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特殊相対論の時間の遅れについて
特殊相対論の勉強をしているのですが疑問に思ったことがあります。 参考書などを読んでいるとよくS系(静止系)とS'系(速さV=一定)ではS'系の方が時間が遅れると書いてありますが、S'系からみたらS系が速さVで動いているのでS'系の方が時間が遅れることになって矛盾しているように思えるのですがどこが間違っているのでしょうか。
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>円の中心から円板状の光を発してすべての時計を同時に合わせてみてはいかがでしょう? そう仰っていただけるのを期待しておりました。 結論から先に申し上げると、それでは駄目です。 円運動でも特殊相対論で考えられるということは、よろしいですね? だとすると、この問題を直線で考えるとどういう状況でしょうか。我々が長い直線のチューブの中にいて等間隔に時刻合わせした時計が置いてあり、時計には発光装置があって、ある時刻に同時に発光するとします。 我々のチューブと充分近くに(つまり時計の発光が事実上瞬時に相手に届く)、我々と平行の同様のチューブがあり、ある速度で動いていて、やはり等間隔に相手の基準で時刻合わせした時計が並んでいるとします。ローレンツ収縮の効果により、我々からみて相手の時計の間隔は我々のものと同じだとします。 同時刻の相対性によれば、相対速度を持つ相手の基準で時刻合わせした時計は、我々からすれば時刻が合っていません。もし我々の時計からある時刻に発光した光でもって相手が時刻をたとえば0にあわせたとすれば、相手の基準では時刻が合ってない時計が並んでしまうことになります。 中心からの発光で回転するリング上の時計の時刻合わせをするとは、そういうことになるのです。だから、その方法では回転するリング基準では時刻が合った時計にはならないのです。
等速円運動についてお考えのようですので、ちょっと差し出口を利いておきます。 SFに出てくる回転するリング型宇宙ステーションと考えればよいのですが、これは特殊相対論で考えることが可能です。等速直線運動のような相対性も成立します。 ただし、難しい点もあります。たとえば、回転する宇宙ステーション内では宇宙ステーション全域に渡って時計の時刻合わせをすることができないのです。 時刻合わせは、隣り合う二つの時計のちょうど中間地点から光を発して、両方の時計に光を観測した時点を同時刻として、時刻合わせをします。宇宙ステーションでも、隣り合う時計g亜充分近ければ時計の時刻合わせができます。 宇宙ステーションを外から眺めてみましょう。宇宙ステーション内で時計合わせしたつもりの時計が点々と並んでいるとします。しかし、直線での同時刻の相対性もやはりあります。問題は円なので、どこかから出発したとして、時刻合わせした前へ前へと進めて考えていくと、結局は元の地点に戻ってしまうのです。 直線ならある慣性系で時刻合わせした時計は、別の慣性系からすれば合ってない。立場が違うからそれでいいのだ、となります。しかし、円で元の地点に戻るということは、点々と置かれた時計は元の地点に帰り、それは元の時計と一周して時刻合わせを考えた時計は時刻が合わないということです。 同一地点で起きた物理現象は、どんな慣性系(非慣性系でもよい)から見ても、同じ現象です。この場合で言えば、宇宙ステーションの立場から言っても、時刻合わせしたしたはずの同一地点の時計は時刻が違います。つまり、宇宙ステーション内では全域に渡っての時刻合わせした時計を持つことはできません。 これは、数学的にはカットを入れるなどと言います。
お礼、ありがとうございます。 ご質問に含まれていたのが、「時計の遅れ」で、これは特殊相対論の基本の一つです。他に二つあり、「ローレンツ収縮」(または「フィッツジェラルド収縮」)と「同時刻の相対性」です。 お礼でのご質問について説明いたします。最初同じ慣性系S系に観測者A、Bがいて時刻あわせした時計を持っています。到着地点CにもA、Bの時計と時刻合わせした時計があるとします。 Bが一気に亜光速まで加速して(つまり加速時間は無視できるとする)、その後慣性飛行し、Cに到着寸前に一気に減速してCで停止するとします。 Aからすれば、Bが速度を持ったのですから、Bの時計が遅れます。これはいいですね? 次にBの立場で考えます。Bからすれば動いたのはAとCです(相対論では慣性系の観測者は静止と考えます。加速時間は短く無視できますから慣性系でOKです)。しかし、ローレンツ収縮と同時刻の相対性を考えなければならなくなります。 ローレンツ収縮のほうは簡単です。一気に加速したとたんCまでの距離が短くなります。このため、Cまでの所要時間は短くなります。