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物理の課題について
子供より、物理の課題で次の質問されたが(回転、発散、勾配、ベクトルこれらの関係を表現する。)、私には何のことか理解できません。どなたか教えてくだされば、幸いです。よろしくお願いします。
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lukoさんのご質問は物理学でよく使われるベクトル解析のお話ですね。ベクトル解析は大学の教養課程か、専門課程の最初くらいで出てきます。 「ベクトル解析」なんて勿体付けましたが式そのものは難しいものではなく、関係を式に表現するだけなら何とかなります。ただし中身までちゃんと理解しようとすると以下の基礎知識が必要です。 -スカラーとは何か、ベクトルとは何か -3次元空間におけるベクトルの取扱い -偏微分 もしそこまで戻って説明するとなると少なくとも大学の講義1回分以上の分量になる上に、身につけるためには少し鉛筆と紙で問題を解いてみる必要もあります。 とりあえず式だけは書いておきます。よく分からないということであれば、高校2年くらいの代数幾何のあたりからさらっと復習してみるよう、お子さまにお伝え下さい。 (0)スカラーとベクトル とりあえず「スカラーとは大きさだけを持つ量、ベクトルは大きさと向きを持つ量」と理解しておいてください。 (1)スカラー関数とベクトル関数 いま3次元空間のある場所(x,y,z)が与えられた時、その場所に応じて一つの値が決まる関数φ(x,y,z)があったとします。身近な例で言えば「部屋の中の、場所場所での温度を表す関数」などはこれに当たります。 このように「場所が決まると値が決まる関数」をスカラー関数といいます。 一方、場所が決まると(値でなく)ベクトルが決まる関数というものもあります。「ベクトルの各成分が決まる関数」と言っても同じことです。例えばある時刻において、部屋の中の各点における風向と風速を与える関数はそれです。「場所が決まるとベクトルが決まる関数」をベクトル関数といいます。 (2)スカラー関数、ベクトル関数に関する演算 【勾配】 スカラー関数に対し定義されます。いまスカラー関数φ(x,y,z)があったとき、 (∂φ/∂x, ∂φ/∂y, ∂φ/∂z) の3つの値(関数)からなる組のことを、そのスカラー関数の「勾配」と言います。もとのφはスカラー(スカラー関数)でしたが勾配は3つ組の値からなる関数、すなわちベクトル関数です。grad φや、あるいは∇φなどと表現されます(gradはグラジエント、∇はナブラと読みます)。 ∂φ/∂xはご存じかと思いますが偏微分の記号です。関数φの中の変数xについてのみ微分を行い、それ以外の文字(y,z)は定数とみなして行う微分です。例えば φ=x^2 y + y^2 z^3 ならば(^は、べき乗を表す)、 ∂φ/∂x = 2xy ∂φ/∂y = x^2 +2y z^3 ∂φ/∂z = 3 y^2 z^2 ですから、 grad φ=(2xy, x^2 +2y z^3, 3 y^2 z^2) となります。繰り返しになりますが勾配grad φはベクトル関数です。また表式をみて分かるように、この例では場所(x,y,z)に応じて値が変化します。 【発散】 ベクトル関数に対して定義されます。いまベクトル関数A(x,y,z)があったとき、 ∂Ax/∂x + ∂Ay/∂y + ∂Az/∂z のことをベクトル関数Aの発散といい、div Aなどと表します(divはダイバージェンスと読みます)。Ax, Ay, Azはそれぞれベクトル関数Aのx成分、y成分、z成分を表します。 例で説明してみます。いまベクトル関数 A=(2x^2, y z^2, x^2 z^2) ←x,y,zの各成分の組からなるベクトル関数です があったなら、 ∂Ax/∂x = 4x ∂Ay/∂y = z^2 ∂Az/∂z = 2 x^2 z ですから、これを全部足して div A = 4x+ z^2 + 2 x^2 z がベクトル関数Aの発散ということになります。発散はただ一つの値を与える関数、すなわちスカラー関数です。 【回転】 ベクトル関数に対して定義されます。これの表式は少し複雑でして、ベクトル関数A(x,y,z)のx成分、y成分、z成分をそれぞれAx, Ay, Azとすると、それらに対し (∂Az/∂y -∂Ay/∂z, ∂Ax/∂z -∂Az/∂x, ∂Ay/∂x -∂Ax/∂y) ←3つ組の値から成っていることに注意 の3つの成分からなるベクトル関数のことを「ベクトル関数Aの回転」といい、rot Aなどと表します。rotはローテーションと読みます。 