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ボルタ電池について

http://kagakuma.iza-yoi.net/denti/denti2.html 亜鉛板が溶けてイオンになる とあります。溶液中に水素イオンがあるから、亜鉛が電子を水素イオンに渡して陽イオンとなるということでしょうか? 次に亜鉛イオンZn2+は電解液中に溶け込みます。 ここがよく分かりません。電子はなぜ極板に残り、亜鉛イオンZn2+は電解液中に溶け込むのでしょうか?

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  • htms42
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回答No.2

前の質問「電池の基本原理」の続きですね。 2つの質問に対する回答をまとめて書きます。 亜鉛が希硫酸に溶けていく反応は Zn → Zn^2+ + 2e^- 2H^+ + 2e^- → H2 この2つの反応は同時に起こります。 亜鉛が溶けていくと同時に水素の泡が出ます。水素の泡は亜鉛の表面から出ます。 (生じた亜鉛イオンが水の中に溶け込むのは硫酸亜鉛が水に溶けやすい物質だと考えておいてもかまわないでしょう。鉛蓄電池の場合であれば生じた硫酸鉛が水に溶けにくいので電極表面に沈着していきます。鉛蓄電池は充電可能な電池です。電池反応で生じた物質が電極表面に存在するということが逆反応が可能という大きな決め手になっています。) ここで亜鉛の表面に銅板を接触させたとします。 金属内部では電位が同じであると考えていいですから亜鉛に接触していて希硫酸に浸されている銅板の部分からも泡が出るようになります。「亜鉛から回ってきた電子が水素イオンに渡される」と考える必要はありません。銅の中にも自由電子は詰まっています。その電子が渡されるのです。金属内部のどこかで電子が消費されれば直ぐにどれを埋め合わせるように電子の移動が起こります。ところてん式に押し出したと考えればいいです。 亜鉛とは接触させずに銅板を浸しても泡は出ません。水溶液の外部を通るような導線で銅板と亜鉛板をつないでやると内部で接触させたのと同じことが起こります。銅板の表面から泡が出るようになります。 この場合の電子は水中での接触部分ではなくて外部の導線の中を移動していますから電流が流れたことになります。でも両方で泡が出ていますから電池として考えるとロスが多いです。 ボルタ電池は「電池の仕組み」を考える出発点の例としてはあまり適当ではないと思います。 酸化剤の反応、還元剤の反応がはっきりと分離されていないからです。 化学電池は「酸化・還元反応に伴っておこる電子の移動を外部回路に取り出して利用する装置」であると考えられます。電子の移動を外部回路に取りだすためには内部で起こる直接反応を(可能な限り)禁止する必要があります。回路をつないでいないのに勝手に反応が進んでしまうというのでは十分な性能を持った電池であるとはいえません。亜鉛板を希硫酸の中に入れるという事をやれば直接反応が必ず起こります。分離する必要があります。 食塩水を使ったボルタ電池が出てくることもありますが酸化剤、還元剤の判断が難しいです。電池を組むのに用意した材料の中に酸化剤が見つからないということが起こります。簡単な材料で実験ができるから仕組みの説明も簡単にできるはずだとは言えないのです。これは入門で使う例ではなくて発展過程です。空気電池の例でになります。 最近の高校の教科書ではボルタ電池は扱っていないと思います。 ダニエル電池からスタートします。 ダニエル電池の原理となっている反応は次の酸化・還元反応です。銅メッキができる原理です。 Cu^2+ + Zn → Cu + Zn^2+ これを2つに分離します。 Zn → Zn^2++2e^- Cu^2+ + 2e^- → Cu Cu^2+を含む物質としては硫酸銅水溶液を使います。 直接反応が起こるのを禁止する意味で隔壁(教科書では素焼きの筒)を使います。 亜鉛板のある方には硫酸亜鉛水溶液(食塩水でもかまいません)を入れます。 銅板は銅の析出という反応が起こるための場所を提供しています。 電気がよく通る抵抗の小さい、電線の先が広がったものが極板です。 200mLのビーカーを使ってボルタ電池を組んでソーラーモーターを回したとします。 数分間は回ると思います。それでモーターは止まってしまいます。 ダニエル電池を組んだとします。数時間は回っています。 電池は酸化剤・還元剤が分離されて存在していることが基本です。イオン化傾向の異なる2つの金属というのはかならずしも必要な条件ではありません。同じ電極を使って電池を作ることもできます。酸化・還元反応に必ず金属単体が関係しているとは限らないからです。電極は電気伝導性のよい物質でなければいけません。金属が使われることが多い理由です。この金属が反応物質を兼ねている場合がありますので混乱が生じるのでしょう。ダニエル電池での銅板は反応物質ではありません。電線です。 そういう意味では両極に炭素棒を使った電池を作ってみるのが仕組みを理解するのにはいいかもしれません。 同じ元素の異なる酸化数の化合物の組み合わせで電池を作ってみるのも理解の助けになりそうです。 私は Fe+2Fe^3+ → 3Fe^2+ という酸化・還元反応を隔壁で遮った電池を作ったことがあります。 廃材の鉄板とプリント基板のエッチング液の使用済みのもの(主成分はFeCl3)を使いました。正極は炭素棒です。モーターはよく回ります。でも装置が鉄さびで汚くなってしまうのが困るところでした。 ※希硫酸を使ったボルタ電池でも隔壁を使って亜鉛と希硫酸が接触しないようにするとかなり性能がよくなります。でも銅板の表面に付着した泡が反応の進行の邪魔になるという事情は変わりません。過酸化水素などの「酸化剤」を加えれば性能がよくなると書いているサイトもあるようです。「減極剤」という言葉を使っていることもあります。でもこれは酸化剤・還元剤の片方を別の酸化剤に取り換えているのですからもはやボルタ電池ではありません。別の電池です。電極の金属の種類が同じだから同じ電池であるという誤解があるようです。市販の乾電池でも電解液が異なれば亜鉛板、炭素棒は共通でも種類が異なっています。

gklkjoo
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。亜鉛とは接触させずに銅板を浸しても泡は出ません。とありますが、 生じた2H^が銅版に集まって銅の自由電子と結合し水素にはならないのでしょうか? これは自由電子が亜鉛の方が多いため2H^は亜鉛にしか集まらず、外部で銅線で繋ぐと電子が均等になり(拡散?)により2H^が銅にも集まって反応するということなのでしょうか? お手数ですが宜しくお願い致します。

その他の回答 (2)

  • windwald
  • ベストアンサー率29% (610/2083)
回答No.3

(亜鉛と接触していない)銅がH^+に電子を渡すと言うことは、 銅が銅の陽イオンになり、水素が単体になると言うことです。 しかし、イオン化傾向がH>Cuであるためこのようなことは起こりません。 亜鉛は酸の水溶液に浸すと、イオン化傾向がZn>Hであるため、 亜鉛は電子を放出して自身は亜鉛の陽イオンとなり、水素イオンにその電子を渡して水素が単体になります。 亜鉛から放出された電子をどこで水素イオンに渡すか、ですが、亜鉛板だけを酸の水溶液に浸した場合は亜鉛板表面だけです。 しかし、亜鉛板と銅板を接触させたらば、"金属は電気を通す"ので、銅板上でも水素イオンへと電子が渡されていくのです。

  • windwald
  • ベストアンサー率29% (610/2083)
回答No.1

別に電子は極板に残りませんが。自分でお書きですよね。水素イオンに渡されるって。 そしてZn^2+は電解液中に溶けることができるので溶け込みます。

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