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電磁石と永久磁石の磁力表現とコントロールについて
- 電磁石と永久磁石の間には磁力(吸引・反発)が働きます。
- 距離による磁界の表現と電流による磁力の制御方法について説明します。
- 二つの磁性体間に働く力の式について解説します。
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モデルが簡素すぎたということでしょうね。 今回私は、電磁石と永久磁石の距離が十分近いとし、双方の磁荷から出る磁束の分布を、球対称として考えました(点電荷の分布と同じです)。しかし、実際にできる磁束はループ状になっていて、前方方向には極端に減衰していくことが考えられます。実際にやったことはないのですが、シミュレーションをすると、r^(-4)で減衰していくのでしょうね。経験が物を言う世界とはこのことです(笑 加えて言いますと、先では双方を点磁荷と見なして計算しました。しかし、実際に扱う装置には有限の大きさがあり、先の数式は成立しないと思われます。やはり実際に実験を行い、物理パラメータを求めるのが手っ取り早い上、正攻法なのかもしれませんね。
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- _takuan_
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「重力場」という単語は既に使用されているようですね(汗。 問題ないとは思いますが、混同しないように「重力界」とでも読み替えて下さいw。
- _takuan_
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双方とも距離の2乗に反比例でよいと思います。磁荷にかかる力は、 F=qH で表わされるので、永久磁石―電磁石の場合は、相手側の磁界にのみ線形依存します。 万有引力に置き換えてみれば、納得できると思います。 地球の質量をM、地上にあるリンゴの質量をmとすれば、地球が作る重力場は、(一般的でない考え方ですが(笑)) K=-GM/r^2 [=重力加速度g (r=地球半径の時)] となります。同様に、地上のリンゴも重力場 K'=-Gm/r^2 を作りますが、リンゴが受ける万有引力Fは、明らかに F=mK (=MK') であり、片方の重力場にのみ線形依存し、距離の二乗に反比例します。この例は、先に議論した磁界の話と表裏一体の関係にあり、磁力も、片方が作る磁界にのみ線形依存するのです。蛇足ですが、対応関係は次のようになっています。 重力場K⇔磁界H 質量m⇔磁荷q
- _takuan_
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(永久磁石化していない)磁性体の場合は、エネルギー方面からの考察が有効なようです。 予備知識として電場について。計算は省きますが、コンデンサが作る電界が単位体積に蓄えるエネルギーE、及びコンデンサの極板すなわち「電荷を持った導体」にかかる単位体積当たりの応力fは次のようになります。 E=εE^2/2 [J/m^3] f=εE^2/2 [N/m^2] よって、極板にかかる力Fは、 F=∬εE^2/2 dS [N] ですね。 電磁波の計算過程で導かれる内容なのですが、実は磁場のエネルギーについても同形の数式が導かれまして、「磁荷を持った磁性体」にかかる力は、 F=∬μH^2/2 dS [N] となるようです。H∝I,r^(-2) なので、H^2dS∝I^2,r^(-2) になると思われます。厳密に計算するには計算機様の力を借りる必要がありそうですが、実験によりパラメータを求めるのであれば問題ないでしょう。 先の回答との矛盾については、(永久磁石化していない)鉄球の場合は、外部磁界によって磁荷が変動するので、q(H)∝H ? となって、FにはH^2の成分が発生するという解釈でもいいかもしれませんね。(挙げて頂いた論文には磁気飽和、ヒステリシスはないと仮定されているので、単純比例と考えて問題ないでしょう。)
補足
迅速な回答大変感謝します!! 電流依存性については良くわかりました! 永久磁石の場合はHが電流に関して依存性なく固定なので、全体として永久-電磁石系の磁力は電流に一次比例で、磁性体(鉄球)の場合には鉄球の磁荷が電磁石の電流に一次で比例するため、全体として2次比例なわけですね。 丁寧な説明ありがとうございます。 ギャップ間距離についてはどうなのでしょうか? 磁性体(鉄球)の方に関しては先ほど言って頂いたように、電磁石の磁界が2次で反比例することから全体として2次に反比例でよさそうですが。永久磁石については、双方の磁界が距離の2乗に反比例するので全体としてやはり磁力は電流の4乗に反比例するのでしょうか?
