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太宰治の作品が賞賛される理由

太宰治の作品が賞賛される理由 よろしくお願いします。 太宰治の作品をいくつか読みましたが私は太宰作品がなぜ賞賛されるのか理解できませんでした。 読んでいて何か心に触れるものはありますが、それ以上に何だか疲れると言うか、つまらないと言うか… 私の読解力が足りないと言えばそれまでの話なのですが、太宰作品の魅力や真髄は何なのでしょうか。 「こんなところに注目すると理解が広がる」等々あれば是非とも教えて下さい。

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  • rkd4050
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回答No.2

太宰が賞賛される理由は大きく分けて二つです。 ひとつは、自殺前後に『人間失格』を発表したから。今でもその風潮は残っていますが、自身の暗黒面を告白した小説は文壇の受けがいいのです。 もうひとつは、当時にしては技巧派だったからです。『斜陽』や『人間失格』のように破滅していく人間を巧みに描くこともできましたが、『女生徒』、『駆け込み訴へ』、『お伽草紙』など、全く違ったタイプの作品もそれぞれ高い水準で書いています。 特徴的なのは、読者の読みに対する寛容さです。どう読んでも作品が否定しない。どんな作品でも多様な読み方はできますが、太宰の作品はその幅が尋常でなく広くて、高度な読解力を駆使せずとも多様な解釈ができます。人生訓として読む人もいれば馬鹿話として読む人もおり、現実問題を考える上でも役に立ち、どう解釈しても正解だから研究対象としてももってこいで、非常に使い勝手がいい。 たとえば『人間失格』は、先に書いたように私小説的な告白小説とも読めますし、学校なんかではこの作品から人生についての何かを学ばせようとしますが、ギャグ小説ともマゾ小説とも、ゲイ小説とすら読むことも出来ますし、破滅の美学を描いた耽美的な作品とも読めます。聞いた話ですが、海外では幼児期に性的虐待を受けた子供の精神病の症例として研究されている例もあるらしい。 何ならミステリー的に読むことも出来ます。「いままでずっと仮面を被ってきた」と告白する葉蔵の手記は、そもそも信用に足るものなのでしょうか? 親にまで素顔を隠し続けてきた葉蔵が、今になって突然、見ず知らずの読者に向かって「隠してきた素顔を披露します」と言い出すこと自体、ものすごく不自然な行為です。それなのに多くの読者は、その前提を何の疑問もなく受け入れてしまう。 この手記自体が葉蔵の巧みな「お道化」だとすれば、読者は「読者」という、作品に巻き込まれることのない絶対安全な立場にいながら、たかだか作中人物に過ぎない葉蔵に騙されるという体験をしたことになります。『人間失格』を読んで共感を覚えた読者全てが葉蔵の詐術に騙された被害者だとすれば、アガサ・クリスティの大仕掛けにも劣らぬスケールの大きい話になると思いませんか(笑) そういうわけで、太宰の作品の印象は、読者が「どう読むか」で大きく変わります。 「太宰は自分の好きなように読める」ということを念頭に置いておけば、楽しく読めるかもしれませんし、やっぱりつまらないかもしれません。 今読んで「つまらない」と思うなら、それはそれで正解なので、無理に読むことはないでしょう。

eurasia1982
質問者

お礼

細かな分析、ありがとうございます。 正直そこまで分析したことはありません。能力もないし(泣) 「自分の好きなように読める」からこそ私には面白くないのかもしれません。 不思議に思っていたものがすっきりした気分です。 「どう読むか」簡単なようで難しいことですが、その辺も考えながら読む必要は あるのかも…と思いました。

その他の回答 (1)

noname#169456
noname#169456
回答No.1

 太宰治には作家とは別の顔があります。ある程度文学を学んでいる人間の間では有名ですが実は彼は物凄いダメ人間としても有名な人物です。女性関係や自殺未遂など様々な問題を起こしたことでも有名な人物でもあります。人間失格という作品を書いていますがまさに彼がダメ人間であったからこそ説得力がある。こういう風に考える人は結構多いようです。  人生生きていくとやはり躓く人が出てきます。そういう時にあまり人生うまくいってる人の話というのは聞きたくなくなるものです。人間ここまで落ちても大丈夫。そうやって不思議な安心感を覚える人向けの文学なんじゃないかと私は思います。

eurasia1982
質問者

お礼

太宰治という人間には好き嫌いは別にして、とても興味はあります。 作品には太宰の人間性が作品に多分に反映されていることは想像に難くないせよ 実際読むと、太宰の人間性とは重ならないと言いますか、 何とも言えない物足りなさ、つまらなさ、太宰(の人間性)への反発を感じていました。 ただ、読み手である私の精神的な状況を作品に重ねたことはないので 回答いただいたことを念頭に読み直してみたいと思います。 ありがとうございました。

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