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PCRの理論値と実験結果の誤差
PCRをnサイクル行うと、理論的には1分子が2^n分子に増えると学びました。 しかし実際にPCRを行うと、どんなに実験環境を良くしても、上記の理論値を下回る結果になってしまうと聞いたのですが、その理由がよくわかりません。 DNAを増幅する際にミスが起こるということですか? どなたかご助言をお願い致します。
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PCRの原理はご存じだと思いますので、理論値にならない可能性のヒントを少々。 DNA polymeraseの中にはミスをするものもあります。 そのままつなげてしまうモノもあれば読み返して修正する酵素もあります。 が、理論値を下回るのはもっと単純なことで、そもそも水溶液中のDNAとプライマーが効率よくアニーリングする可能性や、酵素がそのアニーリングしたDNAに時間内にうまく結合することなど、確率的に(濃度的に)難しい部分が結構ありますよね。理論値といってこれらのパラメーターをまったく考慮に入れていませんから一回目のサイクルですら倍にはならないのではないでしょうか。 また回数をこなせばprimerの数が減少する、酵素が弱ってくる、dNTPの枯渇などいろいろな障害も起きますしね。 実際に自分で試薬を混ぜてみると、そりゃそうか・・・なんて自分も思ったことがあります。