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トランジスタの温度上昇によるIcの増加

自己バイアス回路は温度が上昇するとIcが増加するのを抑制するというのがあるのですが、何故温度が上昇するとIcが増加するのでしょうか? 本やインターネットで検索してみたのですが、Icの中のコレクタ遮断電流が増加するからIcが増えると書いてあるだけで何故そのコレクタ遮断電流が増えるのかが書かれてませんでした>< わかる人いたらお願いしますm(_ _)m

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  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.2

温度が上昇すると Ic が増えるのは、主に以下の2つの原因によるものです。   (1) 温度上昇によってベース電圧 Vb が低下 → ベース電流 Ib が増加 → Ic が増加   (2) コレクタ遮断電流 Ico が増加 → ベース電流 Ib が増加 → Ic が増加 ANo.1さんのように半導体自身の電気抵抗も温度上昇によって低下しますが、トランジスタは通常、活性領域で動作しているので、コレクタ-エミッタ間は非常に高抵抗( ∂Vce/∂Ic が大きい)になっています。つまりコレクタ-エミッタ間は、半導体でできた単なる抵抗素子ではなく、電圧を変えても流れる電流がほとんど変化しない定電流動作をしています。もちろんコレクタ-エミッタ間の等価的な抵抗(定電流源の内部抵抗)は温度上昇によって小さくなりますが、それよりも、温度上昇によってベース-エミッタ間に流れる電流が増加し、それに伴ってコレクタ電流 Ic が増加する割合のほうがはるかに大きいです。 固定バイアスでのトランジスタ回路は以下のような等価回路で表わされます。                            Vcc(電源電圧)          ┌────────────┤          │                  Rc          Rb         ← Ico     │          │        ┌──────┤ Vc(コレクタ電圧)       Vb │  Ib →   ▲ ダイオード1  │ (ベース電圧)└─────┤         ○ 電流源(内部抵抗大)             Ib + Ico↓ ▼ ダイオード2  │↓ Ic = β*( Ib + Ico )                   └──────┤                              │                             Ve(エミッタ電圧) = 0V ベース-コレクタ間のダイオード1は逆バイアス(Vb < Vc )になっているので、ここにはほとんど電流は流れませんが、飽和電流と呼ばれるリーク電流 Ico がわずかに流れています。Ico は温度が上昇すると大きくなります。一方、ベース-エミッタ間のダイオード2は順バイアス(Vb > Ve )になっていますが、ここを流れる電流は、ベース電圧 Vb で決まる電流(順バイアスされたダイオードの電圧-電流特性に従う)だけでなく、コレクタからベースに漏れてきたリーク電流 Ico を加えたもの( Ib + Ico ) になります。温度が上昇するとベース-エミッタ間の電圧が低下するので、ベース電圧 Vb が低下します。ベース電流 Ib は抵抗 Rb に流れる電流に等しいので、Vb が低下するとベース電流 Ib = ( Vcc - Vb )/Rb が増加します。 つまり、温度が上昇すると、Ib も Ico も増加するので、ダイオード2に流れる電流 Ib + Ico は増加します。コレクタ電流 Ic はダイオード2に流れる電流をβ倍(βは電流増幅率)したものなので、最終的に Ic が増加することになります。温度上昇によって Ic が増加するという現象は、固定バイアス回路だけでなく他のバイアス回路でも起こりますが、固定バイアス回路では、温度変化に対する Ic の変化が他に方式よりも大きいという特徴があります。 ご質問の主旨は「なぜコレクタ遮断電流が増えるのか」ということだと思いますが、大雑把に言うと、半導体の中に、自由に動くことができる電子や正孔が増えてくるため(ANo.1さんの説明に近い現象)ですが、ちゃんと理解するには半導体物理の知識が必要です。Ib の温度変化も半導体物理で説明できますが、そのような説明をお望みですか?

perusona1
質問者

お礼

図まで描いてご丁寧に説明ありがとうございます。 半導体物理の説明まではいいです。 お陰さまでよくわかりました。ありがとうございますm(_ _)m

その他の回答 (1)

  • ORUKA1951
  • ベストアンサー率45% (5062/11036)
回答No.1

半導体は、電荷を運ぶキャリヤが温度が上昇すると増えるからです。  実は、導体と半導体の根本的な違いは、電気抵抗ではなくて、この温度に対する変化が逆なことなのです。  金属などの導体は温度が上昇すると格子の振動が増えて電気抵抗は増大するのですが、半導体は逆  くわしくは、 半導体 - Wikipedia ( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E5%B0%8E%E4%BD%93 )  の下の「温度の影響」

perusona1
質問者

お礼

トランジスタやダイオードで探してましたが、半導体とは盲点でした。 お陰さまでよくわかりました。ありがとうございますm(_ _)m

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