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漢字の「しんにょう」とは?意味や使い分けについて解説
- 「しんにょう」の左上の点がひとつの漢字と二つの漢字がありますが、これらは明確に意味があって区別されているのでしょうか? 点が二つの「しんにょう」は、ずっと旧字体だと思いこんでいたのですが、本などを読んでいると統一されておらず、混在していますしPCで変換してもひとつのものとふたつのものがあるように思います。
- 「這う」「逗留」「遜色」などは本などでは二つ点が書いてあるものもありますが、PCで変換すると一つ。 「鞭撻」は本でも、PC変換でも点が二つ。
- 例えば、漢字検定などを受験するとき、これらの使い分けで正答と誤答にわかれるのでしょうか? この漢字は点一つが正しく、この漢字は点二つが正しい、といった決まりがあるのでしょうか?
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当用漢字制定の際に、児童・生徒の筆写する字体と一般社会の印刷物の字体を同じにしたいという方針の下に、明朝活字体と楷書体の特性を顧慮せず、「示へん」「食へん」「しんにょう」の字体が変更されました。 当用漢字/常用漢字に定められた新字体では明朝体でありながら、シンニョウの点が1個減らされています。 紙に印刷された書物(最近のおおざっぱなDTPのものを除く)は、常用漢字や人名用漢字で新字体が定められたもの以外は正字のまま点が2個です。 ややこしいこと(その1) 旧通産省所管のJIS規格で1983年に、第一水準の字の場合は表外字であっても点1個にしてしまいました。 逢、迂、迦、逗、遡、遜、腿、辿、槌、鎚、遁、這、樋、逼、迄、鑓、漣 がそれです。 (第二水準の「逍」「遽」などは点2個) 旧文部省は関知していないでしょう。 そこでお尋ねのような事態になっているのです。 * JIS規格スタート当初は、コンピュータの機能自体まことに貧弱なものでしたし、今日のように国民一般が文書作成にパソコンを駆使するようになることを想定していませんでした。 ややこしいこと(その2) 数年前から「勝手に略字をこしらえたのはけしからん」という声が高くなり、2000年12月の表外漢字字体表をふまえて、2004年2月のJIS規格改正でもとに戻されることになりました。 http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0004964/ XP搭載のMS書体は未対応ですが、Vista搭載のMS書体は対応します。 JS平成明朝W3[JISX0213:2004]は対応済みで、すでに「祇」「葛」などが正字になり、上記「逢」「迂」などのシンニョウは点2個になっています。 (2004年9月に追加された人名用漢字は、これまでの例に反して「新字体」を作らなかったため、前からある「耀」「梢」は「曜」「消」に準じているのに、新たに加わった「擢」「鞘」は正字に戻されている、という奇妙な結果になっています) http://www.moj.go.jp/MINJI/minji86-2.pdf 漢字検定の採点基準は知りませんが、「鞭撻」「達」のシンニョウが点2個でなければ誤りなどということはないと信じます。筆写の楷書体で、点の下を「ろ」のように書くとき、点を2個書くことは本来あり得ません。 明朝体の正字のシンニョウの2画目と3画目を続けるから「ろ」のようになります。 つまり、[丶]+[丶]+[フ]と書くか[丶]+[ろ]と書くかのどちらかです。 当用漢字が明朝体の字体を変更したのが余計なことでした。
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- ymmasayan
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国語審議会とJISとPCソフトメーカーが関係しているようです。 内容が正しいかどうかわかりませんが参考に↓。 漢字検定は国語審議会に従うのでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 詳細な経緯からご説明頂き、大変わかりやすかったです。 >明朝体の正字のシンニョウの2画目と3画目を続けるから「ろ」のようになります。 これですっきりしました。 しんにょうの左下が「フ」になっている場合は点が二つ必要なんですね。 どうもありがとうございました!