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キリンの首は何故長い?
キリンの首は何故長くなったのでしょうか? 進化論では、首が長い方が生存に有利なため、生き延びたというような説明があったように思いますが、もし、そうなら、何故すべての動物の首が長くならないのでしょうか?
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Jagar39です。 >「他の個体には届かない高さの葉を食べることができる」と、何故、他の個体より生存に有利なのでしょうか? >一つ考えられる回答は、「他の個体が届くような低いところには葉がなかった」ということになると思いますが 低いところにも葉はあったでしょう。 ですが、高い葉に届くことによって、首が長い個体は短い個体より食糧の選択肢が増えるわけです。ある1本の木に2頭の個体が葉を食べに来たとして、低いところの葉を食べ尽くしたら、首が短い個体は次の木を探しに行かなければならないのに、首が長い個体はまだ食事を続けることができるわけです。 また、短い個体が食べ尽くした後の木に首の短い個体がやってきても、その個体は食事ができず虚しく別の木を探しに行かねばならないのに、首が長い個体はまだ食べ残し(高いところの葉)を食べることができるわけです。 アフリカのサバンナですから、木は森林を形成するほどたくさんありません。その中で高いところの葉を食べることができるのは、かなり有利だったでしょう。 「他の動物種」はNo.6で説明したように、草原の草を食べたり水辺の藻を食べたりする「生き方(ニッチ)」を選んだわけです。サバンナに疎らに生えている木の葉を食べるなどというニッチは複数の種がそこで生きることができるほど豊富にはなかったわけですから、いくつかの種で争いがあったとしても、キリンが勝ち残って他の種は滅びたわけです。 この3の「生存に有利」というのは、進化の上では別に圧倒的に有利である必要はないです。ほんの少しでも有利であれば、その遺伝子は長い世代数を経て定着していく可能性があります。 私はNo.6で「長い世代数で比較すると平均して繁殖率が高く」と書きましたが、この"長い世代数"と"平均して"という言葉は進化論のキーワードと言って良いほど基本的な概念です。 同時代には首の短い個体もどんどん繁殖して子孫を残しています。 生存に有利不利を決める遺伝子は別に首の長さだけではないですから、首の短い個体も他に有利な遺伝子を持っていれば栄えることができるわけです。 ですが、首が長い個体は栄養状態が少し良くなるため、首が短い個体より1世代あたりで平均すると0.1頭ほど残す子孫の数が多かったと仮定してみます。 それが1000世代を経るとどれだけの数の差になっているか、ということです。 この遺伝子が集団の中で数を増やすに従って、他の生存に有利な遺伝子と出会う(同一の個体の中に入る)こともあるでしょう。するとその個体はますます有利になって多くの子孫を残せるようになります。すると結果的に「首が長い遺伝子」が集団内で拡大する速度も増すわけです。 私も「他の動物種は異なるニッチを"選択"」というような、あたかも種が何らかの意志を持って進化しているような書き方をすることがあります。 でも、「突然変異はランダム」、「自然選択には方向性がある」という進化論の基本をしっかり理解したなら、進化には積極的にも消極的にも如何なる「意志」は介在せず、単に適応したモノが生き残ってきた結果だという大原則は納得できると思います。 しかもこの適応には「長期的見通し」すらないわけです。 「今は不利だけど、100万年後に地球が寒冷化した時には有利になるはず」というような進化はあり得ません。その時に不利であれば滅びるだけです。
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- otx
