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-25℃の氷と-40℃の氷の昇華潜熱はいくつになりますでしょうか??
-25℃の氷と-40℃の氷の昇華潜熱はいくつになりますでしょうか?? どの程度エネルギー差があるか把握したいデス。 宜しくお願い致します。
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> 低温の方が潜熱必要だとは思いますが。。。 255~225Kの温度範囲では、氷の比熱 cp[氷] と水蒸気の比熱 cp[水蒸気] がほとんど同じなので、昇華潜熱 Δh[昇華] が温度によらない値になります。 式で書けば、 d(Δh[昇華])/dT = (∂(Δh[昇華])/∂T)_p + (∂(Δh[昇華])/∂p)_T (dp/dT) ≒ (∂(Δh[昇華])/∂T)_p … pが0.1MPaより低ければ∂(Δh[昇華])/∂p)_Tはとても小さいから = (∂(h[水蒸気])/∂T)_p - (∂(h[氷])/∂T)_p = cp[水蒸気] - cp[氷] ≒ 0 ということです(h[水蒸気]は水蒸気の比エンタルピー、h[氷]は氷の比エンタルピー、(∂h/∂T)_p,(∂h/∂p)_Tはhの偏微分)。 じっさい、三重点付近(0℃付近)では、cp[氷] > cp[水蒸気] なので d(Δh[昇華])/dT<0 となって、0℃より温度を少し下げると潜熱は0℃のときよりも大きくなります。また、100~300Kの広い温度範囲で水蒸気の比熱が一定(cp[水蒸気]≒4R, Rは水蒸気のガス定数)であるのにたいして、氷の比熱は温度が下がると小さくなります(参考文献の Table 13)から、温度が225Kより低くなると cp[水蒸気] > cp[氷] となって d(Δh[昇華])/dT>0 になるので、低温の方が昇華潜熱が小さくなります。 蒸発潜熱の場合では http://en.wikipedia.org/wiki/Enthalpy_of_vaporization の右上図にあるように、低温の方が潜熱がより大きくなるのが普通です。 このグラフの低温側(蒸気圧がだいたい0.1MPaより低いところ、水なら373K以下)で潜熱が右下がりになっているのは、ふつうは、cp[蒸気] < cp[液体] になるからです。臨界点に近づいて蒸気圧が高くなると、「∂(Δh[昇華])/∂p)_Tがとても小さい」とはいえなくなるので、比熱の大小だけでは議論できなくなります。ですけど、臨界点では Δh[蒸発] = 0 になりますから、臨界点に近いところでは、「普通に考えても、低温の方が潜熱必要だ」と思っていいです。 pが0.1MPa より低ければ∂(Δh[昇華])/∂p)_Tはとても小さい、ということを式で示すのは少し面倒なので省略します。参考文献の Table 14 にある氷の比エントロピーが p=0 とp=0.1MPaでほとんど同じであることと、∂(h[理想気体])/∂p)_T = 0 であることから、なんとなく感じがつかめるのではないかと思います。
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参考文献の Table 20 によれば、氷の昇華潜熱は 255~225Kの温度範囲では2838~2839kJ/kgのほぼ一定値になる、 とのこと。 参考文献 R. Feistel and W. Wagner "A New Equation of State for H2O Ice Ih" J. Phys. Chem. Ref. Data 35, 1021 (2006). http://www.nist.gov/srd/PDFfiles/jpcrd712.pdf
お礼
早々にご回答頂き有り難うございました!
補足
でも、なんだか納得できませんね。 普通に考えても、低温の方が潜熱必要だとは思いますが。。。