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特段の約束なき場合の債務とは?
- 特段の約束なき場合においても債務は発生するのでしょうか?
- 親友同士でのバーベキュー中に起きた事故の場合、債務が発生する可能性はあるのでしょうか。
- 特段の注意や約束がなくても、責任を負うべき場合があるのかを考えてみました。
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特段の約束がない場合に債権債務関係が発生するものとして,民法は,事務管理・不当利得・不法行為の3つを規定しています。 事務管理というのは,本来他人が自分でやるべきことを,約束なしに(頼まれもしないで)引き受けてやった場合の後始末をどうするかというものです。 不当利得は,法律上の原因がなくて(取引をしていないのに),ある人が損をし,その分他の人が得をした場合の後始末をどうするかというものです。 不法行為は,ある人が他の人に違法な行為をして損害を与えた場合に後始末をどうするかというものです。 質問の場合を考えてみましょう。 親友のAとBが家族を入れて川沿いでバーベキューをしているという場合には,普通はお互いの子供の面倒をみるという暗黙の約束があると考えられます。約束には,明示のものと黙示のものがあります。黙示の約束(契約)とは,口に出して言わなくても,お互いに了解し合って,こういうときにはこうするということの約束ができていることをいいます。そうすると,一方的に子供を頼んで行ったとしても,何の約束もないということはできないと思われます。 黙示でも約束があれば,子供の面倒をみなければならない義務が発生します。この義務を怠って,子供が事故に遭えば,債務不履行又は不法行為による損害賠償義務が発生することになります。 こういう約束が何にもない場合を考えてみます。隣のパーティの子供が紛れ込んできたというような場合です。このような場合には,その子供の面倒をみることは,事務管理に当たります。そうすると,一旦面倒を見始めた以上は,本当の親が来て引き取っていくまで,面倒を見続けなければならないことになります(民法700条)。 この場合には,自分の子供の面倒をみるよりも丁寧に,すなわち,他人の子供を頼まれて預かったときと同じだけの注意をしなければならないとされています。この注意を怠って子供がけがをしたりした場合には,やはり債務不履行又は不法行為による損害賠償の義務が生じます。 この場合には,子供の面倒をみるために要した費用は返してもらうことができます(民法702条)。
お礼
ありがとうございました。 大変勉強になりました。