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進化は結果論だと思います。 現在、首の長いキリンがいるという事実だけが真実であり、 何故そうなったのか?という理由はある意味何とでも言えます。 >「キリンの首が長くなる」のには、必ず「自然淘汰の原理が働いているはずだ」という先入観がまずあって、そこから、逆推論している可能性があるのではないかと疑ってしまうからです。 それも1つの考え方であると思います。逆に、こうであるはずだと決めつけて論じる方が私には不自然であると思います。 >サバンナでは、実は、首が長くても、短くても、どっちであっても、十分生存し続けることができたのではないでしょうか? 私もそう思います。別にキリンの首が長くなくても良かったかもしれません。難しいことなんて全くなくて、単に長くなっただけ、たまたまかもしれません。 しかし、結果としてキリンの首は長い訳ですから、何かしらの理由があると考えて、それに対する理論を展開してもいいと思います。 正解は「キリンの首は長くなった」ですが、その答えを導きだす理由に正解を出すことは今はまだできないのですから。
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ご回答ありがとうございました。
No4ですが、進化というのは消極的なものだと思います。原則としてしかたがないのでそうなったというようなものではないでしょうか。振り返ってみると英断とか先見の明などの形容が適切のように見えるような例でもよく調べてみると渋々適応した結果ですべて説明できるのではないかと思います。これは結果論で成功者の電気によく見られることと同じではないでしょうか。
進化論の基本的な考え方は、「突然変異」と「自然選択」です。で、重要なことは自然選択には方向性があるが、突然変異には方向性がなくランダムである、ということです。 それをキリンの首で考えると、だいたい以下のようになるのではないかと。 1.首が短いキリンの原種集団がいた。 2.その集団の中で起きる突然変異はランダムなので、当然首が"少し"長くなるものも短くなるものも出現した。 3.首が少し長く変異した個体は、他の個体には届かない高さの葉を食べることができたので、他の個体より生存に有利だった。 4.従って、首の長い個体は首の短い個体より、長い世代数で比較すると平均して繁殖成功率が高く、多くの子孫を残した。 5.十分な世代数が経過すると、"少し首の長い遺伝子"は、その集団に定着し、従って原種集団全体の首が少し長くなった。 6.その原種集団バージョン2の集団内で、さらに首がまた少し長くなる変異が出現すると、同じ理由で選択され、長い世代数を経て集団に定着し、以下それを繰り返してキリンの首は現在の長さになった。 で、「首の長さ」は端的に言うと1つ1つの頸椎の長さです。頸椎の数自体はキリンに限らず、ほとんどのほ乳類で7つと同じですから、人の首も馬の首もキリンの首も、首の長さは頸椎の長さで決まっているわけです。 もちろん首が長ければ筋肉や血管もされに応じた長さが必要になるわけですが、それらは後天的にでもどうにでもなるのでここでは問題になりません。 心臓の強さも、首が短い集団では「強い心臓」はさほど有利にはなりません。むしろ血圧が高くなるだけ不利になる場合が多いでしょう。 首が伸びている集団内でこそ、強心臓遺伝子の変異は選択されるわけですし、心臓が強くならないと首もそれ以上長くなれないわけです。 つまり、心臓がノーマルのままの集団内では、ある程度以上首が長くなると頭に血を送れなくなるので「不利」になり、淘汰されてしまうわけですが、心臓が強い遺伝子があると首もまたもう少し伸びることができるわけです。 そうやって強い心臓(だけではないのですが)の遺伝子と長い首の遺伝子は、協調して進化してきたのでしょう。 そのキリンの中間的な長さの首を持った中間種が化石で発見されないことが、このオーソドックスな進化論に対する反証であると言う人達もいます。「反進化論」説が出てくるときは、たいていこのキリンの首をやり玉に挙げています。 で、進化論側は断続平衡説(これも出てきたときは反進化論的な売り込み方をしたのですが)や中立説等で進化論を補強しつつ現在に至っているわけです。 キリンの中間種が見つからないことの謎は現在でも解明されているとはいえない状況なのですが(でもそもそも生物が"化石で残る"こと自体がよほどの僥倖に恵まれないといけないことなので、"化石がない"ことは反証としては強力ではないと思うのですが)、まあいろいろな説明はできる、ということです。 断続平衡説の提唱者の1人であるグールドが「キリンの首」という本を書いています。早川文庫で出ていますので、興味がありましたら読んでみて下さい。 