分譲マンションの駐車場利用料の会計処理
当マンションの管理規約の第25条には、下記のように、マンションの管理費と修繕積立金(管理費等)は、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて公平に負担すべし、と規定しています。(この規約は、国交省の標準規約にほぼ準拠しています。)
第5章 管理
第2節 費用の負担
(管理費等)
第 25条 区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用
(以下「管理費等」という。) を管理組合に納入しなければならない。
一 管理費
二 修繕積立金
2. 管理費及び修繕積立金の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出
するものとし、他の事情を一切勘案しない。
ところが、駐車場使用料金として徴収されているお金は、管理費等に繰り込まれており、管理費の約10%、修繕積立金の約35%が駐車場使用料より充当されています。
その結果、駐車場利用者が非利用者と比較して、平等に負担すべき管理費等を多く負担する結果になっています。
この不公平な状況をなんとか是正したいと考えています。
管理組合員が自分たちが所有する土地をを駐車場として利用する場合に、負担すべき妥当な金額は、駐車場を維持するために必要な駐車場の修繕費と、駐車場を利用しない組合員が受け取るべきその土地の地代と考えられます。
そこで、長期修繕計画から駐車場にかかわる費用を抜き出し、また、地代については固定資産税と都市計画税の合計額の2~3倍が住宅地の地代の相場ということで算出したところ、月額500円程度となりました。
現在支払っている月額の駐車場利用料は8,000円程度なので、差額の7,500円が、本来、組合員全員で公平に負担すべき管理費等を駐車場利用者のみが負担して支出することになっています。
公平に負担した場合を算出してその金額を比較したところ、約3万円弱を駐車場利用者が払いすぎており、全組合員の30%程度の駐車場非利用者は約7万円弱の支払いを免れていることになります。
このお金の流れを考えると、駐車場利用者が払い過ぎた3万円は非利用者が払うべきであった7万円を立て替えて贈与されている形になっています。
この会計処理は、第25条の第2項に違反しているのではないかと考えますが、管理会社の見解は、第25条は駐車場利用料金の処理について言及していないので、この第2項に従う必要は無い、とのことです。
しかし、第25条は、管理費等の負担について公平であるべし、と言っているので、これら管理費等を徴収する時の費用の名目ではなく、結果として負担することになる金額について規定していると考えるべきではないでしょうか。
駐車場利用料という名目でありながら、その実態は、75%が修繕積立金、20%が管理費に繰り込まれており、本来の駐車場の費用は修繕費用の駐車場に関する部分の5%程度しか相当しないことが、あらかじめ予算で計画されています。
この費用が、「駐車場利用料」という、まったく実態とかけ離れた名目であることで、管理費等を公平に負担すべしとしている第25条の対象外になるというのは、第25条を骨抜きにする解釈で納得できないでおります。
この不公平を是正したいと考えていますが、規約を変更するのはハードルが高いので、第25条を正しく解釈・運用することで解決できないものかと考えております。
具体的には、第25条の第2項に沿った料金体系とすることで、駐車場利用料は500円程度に下げ、差額の7,500円は管理費と修繕積立金を増額することで全体の収支のバランスを取ります。
現在の会計処理は、一部の駐車場非利用者のみに有利になる処理方法ですので、このような会計処理を続けることは、共同の利益に反する行為を禁じている区分所有法第6条に抵触する危険性があるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
このマンション標準規約の解釈、運用により生じる駐車場料金処理の不公平問題についてマンション管理センターや国交省に見解を問い合わせたのですが、民事と思われるので、弁護士に相談して欲しいと逃げられてしまいました。
アドバイスをよろしくお願いします。
お礼
お手数をお掛けいたします。定款(規約)の変更案にも若干の問題がありまして、あくまで現行法(上で述べた)で行く場合を考え違和感を感じたので、お尋ね致しました。こだわるようですが、「・・相場の上昇・下落等・・」の2つの主語、つまり複数を表すに「等」を用いているものと解釈したもでお尋ねしました。ありがとうございました。