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「者」の点
渚、暑、箸、藷のように、「者」という字を含む漢字がたくさんありますが、その中に(「日」の上)点が入るものとないものがあるようです。同じ字でも本によってあったりなかったりします。 広辞苑では、ない方に統一されているような印象を受けますが、この「、」は、あってもなくてもいいものなのか、何か法則性があるのか、ご存知の方教えて下さい。
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本来全て点がありました。 1949年の『当用漢字字体表』で当用漢字に採用された字では点を削りました。 これが新字体です。 当用漢字にならなかった字は放置されました。 なぜなら、当用漢字以外の字は公的な文書には使ってはいけない字なのに、その字について言及すれば、その字の使用を認めることになり、漢字制限の趣旨が貫徹されません。 「賭博」は「と博」、「安堵」は「安ど」と書くきまりでしたから、使わない字については何も言う必要がないし、言ってはいけなかったのです。 しかし当用漢字だけでは用が足せません。 常用漢字でもまだ足りないとして今増やされようとしています。 1978年のJISでは、表外漢字の字体は正規の新字体が存在しないので、昔のままでした。 1983年のJISは、第一水準の表外漢字の偏旁を常用漢字・人名用漢字の形に準ずるとして、国の国語施策とは関わりなく“擬制新字体”を採用しました。 http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/jis78-83.html XPまでの標準文字セットはこれに準拠しています。 しかしそれらの字体は常用漢字のような国の国語施策に基づくものではなく、コンピュータで使用する便宜的な略字に過ぎないので、国語辞典(紙に印刷されたもの)は顧慮しませんでした。 その後“勝手に略字を作るな”という声が高くなり、国語審議会が「印刷標準字体」を定めた(答申のみで、内閣告示には至らず)ことなどを承けて、2004年のJIS改正で、かなりの数の字体が1978年の形に戻されました。 http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/jis2000-2004.html VistaやWin7のMS書体、メイリオ、メイリオUIなどは2004年のJISに準拠したため、文字化けが起こったり、IllustratorでMS書体が使えないというようなことが起こっていることは、御存じと思います。 [者]について言えば、 「薯」「藷」「瀦」「堵」「屠」「賭」「箸」「儲」などの字が、XP標準のMS書体では点なし、Vista標準のMS書体では点ありの字体で表示されます。 また今度の「新常用漢字」では新字体を作らないようなので、 「嗅覚」の「嗅」は[口]+[臭]ではないことになります。
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- trgovec
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簡単なことです。常用漢字と人名用漢字では点なし、それ以外では点あり、です。いきさつは#2さんが書いています。さらにこういうこともありました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%87%E5%AD%97 ご質問文の例で言えば、「渚」は人名用漢字、「暑」は常用漢字、「箸・藷」は常用外です。人名用漢字は人名の場合に限って新字体(もし旧字体と違いがあれば)を使えるとあるので一般的な「なぎさ」では点を付けるのが正確には正しいということになります。 いっぱしの漢和辞典であればその辺の区別は書かれています。あるかないのかはっきりさせたいというのなら漢和辞典で調べてください。 ではどうして、こういう疑問が起きるかと言えば、世の中に出回っている文章が必ずしも正しいとされる書き方をされていないし、いちいち指摘されることもないからです。「あってもなくても正しい」のではなく「正しくない」とされる方も通用している、世間的に許容されているということです。漢字の字体だけでなく、仮名と漢字の使い分けも、公的な文章ならいざ知らず、個人的な書き物や文芸にまで制約を加えるもではありません。
お礼
お答えありがとうございます。わかりました。 …私がこの質問をした背景を説明いたします。私は漢字パズルが趣味でよくやるのですが、本屋さんに「大人の漢字ドリル」というのがあったので買ってきてみました。その中に「者」を含む漢字というのがあって、「箸、賭、儲、藷」には点があり、「都、暑、煮、渚、著、曙」には点がありません。手持ちの広辞苑(電子辞書)で確認すると全部点なしのようです。(電子辞書じゃない広辞苑ではどうなのかは、重くて処分してしまったのでわかりませんが、たぶん上のとおりなのだと思います。印刷活字があるわけですから) まあ、私としてはどっちでもいいのですが、法則性があるのなら知りたい(正確に記憶したい)と思った次第です。
- pandaApple
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本来は、「者」の字にも「日」の上に点がありました。それを“おかみ”が常用漢字(当用漢字もそうだったかな)にする時に、点を省略した字を採用したために、今では点のない「者」という字が一般的になっています。また「者」を含む常用漢字「煮」「暑」「署」なども点がない字を採用しています。 で、常用漢字以外の「渚」や「曙」は、そういう“おかみ”からの指示がないわけですから、基本的には点がある字を書くべきなんでしょうけれど、パソコン(JISコード)を作った時に、「“者”に点がないんだから、“者”を含む字もみな、点のない字にしてしまえ」とばかりに勝手に点がない字をこさえたようです。 それでみな、パソコンで打てば簡単に出てくる点なしの字を使い、点のあるなしに頓着しなくなりました。 小生が小学生の頃から使っている『新字源』(約40年前のもの)では、常用漢字の「者」を含む字は点のない「者」になっていますが、常用漢字外の字はみな点がある「者」になっています。 それで、現在、そういう漢字に関する事情をよく知っている人、こだわりのある人は点がある「者」を使い、字にこだわりのない人、ネット上で不便のない字を使いたい人は点のない「者」を使っているのだと思います。 では、この「日」の上の点がいったい何を表わすのか、必要なのか必要でないのかまでは、申し訳ありませんが小生は専門家ではないのでよく分かりません。 また、“おかみ”が何故にこの点を省略してしまったのかも知りません。 調べれば出てくるのかもしれませんが……。
お礼
ありがとうございました。 現代ではあってもなくても正解…ということでしょうか。個人的には、点が要るのかいらないのか、はっきりさせてほしいです。
- 莽翁寒岩 一笠一蓑一杖(@krya1998)
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はい、そういう例はたくさんありますね。 一つは画数の調整だそうです。法則はないはずです。 もう一つは癖、そして或いは好みでもあるようです。
お礼
ありがとうございました。
お礼
なるほど、そういうことですか。何も「御存知」ではなかった^^ので、勉強になりました。 お答えありがとうございました。