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確率論の範囲の中での決定論について
タイトルが抽象的なのですが、数理物理の様々な論考において確率・統計的で帰納的なアプローチ(データ解析など)と決定論や演繹的なアプローチ(シミュレーションとか)に大別できると思います。しかし、確率論の範囲において演繹的な論考も可能だと思います。例えば、ある量は正の無限大方向への可能性があるけれども、負値は存在しない、ということになると、確率分布が左右非対称になりますね。その量の性質を考えてレイリー分布になることが示せた(演繹された)というような場合です。 そのような演繹の事例が解説されている文献などあるでしょうか。私が持っている書籍にはそのようなものがありません。”〇〇という物理現象は××という確率分布に従う”と書いてあり、そのことを承認した上で、それを使って演習するという流れになっていきます。”なぜ?”を一旦停止して演習を進めるということなのです。このようなことが解説されているサイトでも文献でもいいですが、ご紹介頂けると助かります。そのような事例を見ると理解の参考になると思います。よろしくお願いします。
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- QCD2001
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>確率分布が物理方程式に基づいて演繹された事例 ご質問の意図がいまひとつよくわかりません。 量子力学はすべて波動関数の確率分布を方程式に基づいて計算します。 この時の方程式は Hψ=Eψ という波動方程式で表されます。 ニュートン力学では F=dP/dt あるいは F=m×dv/dt というのが運動方程式で、これを用いて質点の運動を計算しますが、量子力学では Hψ=Eψ という波動方程式が基本的な方程式になります。 この方程式は数学的には固有値方程式と呼ばれる方程式で、 関数ψ(x,t)にある演算子Hを作用させるとψのE倍になるような時に、Hを固有演算子、Eを固有値と呼びます。 ある物理量を表す演算子がHであるとき、質点の確率振幅の分布を表す波動関数がψ(x,t)であれば、その物理量の測定値はEになることを表しています。 ニュートン力学で運動方程式によって小惑星探査機「はやぶさ」の軌道を計算したように、量子力学では波動方程式により水素原子の中の電子の軌道を計算します。その結果がたぶん質問者さんもご覧になったことがあるかと思いますが、原子核の周りをモヤっと取り巻く電子雲です。あの電子雲は原子核の周りの電子の確率振幅の分布を表しています。 これは「確率分布が物理方程式に基づいて演繹された事例」であると思うのですがいかがですか?
- QCD2001
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>数理物理の様々な論考において確率・統計的で帰納的なアプローチ(データ解析など)と決定論や演繹的なアプローチ(シミュレーションとか)に大別できると思います。 いくつかの用語について、きちんと理解できていないように思います。 まず、帰納と演繹についてですが、ある現象を記述する理論が既知であるとき、その理論をもとにして測定結果を予測するのが演繹です。 これとは逆に、現象を測定した多数の結果から、その現象を記述するであろう理論を導き出すのが帰納です。 簡単に言うと、理論から測定値を予測するのが演繹で、測定値から理論を導き出すのが帰納です。 次に、決定論と確率・統計論についてですが、測定結果が1つの値として定まるのが決定論であり、測定値が1つの値に定まらず確率的にしかならないものが確率・統計論です。 「考察過程」が帰納か演繹か、ということと、「測定値」が確率的か決定論的かということは相互に無関係です。 たとえば、サイコロを投げて1が出る確率は1/6です。これは確率・統計論的な事象です。ではサイコロを2回投げて1が連続して2回出る確率はどのくらいですか? これは2回行われる試行が独立であるなら、その確率はそれぞれの確立の積になる、という理論から演繹すれば 1/6×1/6=1/36 です。 これは確率論的なデータを演繹的な思考で導き出したものです。 何も特別なことではありません。 「扱っているデータ」が確率論か決定論か、 ということと、 「思考過程」が理論から測定値を導き出そうとしているのか、測定値から理論を導き出そうとしているのか、 というのは、「扱っているデータ」に関する命題か「思考過程」に関する命題かであって、全く異なる命題ですから、全く無関係です。 >確率論の範囲の中での決定論 これは「扱っているデータが確率論的であって一意的に定まらない」範囲内で「扱っているデータが確率論的ではなく一意的に定まるデータ」を考えようとしているわけですから、矛盾しています。 決定論とは演繹のことだと勘違いしていませんか?
お礼
回答ありがとうございます。持って回ったような言い方になったので、質問の趣旨があいまいになったかもしれません。単刀直入にお尋ねすると、”確率分布が物理方程式に基づいて演繹された事例を鑑賞したいのですが、何か事例があるでしょうか。” ということです。正規分布だとできそうな感じ(中心極限定理?)ですが、レイリー分布とかポアソン分布とかの場合です。2項分布は演繹的ですね。そういう類のものですが。 サイコロの目で1が出る確率は1/6である、ということを承認すれば、続けて1が2回出る確率が1/36である、というのは演繹になるだろうと思います。サイコロの目が1となる確率が1/6となることをサイコロの運動方程式に基づいて示すことは不可能ではないかと想像します。しかし、ある種の現象はそれができ、さらに確率密度関数の形も理想的な場合に限ってこうなるはずだ、というのがあるのではないかと思うのですが。