マクロに見ると、
a)将来の見通しが暗いので、お金を使うのではなく貯金する人が増える
b)それにより物が売れないから、企業は生産を抑制する。
c)企業は生産を抑制しているから、新たな投資は必要ないので資金需要はない
d)資金需要がないので金利は低下する
e)金利に連動している預金の利率も低下する
f)cと同時に企業は従業員への給与を抑制、首切りする
g)fのためにますまず将来の不安から預金する。
という悪循環ですね。
本当は、bで物が売れないために物価は低下し、物価の低下とeの預金利率低下で消費意欲が生まれて物が売れ出すと、経済は回復します。
同時に金利も再度上昇するでしょう。
でも、不安があるのでお金を使おうとはしないから連鎖を断ち切れない。
あるいは、dから企業が安く資金を調達できるので、再度設備投資など生産力増大、従業員雇用を目指すと、f,gのスパイラルが断ち切られて再度経済は回復し、金利も上昇します。
でも増強しても売れなかったら困るから連鎖を断ち切れない。
ということですくみあっている状況です。
物価が下がるデフレでは、今買うよりも少し待って買うほうが安く替えますので、みな預金に走ります。
しかし資金の需要は物が売れないからますます低下して、金利は限りなく低くなる。
ということですね。
あともうひとつ重要なことは、銀行は既に大量の不良資産を抱えています。
これは担保の土地の価値低下や、不景気による企業の株価が低いためにますます膨れています。
そうすると、銀行は危険な融資を出来なくなりますので(これ以上不良資産が増えると自分が持たないから安全な投資しか出来ない)、資金需要の盛んな中小企業や新顔のベンチャー企業への投資は*金利をその相手にどんなに高くすることが出来ても*進みません。
でも銀行にとって安全な融資先は少ないからそのパイの奪い合いになり、金利は低いままとなります。
もし不良債権がなければ、高めの金利で大量にその融資を引き受けることができ(不良債権が発生しても優良債権で回収できるので損にはならない)、生産に資金が回り、そこで人が雇用され、物が売れデフレスパイラルが解消します。
これがいわゆる不良債権問題で、日本経済が景気低迷の連鎖を断ち切れない理由の一つがこれであるといわれています。
では。
お礼
低金利政策だけではなく、お金を借りる人が少ないということもあるのですね。回答どうもありがとうございました。