- _takuan_
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(2)が間違っておりました。申し訳ない(汗 ソレノイドの「中心に」できる磁界は H3(z+L/2) = IN/( √(L^2+a^2) ) (∝ I) で、「電磁石のS極」に出来る磁荷q''が q'' = -2πμH3(z+L/2)*(L/2)^2 となります。中心の磁界を考えたので、NS両方の磁荷を考慮し、2で割られております。結果、F=q''*H1(z)となります。
- _takuan_
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(1) 古い考え方ですが、磁荷による考察が有効です。 永久磁石の両極が十分離れている場合、上向きを正とすると、S極から発生する磁界H1は次のようになります。(電磁石も存在しない場合です) H1(r) = -q/(4πμ'*r^2) [μ'(空気の透磁率) q(永久磁石の磁荷)] よって、任意の点(r=h)におけるH1より、磁荷が逆算できます。 q = -4πμ'H1(h)*h^2 以上より、磁荷qが電磁石が作る磁界H2から受ける力は F=q*H2(0) で求められます。 作用反作用の法則より、同じ力が電磁石にも加わるので、Fと重力が釣り合う点で、電磁石が静止すると思われます。 (2) 一般に、H∝Iというルールがあります。 今回の場合、電磁石のS極表面(z=z?)に出来る磁界H2は H2(z) = μIN/( 2μ'*√(L^2+a^2) ) (∝ I) μ (磁性体の透磁率) N (巻き数) L (ソレノイドの長さ) a (磁性体断面の半径) となります。手計算なので、鵜呑みにしない方がいいと思います。 先程と同じ考え方で、鉄芯の中心にマイナス(S極なので)の磁荷q'が存在すると考えれば、次のように求まります。 q' = 4πμ'H2(z)*(L/2)^2 (∝ I) よって、両者間に発生する力は、F=q'*H1(z)です。(1)の考え方を逆にしただけですね。 (3) F=(1/2)μ*(H^2)*Area ごめんなさい。私の知らない数式です(涙
補足
再度ご丁寧な回答ありがとうございます! takuanさんの理論は理解できました。学んだ記憶があります。しかしやはり、合点がいかない点があるので、もう一度質問させてください。長々と書きますが、結局のところ知りたいのは『吸引反発力(磁力)がどの変数(電流・ギャップ距離)の何乗に比例(または反比例)しているか』という大まかな形だけです。細かな係数は実験で線形化し、求めるので重要ではありません。 さて、具体的に言いますと、今個人的には以下の二つの磁気浮上モデルをほぼマネして、立式をしようと思っています。 ●http://www.ehdo.go.jp/shizuoka/hamamatsu/kiyou/pdf_16/kiyou16_2_05.pdf#search=' ●http://k-lab.e.ishikawa-nct.ac.jp/paper/2005/hash_thesis.pdf しかし、ここで問題なのは、両研究書ともに、その磁気浮上系は電磁石と"鉄球"です。自分らが使おうと思っているのは、電磁石と"永久磁石"なので、式に変化があるのではないかと思っているのです。 コイル全体を動かす力が、takuanさんのおっしゃる式だとすると、電磁石による磁界のみ電流の1乗に比例し、永久磁石は電流に比例しませんから、磁力は電流に一次で比例するはずですよね? ところが、両論文では、磁力は電流の2次に比例する形となり(何故2乗に比例するのかも分かりませんし)、この考えと矛盾するように思えるのです。距離については、片方の磁界が距離zの2乗に反比例し、もう一方の磁荷は距離zに比例しないので、結果磁力が距離の二乗に反比例するのは納得です。 また、以下の論文では逆に電流に一次で比例する点は納得なのですが、今度はAirGapの4乗に反比例しています。(そして、dy/dt項の存在意義も分かりせん) ●http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/msie/gr-thesis/ms/2006/takami/03mm088.pdf 磁気浮上系の制御を行う上で、ここが最初の非常に重要な肝の部分なので、厚かましいようですが詳しく教えて頂けたら幸いです!!!
補足
ですよね。私も万有引力の法則や電荷の方での式と関連づけて認識していたので、距離の2乗に反比例するんじゃないかと思っていました。 しかし混乱を招いたのは、以前も貼付けましたが、以下の論文では、永久磁石と電磁石系なので設定はほぼ同じはずなのですが、何故か磁力の式は距離の4乗反比例で考えられています。 これはどういった理由によるものなのでしょうか? ・http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/msie/gr-thesis/ms/2006/takami/03mm088.pdf ・http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/msie/gr-thesis/ms/2005/takami/02mm104.pdf#search='