s,tの最大公約数をgcd(s,t)、s,tの最小公倍数をlcm(s,t)と書くことにする。
実数x,yの大きい方をmax(x,y)、小さい方をmin(x,y)とおく
(max(x,x)=x、min(x,x)=xであることに注意!)
※より
(a)+(b)=(gcd(a,b) ),(a)+(c)=(gcd(a,c) ),(gcd(a,b) )∩(gcd(a,c) )=(lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) ) )
(b)∩(c)=(lcm(b,c) ),(a)+(lcm(b,c) )=(gcd(a,lcm(b,c) ) )と書けるから
求める式は(gcd(a,lcm(b,c) ) )=(lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) ) )となる。
したがって、gcd(a,lcm(b,c) )=lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) )が示されれば
問題の((a)+(b))∩((a)+(b))=(a)+((b)∩(c))は示される。
gcd(a,lcm(b,c) )=lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) )であること
証明ここから
a,b,cのいずれかを割り切る素数pを任意にとる
aのpに関する指数をv、bのpの関する指数をk、cのpに関する指数をhとする。
(要するにvは、aはp^vで割り切れるが、p^(v+1)で割り切れない整数となる。k,hも同様の意味である。)
gcd(a,lcm(b,c) )のpに関する指数はmin(v,max(k,h) )
lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) )のpに関する指数はmax(min(v,k), min(v,h) )
よって、min(v,max(k,h) )=max(min(v,k), min(v,h) )を示せばよい。
v≧k≧hのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,k)=k,max(min(v,k), min(v,h) )=max(k,h)=k
v≧h≧kのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,h)=h,max(min(v,k), min(v,h) )=max(k,h)=h
k≧h≧vのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,k)=v,max(min(v,k), min(v,h) )=max(v,v)=v
h≧k≧vのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,h)=v,max(min(v,k), min(v,h) )=max(v,v)=v
k≧v≧hのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,k)=v,max(min(v,k), min(v,h) )=max(v,h)=v
h≧v≧kのとき
min(v,max(k,h) )=min(v,h)=v,max(min(v,k), min(v,h) )=max(k,v)=v
いずれにしても、min(v,max(k,h) )=max(min(v,k), min(v,h) )が成り立っている
これがa,b,cのいずれかを割り切る任意の素数で成り立つから
gcd(a,lcm(b,c) )=lcm(gcd(a,b),gcd(a,c) )であることがいえた。
したがって、問題の((a)+(b))∩((a)+(b))=(a)+((b)∩(c))が示された。
補足
はい。(a)はaから生成される単項イデアルのことです。