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ラクトン環
ラクトン環の大きさについて質問させていただきます。 5員環ラクトンと6員環ラクトンでは 5員環ラクトンのほうが、立体電子的要因により できやすい (例えば、ハロラクトン化で、オレフィンが 2つあり、5員環、6員環ができうる場合など) とあるのですが、立体電子的な要因とは何なのでしょうか? 参考書などもありましたら、お願いします。
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添付図に書きました様に、化合物Aのハロラクトン化の場合に化合物Bか化合物Cに成るかという事ですね。 一般的に環の形成の容易さは、 5>6>3>7>4>8~10 となります。 その理由を考える場合に 1:環のひずみ 2:反応する原子同士の距離 を考えてみます。 5,6員環の場合は、環のひずみはどちらも小さく安定ですが、幾分6員環形成の場合に反応点の距離が離れている。その結果5員環のほうが形成しやすくなるわけです。 また、3員環は形成し難いと考えますが、環のひずみよりも反応点の距離が近いために環のひずみによる不安定さを埋め合わせが出来ると考えられます。 そこで、この「反応の距離」を考える場合の有効なのが「立体電子効果」というわけです。すなわち、HOMO, LUMOの重なりが大きくなる様な立体を考えるわけです。 #2のかたのお勧めの本は、私の友人が訳していますので一読の価値があります。
立体電子効果を議論するのであれば熱力学的な問題ではなく速度論の問題ですね。 おおざっぱに言えば、反応に関与する軌道(HOMO,LUMO)の方向性やサイズに基づいた議論をします。 ただ、分子軌道に関する議論は少々取っ付きにくいかもしれません。 ぴったりの内容かどうかはわかりませんが、化学同人の『立体電子効果―三次元の有機電子論』A.J. カービー(著)A.J. Kirby(原著)鈴木 啓介(翻訳)あたりがいいんじゃないでしょうかね。
補足
このラクトン環の大きさについて 立体電子効果から 説明できるのでしょうか? 有機化学初心者なもので、質問ばかりですみません。
>立体電子的な要因 そんなものが無くても五員環の方が熱力学的に有利です。 >オレフィンが2つあり なんてなったら、五員環ではありえないですよ。(笑) だってオレフィン炭素だけで四つそれにカルボニルと酸素が無ければならないのですから。 立体電子的というのは、立体的にsp3炭素は結合角が109.5度で自由に回転できますが、sp2炭素は120度で必ず二つは平面内に縛られます、というようなこと。
補足
回答ありがとうございます。 >そんなものが無くても五員環の方が熱力学的に有利です 一般的に 5員環のほうが熱力学的に有利なんですか? シクロヘキサンとシクロペンタンでも 5員環のほうが有利 なんでしょうか? それとも シクロヘキサノンとシクロペンタノンなど sp2炭素がある場合なのでしょうか? 説明不足ですみません。 化合物内に 反応しうるオレフィンが2か所あって、 それぞれが反応すると、5員環と6員環ができる場合という意味でした。
お礼
ご親切に、画像まで使って説明してもらい ありがとうございました。 大変わかりやすい解説ありがとうございました。 また、何かありましたら、よろしくお願いします。