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量子もつれに関するEPR実験について、
量子もつれに関するEPR実験について、 アリスとバズが、非平行な軸に沿ってスピンを測定することを想定していますが、 何が問題なのかわかりません。 測定軸云々ではなく、 摂動に対する反応の違いがスピンであり、それは測定軸によらないと思われるためです。 ご存じの方、よろしくお願いします。
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>摂動に対する反応の違いがスピンであり、それは測定軸によらないと思われるためです。 まだここまでの理解でしたら、EPR相関を読む前にちゃんとした量子力学の教科書を一冊読んだほうがいいと思いますが、 (たとえば、ファインマン物理学の量子力学の巻、朝永振一郎の教科書など) 簡単に大筋だけ説明します。 量子力学では状態は「重ね合わせ」にあります。 どういうことかというと、スピン未知の原子ビームなどを、 シュテルン・ゲルラッハ装置のようなものを通すと、スピンの+-に応じて 2本のビームに分解します。(分解の方向をz軸とします)。 これが「摂動への反応の違い」ということだと思うのですが、 この出てきたビームを同じz軸向きの装置を通したならば、これはもう分離せず、 z+のビームは2個目を通ってもz+から出てくるし、 z-のビームは2個目でもz-から出てきます。 では、出てきたビームを再度、最初の装置と直角の向き(x軸とします)においた装置を通すとどうなるか。 古典論的な感覚でいえば、でてきたビームはz+向きかz-向きで確定していて、それに直行するx軸成分などはもっていないように思われます。 つまり、この考え方だとビームは分離しないで、直進することになります。 しかし、量子力学の世界では、このビームはまた、2本に分離します。 つまり、ある方向のスピンを観測したのち、別の方向で観測すると、これは2回目の観測に合わせてまた重ね合わせの状態になるのです。 もし、この2回目の分離したビームを、またz軸向きの装置で分離するとどうなるか。 もともとz+で分離したビームを使っていたとしても、 途中にx軸向きに装置をいれることで状態は重ね合わせの状態に戻り、また2本のビームに分離します。 こういった量子状態の重ねあわせと観測装置の設定の問題を理解してから、 もういちどEPR論文を読むといいのではないでしょうか。
お礼
ご回答にあるような現象が生じるとは知りませんでした。 ありがとうございます。