このことは、先のAの主張と一致しますね。 さらに同時刻の相対性があります。実はBが一気に加速すると、Cの時計が一気に進んでしまうのです。ですから、Cの(ついでにいえばAのも)時計の進み方が遅く、かつ、Cまでの所要時間が短くなっても、この「同時刻の相対性」でのCの一気に進んだ時計の硬貨が大きく、結局Cに辿り着いてもCの時計のほうが進んでしまっていることが打ち消せないのです。ですので、Cに到着してCの時計と自分Bの時計を比べると、自分Bの時計が遅れているのです。 高速=亜光速で飛行する粒子でも同じです。この場合はローレンツ収縮が重要です。亜光速であるため粒子からすれば、ローレンツ収縮により到着する地点までの距離が短くなるため、崩壊するまでの時間でも到着できてしまうのです。もちろん、粒子から見た外界の時計はゆっくり進みます。
お礼
>実はBが一気に加速すると、Cの時計が一気に進んでしまうのです。ですから、Cの(ついでにいえばAのも)時計の進み方が遅く、かつ、Cまでの所要時間が短くなっても、この「同時刻の相対性」でのCの一気に進んだ時計の硬貨が大きく、結局Cに辿り着いてもCの時計のほうが進んでしまっていることが打ち消せないのです。ですので、Cに到着してCの時計と自分Bの時計を比べると、自分Bの時計が遅れているのです。 なるほど。定性的には納得できたような気がします。じっくり考えてみようと思います。ただ、まだまだ勉強不足で理解できないところが多いです。
- buturikyou
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>>離れた二つの時計は確認できません! >お互いが、もしくは片方の観測者が無限小の速さで近づいていって距離が0になったときに確認するという方法ではだめですか? 駄目ですね・・、静止系に遠く離れたもう一人の観測者をつくって、どうにか工夫して最初の観測者と同じ時刻を刻む時計を持たせるほかございませぬ!運動系の時計は一つですから局所時計による固有時で、静止系の時計は二つゴザイマスから座標全体で一致する座標時で、前者は後者に比べて短い時を刻みます。 >または等速度運動ではなく等速円運動をして静止していた観測者と一致した瞬間に止まって確認する方法はどうでしょうか?この場合直線運動ではないですが等速運動であれば特殊相対論が適用できると認識していたのですが間違っていますか? 近似的に成立しますし、航空機で実験的に立証されております・・、ただし運動の相対性は完全に失われますよね? >>座標系全体で一致した時計は固有時にはなれません >これはどういう意味でしょうか?固有時とは物体系で静止している人の物体系での時間だと理解しています。Bから見るとAが物体系と考えられるのでAの時間は固有時になるというのは間違っていますか?Cの時間=Aの時間なのでAもCも同じ固有時があると考えられませんか? もちろん、どの時計も固有時になることができます!ただし、それぞれの場合においてそれぞれの同時の相対性が生じますから一律に比較は出来ませぬ・・。 >>μ粒子に経過する約2.2×10^-6秒が固有時で、地上に静止する観測者の時計は大気圏の上層部に仮想的に存在させることのできる時計と同じく、その約200倍だったかな・・、も経過するのです。 >μ粒子が崩壊する直前に地上の時計に衝突して(笑)時計が進むのを止めたとすると時計はμ粒子の寿命の200倍の時刻を指していることになりますよね?μ粒子からすると地上の時計は速く進んだことになるのでは? μ粒子を静止させる慣性系においては大気圏の距離は1/200の長さでしかアリマセン!
お礼
固有時の扱いが大分わかってきました。ありがとうございます。
- buturikyou
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失礼ながら加速運動は本質ではございませぬ・・、パウリは「全域において同時刻である慣性系をアプリオリに仮定して話が出来る」という事に理解がなかったのではないでしょうか?さらにアインシュタインが「宇宙に慣性系は存在しない」と言ったのは特殊相対性理論では宇宙そのものを語ることが出来ないという意味の極言であって、単に「特殊相対性理論はもはや幼稚で一般相対性理論でなければツマラナイ!」という自慢話をしたに過ぎませぬ・・。加速度の問題ではなくて固有時間か座標時間かだけの問題です。互いの系にとって同じ距離を保ったまま進む2×2=4機のロケットの話であっても相対性を保ったまま固有時間は座標時間よりも短くなりますし、それはお互いにとってそうなのですよ。そこを信じたくないのだったら相対性理論以降の物理学は諦めなさい。 だってμ粒子にとって地球の重力による影響など無視して良い程度の微々たる影響しかゴザイマセンよ?
