- ベストアンサー
植林の不思議を教えて下さい
山林保有者に聞いたのですが、「山の上部には広葉樹、下部には針葉樹がいい。広葉樹の葉、枝、コッパが肥料になって、山林の土がよくなり、地すべりなどの山の災害がすくなくなる。」と。これってほんとうでしょうか?針葉樹って植林で山の上まで植えることありませんか?本当なら、その原理も教えて下さい。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「山の上部には広葉樹...」という内容は正しいですが。解釈を間違ってはなりません。 「山の上部は、伐採しないで、広葉樹林のままにしておく」と表現すれば、分かり易いでしょう。もちろん、現状が針葉樹であれば、針葉樹のままということです。林業(木材生産)は、定期的な伐採が必要です。伐採後の一定期間に生じるかもしれない様々なリスクを避けるため、山頂部、急傾斜地には手をつけない、ということでしょう。 終戦後、日本の各地に「はげ山」がたくさんできました。そこに植林したのは主に針葉樹(マツ)です。しかも、「山の上部から植えた」はずです。これは、災害を防ぐことが一番の目的だったからです。(参考URL) 昭和30年代になると、スギやヒノキが競って植えられました。これは、家を建てるための木材需要に応えるのが目的です。このとき、すでに広葉樹の森林であった場所を伐採して、針葉樹へ植え替えるということも行われました(拡大造林)。この時代には、尾根の上部の広葉樹林を残すのが普通で、残された森林は、「保護樹帯」と呼ばれています。 現在では、「山の上部」に植林をする必要性がほとんどありません。土壌条件に合った針葉樹を伐採して、広葉樹に植え替えるのは愚の骨頂と思います。
その他の回答 (1)
- ooyatyako
- ベストアンサー率34% (23/67)
本当です。山はそもそも傾斜地ですから、山頂に近いほど土壌は少なく痩せています。広葉樹は針葉樹の10倍もの根張りだそうですから、土壌の保全、水源の涵養にはもってこいです。スギは谷沿いから山腹までの肥沃地に、ヒノキはその上、広葉樹は8合目以上というのが理想でしょうか。少なくとも戦前までの林業はそれを基本にやってきたはずです。 ところが戦後の林業は針葉樹偏重主義で、山頂までスギ・ヒノキで覆われるという状況が最近まで続きました。このころの植林は針葉樹一触です。 近年は広葉樹の果たす役目が見直されつつありますが、林業界の不況、山林家の高齢化などにより、広葉樹への更新はなかなか進まないのが現状です。
お礼
ありがとうございます。大変参考になりました。
お礼
ありがとうございました。一度きり聞いたことだったので、うる覚えのところがあったのですが、鮮明に思い出しました。