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PCR法における「ホットスタート」について

学生実験にてPCR法によるDNA断片増幅を行いました。その応用として、「ホットスタート」と呼ばれる作業があるという事がわっかたのですが、具体的にどんな作業かわかりません。一体どのようなこと何でしょうか?ご存じの方教えてください。

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  • medi_info
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回答No.1

低温や室温で増幅を行うと効率が悪くなったり、非特異的な増幅がおこなわれてしまうため、こうした欠点を補うために高温でPCR反応液の完全な混合を行うようにし、反応をスタートさせる方法です。 4種類の方法があります。  (1)高温下で不足しているコンポーネントを追加する方法  まずPCRに必要なコンポーネントの一部(DNAポリメラーゼやMgCl2など)を除いた反応液を調製し、次に高温下(70℃~80℃)で不足しているコンポーネントを追加することで完全なPCR反応液にし、反応を開始させる方法。この場合、サンプル数が多くなると操作が煩雑になり、サンプル間汚染が起こりやすいので注意が必要。  (2)ワックスバリアー法  常温では固体であるがPCR増幅の際に高温下融解するワックスを利用し、PCR反応液を分離することによりホットスタートさせる方法である。ワックスによって、1回目のPCRサイクルまで反応液は上層と下層に分離しているが、最初の熱変性段階のときにワックスは溶解し、上層と下層が混合し反応がスタートする。  (3)DNAポリメラーゼのモノクローナル抗体を用いる方法  耐熱性DNAポリメラーゼに対するモノクローナル抗体を利用してホットスタートを実現する方法である。この抗体は、低温ではDNAポリメラーゼの働きをブロックしているが、高温になると熱変性して解離するため、DNAポリメラーゼの活性が復活し、PCR反応が開始される。  (4)加熱処理をすることで活性化するTaqポリメラーゼを用いる方法  常温では不活性化型であるが、加熱処理(95℃、10分間程度)することで活性化されるTaqポリメラーゼの修飾体を用いてホットスタート法を行う方法。この酵素の活性化の原理についてはメーカーによって明らかにされていない。ただ、高温で活性化されることを除けば、従来のTaqポリメラーゼと同じ性質を有するので、アニーリング温度や、MgCl2、dNTPの濃度など、検討を要する反応条件は基本的にTaqポリメラーゼと同じ。

gakuju
質問者

お礼

丁寧な説明ありがとうございます。大変参考になりました。

その他の回答 (2)

  • fujishiro
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回答No.3

突っ込んで悪いんですが…「学生実験をした」のでしょう?「する」のではなく。 ちゃんとやんなきゃだめですよ! それはともかく。「具体的にどんな作業かわかりません」…たぶん、何もしなかったんじゃないですか?原理は皆さんが書いているとおりですが…実際の作業は混ぜて機械にかけるだけですよ(笑)あとは機械が熱して冷やしてを繰り返して増やしてくれます。

gakuju
質問者

お礼

PCRの原理はわっかたのですが、どうしても「ホットスタート」がわからなかったもので、、、。回答ありがとうございました。

  • kawakawa
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回答No.2

ワックスバリアー法以外は,乱暴な表現ではPCRに必要な酵素を引いたり足したりして反応開始温度を70~80℃或いは95℃条件とする方法だと思っていただければよいでしょうネ。 ワックスバリアー法は上層下層をワックスで分断し,加熱してワックスを溶かして反応させるというものです。 DNAポリメラーゼ等を除去した反応液を70~80℃にしてから,必要な分画を加えてPCR反応液を完成させる方法。 高温で失活するモノクローナル抗体を加え,一定以上の加熱をまって反応を進める方法。 高温でのみ活性化する酵素を加えて行なう方法。 こういったものがホットスタートですが,遺伝子関連の実験手引書に詳細が載っていると思いますヨ。 以上kawakawaでした

gakuju
質問者

お礼

回答参考になりました。近場の図書館(そこしかないんですけど)がイマイチなもので、関連書がほとんどないんです、、。回答ありがとうございました。