高校受験生だと(たぶん大学受験のレベルでもそうなんですが)、いわゆる哲学用語は出てきたとしても、読んで理解できるようなかたちでしか出題されません。
ですから、ヘタに頭に入れておくと、足を掬われる可能性の方が高いように思います。
中学生の受験指導をしていたのはけっこう前(笑)のことなんですが、たぶんそれには変わりはないと思います。
たとえばどこの学校だったか覚えていませんが、池上嘉彦の『記号論への招待』が出題されていたことがあります。ただし、本のなかでも最初の方が採られて、「記号論」というのがいったいどのような理論なのか、まったく知らなくても、論理の流れを追いながら丁寧に読んでいけば、かならず解けるようになっていて、うまくつくるものだなと感心したことがあります。
ですから、心がけるべきは、「論理の流れを追うこと」です。
ひとつひとつの言葉に情緒的に反応したり、一般的な意味を条件反射的に当てはめてはダメです。たとえば「感性」なんて言葉は、ふつうに使われている意味とは少しちがうことが多いですが、それでもちがっているときは、本文中にかならず定義づけがなされています。
特に、哲学的な文章では、考え方Aと考え方Bを対立させながら、論理を進めていくことが多くあります。ですから、どこからどこまでが考え方Aか、どこからどこまでが考え方Bかをしっかりつかむ。そうして筆者はAあるいはBのどういうところを批判し、問題があるかを言っているのかをちゃんと読み取ることです。
それさえできていれば、たとえ筆者の名前がどんなにおっかなそうな人(笑)でも、きっと読みとれると思います。
本番まであと一ヶ月ぐらいでしょうか。
体調管理をしっかりして、頑張ってくださいね。
健闘を祈ります。