お礼
>失礼ながら加速運動は本質ではございませぬ そうなんですか。いろいろな本を読んでみたのですが加速度については一般相対論が必要と書いてある本もたくさんありましたし、そう書かれている本がたくさんあるがそれは間違いであると書いてある本もありました。ただ、加速度を扱って定量的に書いてある本はありませんでした。一般相対論まで勉強してからもう一度考えてみようと思います。 >互いの系にとって同じ距離を保ったまま進む2×2=4機のロケットの話であっても相対性を保ったまま固有時間は座標時間よりも短くなりますし、それはお互いにとってそうなのですよ。 だんだん理解できてきました。問題を解いているうちに違和感がなくなってきました。 >そこを信じたくないのだったら相対性理論以降の物理学は諦めなさい。 絶対にあきらめません。むしろ信じたいのですよ。とりあえずもっと勉強します。
- isa-98
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根本的に#7様のだけ読んだ方が良いと思います。 平たく言うと、 見える。とローレンツ収縮は違うんです。 S'系からみたらS系が速さVで動いているのでS'系の方が時間が遅れることになって 見える。であれば正しいんです。 実際の固有時が遅れる(ローレンツ短縮する)と言うと間違いなんです。 パラドックスのロケットのターンは、 相対運動を止めた。(相対速度=0) ここで解決するんです。
お礼
>S'系からみたらS系が速さVで動いているのでS'系の方が時間が遅れることになって 見える。 ローレンツ変換はこの場合S系の時間が遅れることを示しているのではないですか?
- yokkun831
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>等速度運動をした観測者の時計で1時間が経過した瞬間にとまって互いの時計の時刻を確認するとどうなっているのでしょうか。 この場合,どちらが加速運動をしたかによります。両者が対称に同じ加速(減速)運動をしたのなら,両者の時計はぴったり一致しています。一方のみが他方の速度に合わせるために,加速運動をしたのなら,加速運動をした方の時計が遅れていることになるのです。これは,厳密には一般相対論のテーマですが,もちろん時空の同時刻面が不連続に折れ曲がることを認めて特殊相対論の範囲でも確認することができます。いわゆる双子のパラドックスですね? 加速系では慣性力=重力を感じるために慣性系と比較して,絶対的な時間の遅れを生じることになると考えられています。
お礼
回答ありがとうございます。 この問題の場合加速度の影響は無視できないのですね?パウリの同じようなことが書いてありました。 かなり理解が深まりました。
- buturikyou
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>二人の観測者が同じ時刻を示している時計をそれぞれもって、一方は静止したまま、他方はある速さで等速度運動したとします。等速度運動をした観測者の時計で1時間が経過した瞬間にとまって互いの時計の時刻を確認するとどうなっているのでしょうか。 離れた二つの時計は確認できません!静止状態の観測者をA、等速度運動をした観測者をBとしますと、Bが1時間経過した瞬間にAとおなじ相対速度を持った別の観測者Cとすれ違うとします。AとCとはおなじ時刻を共有している(この時計合わせもなかなか難しいのですが省略します)としたらCの時計は1時間よりも長い時間を経過したことを示します。固有時をご存知でしょうか?運動物体系が固有時になることが多いのは局所時計によるからです。速度が相対的だったとしても座標系全体で一致した時計は固有時にはなれません・・。この場合にはAの時計はCと一致しているので座標時(これは私の造語ですがご容赦ください)でBが固有時で、しかも、常に 固有時<座標時 の関係にございます・・。 >よく高速で移動する粒子の寿命は延びるといいますが、それは上の場合だと静止していた方の時計が1時間以上経過しているということなのでしょうか。その場合動いていた観測者からみると静止していた方の時間は速く進んでいることにはならないのですか。 μ粒子の話ですね?μ粒子は宇宙線が大気に突入することによって生成され地上にまで降り注ぎます。μ粒子は平均寿命2.2×10^-6秒ですから光速度c=3.0×10^9m/秒でも6,6×3=6600mまでしか走れないのですが、地上で観測されます。この場合でも、μ粒子に経過する約2.2×10^-6秒が固有時で、地上に静止する観測者の時計は大気圏の上層部に仮想的に存在させることのできる時計と同じく、その約200倍だったかな・・、も経過するのです。地上の時計はμ粒子が大気に突入した瞬間に0に合わせることはできませんよね、それは大気圏上層部に仮想的に存在する時計の時刻0とおなじだということを理論的に仮定しなければ解けないのです!そこを我慢すれば相対論を矛盾だという必要はなくなります・・。 もっとわかりやすいたとえ話も有るのですが我慢した納得よりも上というほどの認識ではなくて幼稚なのですよ(笑) お相撲取りじゃないですけど「にんげん辛抱だ」なんです・・。 >わかりにくくてすみません。的外れでしたら指摘していただけると助かります。(以上、No.3へのお礼より引用させていただきました)
