そうですね。理解の上では粗利の合計でもいいと思いますが、例外もたくさんあるので、そう断言しちゃってる説明書はないと思いますね。たとえば実際のGDPでは、利益なんてでないはずの政府の生産活動が50兆円(構成比で約10%)くらい含まれています。ですので、GDPの基本の理解として、「売上の合計じゃないんだよ」というのがポイントですね。
質問例を使うと、国内で出来上がったのは結局200万の車だけですよね。なのに車の販売までの過程に出てくる工場やディーラーの売上を単純に加算すると430万になってしまいます。これだと取引回数の多いものほどGDPが高くなってしまうので、中間投入(仕入相当)はそれぞれ引きましょうというのがGDPですね。
話がそれるかもしれませんが、少し補足しておきます。中間投入は、中間需要ともよばれるのに対して、出来上がった車は最終需要とよばれます。GDPは付加価値の合計であると同時に、最終需要の合計でもあります。前者の計算は質問例を使うと100+30+70=200ですが、後者の計算では、出来上がった車200万がそのままGDPだと言っていいわけです。前者が生産面のGDP、後者が支出面のGDPといって、2つのGDPは必ず一致するという原則があります(三面等価の原則といいます)。ちなみに3か月ごとに公表される日本のGDP速報は、後者の数字です。GDPが付加価値の合計ですよ売上じゃないですよというのは、その後に続くGDPの説明、特に三面等価の理解へとつながっていくための大事な部分なんですね。
ですので、企業の粗利の合計がGDPかというと、次のステップへ進むのに十分な理解だとはいえるんですが、GDPを公表している内閣府がそのように計算しているかといえば、ちょっと違うということになります。
お礼
了解しました。ありがとうございました。