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材料開発の方法論についてです。
材料工学の方法論として、マルチスケール制御法とトレードオフ・バランシング法について教えてください。 そもそもどこを調べればいいのかわからず、お手上げ状態です。参考になる書籍名やサイトのURLなど、ご存知の方いましたらお願いします。
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「マルチスケール制御」と「トレードオフ・バランシング」という言葉は初めて聞きますが、おそらく以下のような方法論を指してのことだと思います。用語自体は広く浸透しているとは言いにくいですが、概念自体は材料工学屋さんなら大抵は知っている、あるいはなじみのあるものだと思います。 「マルチスケール制御」 材料の組織は着目している領域の大きさにより、原子レベル→ナノレベル→ミクロレベル→マクロレベルといくつかの階層に分けることができます。 材料の設計を行うに当たり例えば、(1)原子レベルではある元素Aを添加し、(2)ナノレベルでは結晶粒の形状を制御し、(3)ミクロレベルでは微細な連続孔を導入し、(4)マクロレベルではその材料を極めて薄く成形する、といった制御をするとします。その場合各階層での上記の制御をバラバラに行うのでなく、(1)-(4)が協調して働く(相互に特性を損ねず、逆にプラスアルファを生み出す)ようにすることで、最終的な材料の特性を優れたものとなるようにする手法のことを指しているのではと思います。 この「マルチスケール」の考え方は、解析、特にシミュレーションの分野で最近よく取り入れられています。例えば材料中のき裂進展は、マクロにみると連続体の応力計算の問題ですが、原子レベルで見ればき裂先端近傍の原子間の結合の問題であり、これらを同時に考えることでき裂進展をより正確にシミュレーションする、といったことが行われています。 「トレードオフ・バランシング」 材料の特性は相反するものを含むことが多いです。例えば硬さを上げると加工性が悪くなる、熱伝導率を上げると強度が落ちる、といった具合です。 字面からの推測ですが、トレードオフ・バランシングはAという特性を上げたい時に、相反するBという特性の悪化を最小にとどめるような設計法のことと思われます。もちろんその具体的方法は対象とする材料と注目している特性によってさまざまです。 参考となりそうなサイト、検索してみたのですがズバリ解説してあるページは見つけられませんでした。ただし研究紹介や学会発表プログラムなどはいくつか引っ掛かりますので、それらのページを見れば「マルチスケール」や「トレードオフ・バランシング」といった用語がどのような使い方をされているか、どのような内容を指していそうかは掴めると思います。 材料の設計は電子回路の設計や機械の設計と異なり、一般に線形でない(AとBを混ぜてもA+Bの性質になると限らず、全然別のCの性質を持ったりする)ので難しいわけですが、そこがまた面白さでもあります。
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- Pekesuke
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「技術の森」と言うサイトがあります。 そこには日本の工業技術系の方たちがこのサイトのように色々な工業系の質問に答えてくれます。 ご質問についても「材料」のカテゴリーがありますので答えは見つかるとおもわれます。 ↓のURLをクリックして下さい
お礼
URL使わせていただきました。ありがとうございます。
お礼
とても丁寧にありがとうございました。