お礼
>離れた二つの時計は確認できません! お互いが、もしくは片方の観測者が無限小の速さで近づいていって距離が0になったときに確認するという方法ではだめですか? または等速度運動ではなく等速円運動をして静止していた観測者と一致した瞬間に止まって確認する方法はどうでしょうか?この場合直線運動ではないですが等速運動であれば特殊相対論が適用できると認識していたのですが間違っていますか? >座標系全体で一致した時計は固有時にはなれません これはどういう意味でしょうか?固有時とは物体系で静止している人の物体系での時間だと理解しています。Bから見るとAが物体系と考えられるのでAの時間は固有時になるというのは間違っていますか?Cの時間=Aの時間なのでAもCも同じ固有時があると考えられませんか? >μ粒子に経過する約2.2×10^-6秒が固有時で、地上に静止する観測者の時計は大気圏の上層部に仮想的に存在させることのできる時計と同じく、その約200倍だったかな・・、も経過するのです。 μ粒子が崩壊する直前に地上の時計に衝突して(笑)時計が進むのを止めたとすると時計はμ粒子の寿命の200倍の時刻を指していることになりますよね?μ粒子からすると地上の時計は速く進んだことになるのでは?
- isa-98
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随分と難しく考えちゃいましたね。^^ 運動量、実際に動いているかどうかです。 静止系Sを基準にして+Vを算出しました。 このVは、運動系のVです。 S'系は、S系に対してローレンツ短縮を起こします。 運動量Vの量だけ短縮します。 S’系から見れば、S系は運動しているように見えますが、 実際には運動量が存在しません。 0です。 S系はS’系に対してのローレンツ収縮を起こさないとなります。
お礼
回答ありがとうございます。 >S’系から見れば、S系は運動しているように見えますが、 実際には運動量が存在しません。 0です。 これは本当ですか?S'系からみた場合、S'系を静止系として新たにS系の運動量を考える必要があるのではないですか?慣性系がすべて平等であることに矛盾していませんか?
- 雪中庵(@psytex)
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相対性理論が「相対」化しているのは、単なる時間の流れだけではなく、 「同時性」も否定しているのです。 「常に同じメンバーが同じ時空に属している」という日常的センスは、 我々の周辺の現象の速度が遅いがゆえの近似であって、相対運動ごとに 互いに相手の時間が遅れるという、ある意味パラレルワールドであって。 (ただし「パラレルワールド」のように行き来できるものではなく、 自分(観察者)にとっての時空しか存在しない、というのがその本質) そうした認識性から独立した原理的な確定性=本質的な因果律が存在 しない事は、物理学的な状態Aが、Bに変化する確率は、そのAがBになる 複数のプロセスの全てを足したものとなる事から、明らかである (=経路積分)。 それは、ミクロなレベルの話だけではなく、2本のスリットを通して その向こうのスクリーンに電子を飛ばした場合、1個単位で電子を 飛ばしても、スクリーンに次第に描かれるのは、2本の帯ではなく、 干渉縞模様である事にも表れている。 即ち、スクリーンに1つずつ消えていく電子が、それ以前に消えた 電子の場所を覚えていて、皆で協力しているか、1個の電子が、 2つのスリットをそれぞれ通った可能性同士が干渉しているか、である。 最新の量子論的世界像において、有限な存在性は観測される事によって 生じています。 認識性を除外した存在は、無=無限不確定性になります。 その無限の闇に、認識体の仮定断面の運動(プランク定数hの収束の 時系列化)を想定すれば、相対的に無の風は光になり、認識体はその 光の向うに、自我仮説の補完としての時空仮説=宇宙を認識します。 全てのものは、あなたが存在するための(物理的根源にまで遡った) 補完なのです。
お礼
回答ありがとうございます。 >相対性理論が「相対」化しているのは、単なる時間の流れだけではなく、 「同時性」も否定しているのです。 「常に同じメンバーが同じ時空に属している」という日常的センスは、 我々の周辺の現象の速度が遅いがゆえの近似であって、相対運動ごとに 互いに相手の時間が遅れる 確かにそのとおりなのですが、それが矛盾しているように感じてしまうのです。
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お礼
円の中心から円板状の光を発してすべての時計を同時に合わせてみてはいかがでしょう?