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something to chill our intelligence
- オスカーワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』の中で、一文に登場する英文の意味を教えてください。
- 背景:画家Basil Hallwardが描いた肖像画が気に入ったHenry Wottonが、肖像画がない冬と知性が冷まされる何かが欲しい夏に常に存在してほしいと言っています。
- タイトル「something to chill our intelligence」は、知性を冷ませる何かが必要な夏のイメージを表しています。
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直訳は「知性を冷やすもの」でいいと思います。感覚としては、今日の関東地方のようなうだるような暑さの中、やれ政治だ、やれ経済だ、やれ英単語だと、小難しくて暑苦しいことを考えている人の頭を、ふっと休めてくれる一服の清涼剤、といったところでしょうか。 私などは、読者としての勝手な解釈で、学歴とお金だけは豊富にある19世紀のイギリス貴族を思い浮かべてしまいます。小説や映画で彼らは事あるごとに、やけに知的な会話を繰り広げますが、はめをはずしたい時もあるでしょう(とりわけイギリス紳士ほど、はめをはずした時の落差が激しいとも言いますし)。その「知性」の対極にあるのが「猥雑」であり、古今東西、とかく耽美派の小説ではこの「ダサくて小難しい紳士、淫靡な肉体にうつつを抜かす」という筋書きがもてはやされます。ちなみに、「someone」ではなく「something」という単語を使っているあたり、とてつもない美男を“物”として見ている感じがうかがえて、いちだんと淫らな感じがします。 とはいえ、私はかつて、谷崎潤一郎に関する卒論を書いた時、『ドリアン・グレイの肖像』を、読みもせずに引用してドリアンの性別を間違え、教授に赤入れされましたので、あまり当てにしないでくださいね。
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- tjhiroko
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そうですね、暑い夏に思考力を冷やしてくれるもの、くらいの意味ではないでしょうか。 この文の前の方にこんなことが書いてますね。 >But beauty, real beauty, ends where an intellectual expression begins. Intellect is in itself an exaggeration, and destroys the harmony of any face. The moment one sits down to think, one becomes all nose, or all forehead, or something horrid. 知性は美を台無しにし、脳天気のおめでたい人でないと美男美女にはなれないようですので、いい男であるためには頭の中でグルグル回る思考力を冷ましてボーッとさせてくれる「彼」にそばにいてほしい、ということではないかと思いました。
お礼
大達人、ご回答ありがとうございます。 >そうですね、暑い夏に思考力を冷やしてくれるもの、くらいの意味ではないでしょうか。 >頭の中でグルグル回る思考力を冷ましてボーッとさせてくれる やっぱり、流石ですね! 僕なんかは、「冷ましてくれる」も「冷やしてくれる」でも何のことだか分かりませんでした。 No1様も大達人も、何故にこんなに簡単に瞬殺できてしまうのでしょうね!!! やっぱり、すご過ぎます! >いい男であるためには 前の文との繋がりが掴めていませんでした。 いい男にもなりたかったんですね! すいませんが、今回はNo1様にベストアンサーを選ばせていただきます。 おそらく時間的に見てNo1様のご回答が反映される前にご回答されたのだと思いますが、一応どちらも正解回答をいただきましたので 改めて、ご回答にお礼申し上げます
お礼
超人、ご回答ありがとうございます。 >直訳は「知性を冷やすもの」でいいと思います。 >小難しくて暑苦しいことを考えている人の頭を、ふっと休めてくれる一服の清涼剤 やっぱり、さすが超人ですね。 色々と訳の意味を考えて見た時に、「知性を冷やすもの」も一瞬頭の中を過ぎったのですが、何のことだかサッパリでした。 「小難しくて暑苦しい」という言葉(考え?)が出てこず、その為に「冷やす」から「ふっと休めてくれる」も導き出せませんでした。 ややっこし!と思っていたのですが、本当に分かりやすいご解説で本当に助かりました、ありがとうございます。 >ちなみに、「someone」ではなく「something」という単語を使っているあたり、 >とてつもない美男を“物”として見ている感じがうかがえて、いちだんと淫らな感じがします。 深い! 深いですね! 僕は、違いに全く気づきませんでした。 >学歴とお金だけは豊富にある19世紀のイギリス貴族 >彼らは事あるごとに、 すごい教養ですね! 僕は、歴史小説は好きなのですが、未だにイギリスの歴史も全然です。 >『ドリアン・グレイの肖像』を ところで、オスカーワイルドが同性愛者だとは知っていましたが、アンドレ・ジイドも小説の中では異性愛者の主人公を書くのでワイルドもそうだろうと思ったら、、、美男子の話題とは、、、と驚いています。(最後に独り言見たいになってしまいました、すいません。) 改めて、ご回答にお礼申し上げます。