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分子の振動モードの群論に関する質問
分子の振動モードの対称性を表すのに Σg1やXu1といった記号が用いられるのですが、これはどういうルールでつけられているのでしょうか? 分子の対称性を表すのにはマリケンの記号、結晶にはシェーンフリース記号などがありますが、分子の振動モードは何の分類になるのでしょうか?
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質問者様が、これは群論に関するものだと了解されているようなので 多少はしょってお答えいたします。 分子の振動モードの対象性を表すのは、その振動が属する 既約表現できまります。 分子分光に関する本や http://www.hl.pc.uec.ac.jp/hays/lectures/bussei/symmetry.htm このページの最後の節に少し書いてあります。 たとえばご質問にありました Σg1は対称性の高い直線分子や等核二原子分子が属します D_∞hという点群に見られる既約表現ですが この既約表現はこの点群に属している対称操作に対して すべて不変(対称)である振動ということになります。 ただ、Xu1という既約表現はこれまで見たことがなく、何か 勘違いをなさっているのか、もしくは私の知らない対称群を最近は つかうようになったのか・・・ Xというのは電子基底状態を示すことがよくありますがその場合でも XA_1g といった形でその既約表現が後ろについてくるとおもいます。 既約表現の記号のつけ方についてですがいくらか例をあげておきます Σ、Π、Δは直線分子や二原子分子が属しますC∞の対称軸をもつ分子に もちいられて、Σ、Π、Δの順に次元が1,2,3となります 点対称を持つ群で回転操作(i)に対して不変なものはg 符合が変わる(反対称)ものがuとなります C∞軸をもたない分子では 分子軸(主軸)に対する操作が対称ならばA 分子軸に対する操作に対して符号が変わればB クラスがあがっていくと、E(次元2)、T(次元3)、G、Hと なります。 さらに類似形をくべつするときにはA1、A2のように数字が打たれます。 一度、指標表を眺めて見るとわかってくると思います。