• ベストアンサー

ボルタ電池

 ボルタ電池は、亜鉛板と銅板という2枚の極版を用意します。導線につないだ2枚の極版を、電解液(希硫酸など)に、浸します。亜鉛版では、亜鉛が亜鉛イオンになって水溶液中に溶け出し、電子は導線を通って銅版のほうに行きます。銅版から、水素イオンが電子を受け取って水素(原子)となります。よって、亜鉛版は負極、銅版は正極と、なります。  実験の結果を羅列するとこのようになるのですが、そもそも、亜鉛版から亜鉛イオンが溶け出すのは、亜鉛と水素を比べた時、亜鉛のほうが水素よりイオン化傾向が大きいからです。ということは、その亜鉛板上で水素イオンが、電子を受け取って水素になればそこで話は終わりだと思います。ところが実際はそうなりません。(なぜか)水素イオンは、亜鉛が手放してくれた電子を、亜鉛板上では受け取らず、電子は導線を通って、銅版へ行き、銅板上で水素イオンは電子を受け取ります。なぜなんでしょうか?なぜ、亜鉛板上では電子を受け取ることが出来ないのですか?  さらに、銅と亜鉛のイオン化傾向の違い(亜鉛のほうが銅よりイオン化傾向が大きい)から、亜鉛は、亜鉛イオンになって水溶液中に溶け出すのだ!という人もいます。たしかに、大雑把に言えば、一方の極版が、亜鉛や水素よりもイオンになりにくい銅だから、ボルタの電池が成り立つのはわかります。しかし、細かいことを言えば、亜鉛板から亜鉛イオンが溶け出すのは、亜鉛と水素とでイオン化傾向を比べると亜鉛のほうがイオン化傾向が大きいからだと思うのですがいかがですか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • htms42
  • ベストアンサー率47% (1120/2361)
回答No.3

#1です。 c80s3xxxさんが水素過電圧と溶解速度に触れておられます。 銅板が接続されると両方から泡が出るようになると書きました。 亜鉛板上の泡の出方はいくらか減ります。 銅板上の泡の出方は亜鉛板上の泡の出方よりも多いです。 トータルでは亜鉛板単独のときよりは泡の出方は多くなっています。 これは溶解速度自体増えたということです。 増える理由は次のようなものだろうと思います。 (ア)銅板が接続されることで水素発生の反応の場が広くなったこと、 (イ)反応の場が広がったことが亜鉛よりも水素の出やすい(水素過電圧の小さい)金属(銅)で起こっていること (ウ)亜鉛が溶ける反応の場、気体の水素の発生する反応の起こる場が分離されたこと (泡のついているところでは亜鉛が溶ける反応は起こりません。泡がはがれるまで待たなければいけません。) 「トータルで泡の出方が増える」のは次のような実験でもっとはっきりわかります。 ・試験管の中の希硫酸に亜鉛の粒を入れます。盛んに泡を出しているのが目で見てわかります。これに硫酸銅水溶液を加えます。泡の出方が激しくなります。わずかな違いではありません。 (亜鉛の粒の表面に銅が析出します。これが上で考えた亜鉛板、銅板と同じ働きをしています。) ※これは局部電池の実験として紹介されている場合が多いです。 (この反応を電池の応用としてではなくて電池の導入として扱うこともできます。「両方から泡が出るようになる」、「泡の出方ははじめよりも増える」ことを踏まえて、2枚の電極に分離し、外部回路を挿入すると電池になります。「イオン化傾向の違い」ばかりが強調される電池の説明よりはいいのではないでしょうか。) >亜鉛板から亜鉛イオンが溶け出すのは、亜鉛と水素とでイオン化傾向を比べると亜鉛のほうがイオン化傾向が大きいからだと思うのですがいかがですか? こういう考え方でいいと思います。 イオン化傾向では Zn>H2>Cu です。 ふつうの電池の説明では Zn>Cu の部分ばかりが強調されています。 上で私が書いた説明では Zn>H2,Cu<H2になっています。

Qchang02
質問者

お礼

ありがとうございます。m(__)m懇切丁寧な説明、感謝感激です。 私は高校時代、化学の先生が人間的に好きになれず、化学の授業はボイコットしていたようなものでした。でも、あなたの説明を聞いていると、もう一度しっかり『化学』を追求しようという気持ちになります。今後もよろしくお願いいたします。(^^)/ではまた。

その他の回答 (2)

  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1634/3294)
回答No.2

htms42さんのおっしゃることは正しいのですが,亜鉛については過電圧という要素も大きいのです. 水素発生というのはなかなかやっかいで,金属によって発生過電圧に大きな差があるのです.白金とかは過電圧が小さく,ほぼ理論電位で水素発生反応がおこります.一方,過電圧が大きい極端な例が水銀です. 亜鉛は,水銀ほど極端なわけではないですが,比較的水素過電圧の大きい金属に入ります (亜鉛の電気メッキが成立する一つの理由).つまり,白金等の水素過電圧の小さい金属と組み合わせれば,自分の上で水素発生がおこらずに,組み合わせたカソードの方で優先的に水素発生が起こるような状況を作ることができるのです. 銅は白金ほどには小さくないですが,亜鉛に比べればかなり過電圧が小さいので,亜鉛上の水素発生がそれなりに抑制された状況にはなるのです.もっとも,これは亜鉛側の溶解速度との兼ね合いもありますが. しかし,ボルタの電池の扱いを見ていると,こういうことを意識したり理解したりしている人は,とくに中高の教育現場にはあんまりいないような実感があります.とくに,塾とか参考書の著者とか,まあ,入試問題とかもそうですが,なんとかならないのかな,という気が強くしますね.

Qchang02
質問者

お礼

ありがとうございます。的確な説明を頂くことが出来て、非常に理解が進みました。今後も、さらに理解を深めていこうと思います。またお世話になることがあると思いますが、そのときはよろしくお願いいたします。

  • htms42
  • ベストアンサー率47% (1120/2361)
回答No.1

亜鉛板と銅板を導線でつないだものを用意します。 亜鉛板だけを希硫酸の中に入れます。 亜鉛は水素の泡を出して溶けていきます。 その状態で銅板も希硫酸の中に入れます。 今まで亜鉛板の表面から出ていた泡は出なくなるでしょうか。 やってみればすぐわかります。 泡は両方から出るようになります。 金属表面は同じ電位であると考えていいですから水素イオンへの電子の受け渡しは希硫酸に浸かっている金属表面のどこで起こってもかまわないのです。 ただ亜鉛の表面は銅の表面よりも水素が出にくい構造になっています。水素過電圧という量で表されています。 でもとにかく両方から出ます。(実験でやりませんでしたか?) 亜鉛板からわざわざ回ってきた電子が水素イオンに渡されるというイメージではありません。金属内部には自由電子が詰まっていますから亜鉛から回ってくるのを待っている必要はありません。端を押せば反対側から出て行くトコロテンのイメージです。

関連するQ&A