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税効果会計と不良債権処理
税効果会計を導入してなにかメリットはあったのでしょうか? 不良債権処理を進めるためにも税効果会計導入が必要だといわれてきましたが、 本当に不良債権処理は進んでいるのでしょうか? 教えてください。
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税効果会計については既にご存知かも知れませんが、思いきり単純化したものを念の為。 前提 貸倒引当前の税引前利益:250億円 貸倒引当したい額:200億円(但し、税務上は損金計上不可) 法人税実効税率:40% 税効果会計が無かった場合の税引後当期利益(損失) 不良債権処理前税引前250億円-貸倒引当200億円-法人税250億円×40%=▲50億円 税効果会計を適用した場合の税引後当期利益 上記の▲50億円+税効果200億円×40%=+30億円 (この場合の、税効果とは、実際に本当に貸倒になった場合に法人税が減る分を、先に計上しておくものです。) 上記の例でおわかり頂けると思いますが、貸倒引当をしたくても税務上は費用と認められない不良債権がある場合、税効果会計のあるなしで、当期利益の額が変ってきます。銀行は、公式には「必要な貸倒引当はすべてやっている」と言うでしょうが、当期利益の額はできるだけ大きくしたい(当期損失の額は小さくしたい)、あるいは赤字決算はしたくない、というバイアスがかかっている事は十分想像できるので、税効果会計導入により、不良債権処理がやりやすくなったのは事実だろうし、実際にも効果はあったのだろう、と推測します。 しかし、不良債権の額自体は、毎年続けて多額の処理をしているにも関わらず、むしろ増えています。全体としては、「不良債権処理が進んでいる」とは言えません。最大の理由は、「景気がますます悪くなっている」事だと、私は思いますが、御質問の趣旨からはずれると思うので、これ以上はふれません。そちらの方にもご興味があれば、参考URL(政府の分析、というか説明というか)をご覧ください。(後のURLは、不良債権の推移のグラフです。)
お礼
とても丁寧に答えてくださって、わかりやすかったです。 URLもさんこうになりました。 ありがとうございました。