断続平衡説はすごくかいつまんで言うと「進化の速度は常に一定ではなく、早く進む時期と停滞する時期がある」ということで、つまりキリンの首は非常に早い速度で長くなったので中間種が見つからないのだ、という理屈です。早いといっても普通だと数十から数百万年かかるところを数万年、みたいな程度ですが。 ちなみに断続平衡説と紛らわしいのに「跳躍説」があります。 これはもっと早く、たとえばたった1世代でキリンの首が今の長さになった、というような説です。まあ普通に考えれば、キリンの原種の子宮でキリンの子が育つわけもなく、仮に育ったところで無事出産ができるわけもないので、この手の跳躍説は根本的に無理があり、現在のところきちんと「科学」として議論の対象になっているものはありません。 この「跳躍」のメカニズムでいろいろバリエーションはあるのですが、メジャーなのは「ウイルス進化論」ですか。つまりキリンはウイルス感染によって突然首が長くなった、というものです。 これは提唱者が日本人ということもあり、日本では一般向けの本も出版されているので、「まともな学説」と誤解しておられる方も多いですが、実はきちんとした論文も出ておらず、学問の世界ではまだ「議論の対象にすらなっていない」説です。根本的な弱点がある(それも複数)ので、論文が出ることもなさそうですし。 跳躍説の否定は、ドーキンスが「盲目の時計職人」という本の中で丁寧に、木っ端微塵に解説しています。 というわけで、キリンの首が長くなった理由は、まあ大筋のところは理解して頂けたと思います。 で、次の「ではなぜ他の動物の首は長くならなかったのか?」という疑問です。 これは割と単純な話で、キリンはアフリカのサバンナで木の葉を食べているのですが、サバンナには多くの生物がいますが、どれもみな「生き方」は違うわけです。地面の草を食べる動物、大型で動きが鈍い動物を好んで補食する動物、敏捷で足の速い動物を狩る動物、みな少しずつ「生き方」が違って、まったく同じという動物はほとんどいません。 この「生き方」を「ニッチ」といいます。直訳すれば「隙間」ですが生物学(生態学)では「生態的地位」と訳します。 で、基本的には「同一の生息域では、1つのニッチには1種の動物しか生息できない」という原則があります。1つのニッチに複数種の動物が存在すると競争が起き、破れた方は消える、というわけです。 これは最近の日本でも外来種に在来種が駆逐される例は数多くありますから、素直に納得できると思います。 つまりキリンのような「高い木の葉を食べる」ニッチには、キリンしか生息できないわけです。後から「首が長くなる」方向に進化した動物が仮にいたとしても、それらは先行種のキリンの方が圧倒的に有利ですから(先行したキリンの方が首が長いから)、全て駆逐されて消えてしまったのでしょう。 というような理屈で、私自身はおおむね納得しています。
補足
ご回答ありがとうございました。 進化のステップの3について、お聞きしたいことがあります。 3.首が少し長く変異した個体は、他の個体には届かない高さの葉を食べることができたので、他の個体より生存に有利だった。 <質問> 「他の個体には届かない高さの葉を食べることができる」と、何故、他の個体より生存に有利なのでしょうか? 一つ考えられる回答は、「他の個体が届くような低いところには葉がなかった」ということになると思いますが、もし、そうだとすると、同じ地域に住んでいた葉を食べる他の動物も全て、首が長くならないと生き延びることはできなかったのではないでしょうか?
- debukuro
- ベストアンサー率19% (3634/18947)
長い方が生存に有利だとは限りません ああいう環境では有利に働いたから生き残ったのであって密林地帯にいたものは絶滅したのかもしれませんね >進化論では、首が長い方が生存に有利なため、生き延びたというような説明があったように ダーウインはそのようなことは言っておりません むしろ世間で言われている進化の概念には反対しています 詳しくは「種の起源」をお読みください
補足
ご回答ありがとうございました。 (1)と(2)の違いがよくわかりませんでした。 (1)「首が長い方が生存に有利」 (2)「ああいう環境では有利に働いたから生き残った」 もし、「環境」を問題にする点が違いであるということでしたら、キリンだけが、首が長い方が有利なような環境に、”何万年?”もの長い間変わることなく居続けたということでしょうか?そのような安定した環境が地球上にあるのでしょうか?