例えばベクトル関数A=(2x^2, y z^2, x^2 z^2)に対し、rot Aは (-2yz, -2x z^2, 0) となります。 勾配、発散、回転がそれぞれ物理的にどのような意味を持っているのかはこの先学ぶことと思います。 とりあえず表式だけを記しました。 ●ご参考までに 「ベクトルとその微分」 http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/lecture/denkigaku/denki01/denki01.htm このページでは空間のx方向の単位ベクトルをj(太字j)、同じくy方向に太字k、z方向に太字lとする表記法をとっています。 3次元空間のベクトルを (a, b, c)を、a j + b k + c lと表現しているわけですので、適宜読みかえてください。
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- GTAC
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ベクトルは方向と大きさを持った概念です。あなたがある場所に立っていたとします。方向には前後、左右、上下がありますね。数学的にはXYZの3次元ということになります。ボールを前に投げたらボールは前に向かってある速度で飛んで行くはずです。前と右に投げたらそれぞれのボールは前と右に進みますが、それを生み出すエネルギーは前と右の合成方向に向かっていたことになります。では野球のバットでボールを前に打ったとき、体はどのように動いていたでしょうか? 体は脚を軸にして回転していたはずです。言い換えると、あるベクトルの回転が別のベクトルを作り出したという概念です。(この説明はかなり不正確ですが) 工学的にはコイルに流れる電流がコイルの軸方向に磁界を生じる現象を表現します。 発散はあなたの立っている場所で大玉の花火が爆発したと考えてください。同心球状に火花が広がりますね。これは花火の中心部にあったエネルギーが同心球状に発散した例です。工学的には、電荷のもつエネルギーが電気力線として出て行く電気力線の本数は電荷の大きさに比例する現象とかを表現します。 勾配は富士山の頂上からボールを転がしたらどちらにどんな速度でボールが転がるかを表現しています。面を表現するベクトルに直交したベクトルの方向に進むという現象です。 工学的にはバケツを持って階段を上っていたときにバケツの持っている位置エネルギーは重力に逆らって垂直に進んだ距離に等しい(階段で斜めに登った分は無視して)という現象を表現するのに使われます。 これらを直交座標(XYZ)方向のベクトルで取り扱ったり、角度と半径といった極座標で取り扱ったりしますが、どちらを使うかは問題に応じて決めます(回転が入る場合は局座標が楽) 数学的取り扱いを行うことで、物理的な現象とは切り離して単純化でき機械的に計算することができます。 しかしながら、、、 今の工学部の教育は高校での物理現象の理解を前提に、1年次でいきなりベクトル代数を教え、2,3年で電磁気学や流体力学を教えています。しかし日本の高校生の受験の学力では上記の現象や物理的な概念を充分に理解していてなぜベクトル代数を使うのか(学ぶ必要にあるか)をわかっているのか疑問です。電磁気学はいきなり「電界の発散は電荷に等しい」なんぞと数式でやられるものですからほとんどの学生は消化不良のようです。これらは過去100年以上の科学の進歩を数ヶ月の講義に圧縮しているからで、結果の定理のみを教えているのが日本での工学教育の現状です。
お礼
ありがとう、ございます。参考にさせていただきます。
- kan3
- ベストアンサー率13% (480/3514)
これらの言葉を交えて、文章を作れという問題です。 意味が分かってないと作れませんよね、単純に本等を記憶しただけの者では回答困難です、理解しているかを知りたいときに出す問題形式です。 国語力も必要ですし、総合的な知識があればマルです。 当然全ての単語が無いと原点対象です。
お礼
色々詳しく教えてもらいました。ありがとうございます。
- gator
- ベストアンサー率33% (159/480)
お子様といっても大学1年生くらいでしょうか。 純粋にはベクトル解析という数学の分野ですが、様々な物理現象 を記述するのに使われます。 勾配=grad, 発散=div, 回転=rot と表現して数式化しますので、grad div rotで検索すると、参考 となるページがヒットするはずです。教えてgooで検索して出てきた 質問を下に入れておきます。よく解説されていますので、参考にして ください。 以上
お礼
ありがとうございます。大変助かりました。
お礼
丁寧に教えてくださいまして、大変恐縮しています。本当にありがとうございました。