一類型として「ロボットモノ」が分類できるかと。「ゲッターロボ」でヒーローがロボットに乗機するというアイデアは、変身を無理なく行わせる一手段と考えた方が自然です。実際「ファーストガンダム」の「アムロ」は乗機することで成長=変身してますしね。そういう視点で「エヴァンゲリオン」を考えると、また面白い解釈が出来ると思います。 一方、ヒーローではない形の変身モノの一類型として、古くは「美女と野獣」「醜いあひるの子」あたりの「魔法で○○にされてしまった」「実は・・・」系の話も多く見受けられます。ただ、余りに昔からある話で、手垢が付き過ぎてる感はあり、ベタな展開が身上の少女漫画でも、あんまり見受けませんねぇ。基本設定として「王さまの隠し子だと分かって冒険を始める」などの、基本設定ではよく見る展開なんですが。 また、「幸せになりましたとさ」で済ませるのもナンだし、現実から逃げ出す話にするのもなんだということで、ひとひねりしたモノの方が最近は目立ちます。ジブリの「ハウルの動く城」「猫の恩返し」あたりが、「ひとひねりした」部類の作品と言えるでしょうか。