ことの発端はなぜか首が長くなったのではないでしょうか。骨が成長しやすくなったというのでしょうか。キリンは首だけでなく足も長いです。このこと自体は別にすぐれた特質でもないと思います。しかしそのような特質で環境の中で生きていくと、やはりあるところまでは背が高いということが有利なような生き方を選ばざるを得なかったということではないでしょうか。それにしてもキリンは脳に十分血液を送るために非常に高い血圧だそうです。丈夫な心臓が必要でしょうが、このことが草原を走ることにも関係してくるだろうと思います。首が長いことが有利であるということはないのだろうと思います。やむなくこうなっているということではないでしょうか。
補足
ということは、キリンは特に理由なく、首や足が長くなり、強い心臓を持つようになった。そして、そのことが特に生存を危うくするほどのことでもなかったので、そのまま生き残ったということでしょうか?
- akitten
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>首が長い方が生存に有利 というのは、状況によると思います。 例えば、食べることのできる植物が少なくなったとき、 どうしたら生き延びることができるでしょう? 単純に植物の豊富な地域に移動したり、植物以外から栄養を得たり、いろんな戦略があると思います。 背の高い木の葉っぱや芽を食べる他の動物がいなければ、それらを食べるためキリンのように「首を長くする」ことも1つの戦略です。 また、サバンナのような見晴らしの良い地形で生きるキリンたちにとって、「首を長くする」ことは遠くの敵をいち早く発見し、逃げることにも役立つかも知れません。 こういった状況の中では「生存に有利」なのでしょう。 しかしキリンは高血圧だってことは聞いたことがありますか? 心臓から2m以上離れた脳へ血液を送り出すのに、キリンは人間の2倍の血圧が必要なのだそうで。 これだけ高い血圧では心臓にも血管にもものすごい負担がかかってしまいます。 だから、「すべての動物」がみんな首を長くすることはないのでしょう。 キリンに限って言えば、高血圧というデメリットをこうむっても、補って余りあるメリット(餌の確保と危険からの回避など)があったため、「首を長く」したのかも知れませんね。
補足
ご回答ありがとうございました。 確かに状況によって戦略的に有利ということはわかりますが、戦略的に有利なら、首が勝手に伸びるのでしょうか? 「何故、キリンの首が長くなったのか」が今ひとつよくわかりません。
- Mumin-mama
- ベストアンサー率45% (1140/2503)
http://www.geocities.jp/naiv31/usinonakamapage.html キリンは牛の仲間です。 野生の牛は大きな群れをつくって、敵が来れば角で対抗したりします。また、キリンと野生の牛の群れが居ればキリンの餌の分の草は残っていない。キリンが好んで食べるアカシアの木の葉ですが、アカシアにはトゲがあって、キリンか象しか餌にしません。また、アカシアの木自身、葉を食べられると隣のアカシアの木がキリンが嫌う「ガス」を出すそうです。 また、キリンは気が小さくて、1日の睡眠時間が20分程度と聞いたことがあります。首の長いお陰で遠くに居る猛獣を発見しやすいですしね。 オスは繁殖期になると首を使ってメスを巡って争います。 もし、すべての動物の首が長くなっていたら、餌が足りなくなります。 「進化」はあらゆる環境や天敵から身を守るため、また、それぞれの餌をとり易く、飢餓しないためにあるものではないでしょうか。
補足
ご回答ありがとうございます。 結論として、キリンの首は何故長くなったのでしょうか? その方が便利だからでしょうか? でも、その方が便利だからと言って、都合よく首が伸びるものでしょうか?今ひとつよくわかりませんでした。
- zorro
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キリンの好物が高いところにあったので食べやすいように・・・・・・・・?????
補足
ご回答ありがとうございました。 すみません。ちょっと意地悪な質問なのですが、 「サバンナは、実は低い木がたくさんあって、そこに住んでいる葉を食べる動物を十分養うことができた。」というこ とは「あり得ない」という何らかの根拠はあるのでしょうか? 何故、このような意地悪な質問をするかと言うと、「キリンの首が長くなる」のには、必ず「自然淘汰の原理が働いているはずだ」という先入観がまずあって、そこから、逆推論している可能性があるのではないかと疑ってしまうからです。 すなわち、サバンナでは、実は、首が長くても、短くても、どっちであっても、十分生存し続けることができたのではないでしょうか? また、現在のサバンナというのは、何百万年の間、サバンナだったのでしょうか? 何百万年もの間、同じ環境(すなわち、首が長いほうが有利な環境)を維持し続けたという証拠はあるのでしょうか?