ヒル反応におけるシュウ酸鉄(Ⅲ)のはたらきについて
高校生物の光合成で、ヒル反応について学習しました。
自分でも調べたのですがよくわからず、お聞きしたいことが2つあります。
ひとつは、
・葉をすりつぶした懸濁液に光を照射しても酸素が発生しない
この理由について、
① 本来ならばNADP+が水素イオンと電子を受け取ってNADPHとなり、NADPHはカルビンベンソン回路でNADP+に戻るが、CO2の供給がないことでカルビン・ベンソン回路が回らず、NADPH→NADP+の反応が起こらないことから、水素と電子の受け取り手がいなくなり「葉をすりつぶした懸濁液をそのまま使ったら酸素が発生しない」
と説明しているものと、
② 葉をすりつぶしたことによって光化学系ⅠからNADP+に電子を渡すために必要なタンパク質がはたらかなくなってしまう。この状態では光合成の電子伝達が光化学系Ⅰで止まることで光化学系Ⅱの反応も進まなくなるので、「葉をすりつぶした懸濁液をそのまま使ったら酸素が発生しない」
と説明しているものが調べると出てきました。
①と②は酸素が発生しない理由の説明としてかなり違うと思うのですが、どちらが正しいのでしょうか。
また、②の説明である「電子を渡すために必要なタンパク質」とは具体的に何のことなのでしょうか(②の説明は北海道大学の2016年後期の問題文の説明で出てきたもので、これ以上は詳しく書かれていませんでした。問題文の該当箇所も添付しました)。
もうひとつは、
・葉をすりつぶした懸濁液をそのまま使ったら酸素が発生しないが、シュウ酸鉄(Ⅲ)を加えて光を照射すると酸素が発生する。
・本来であればNADP+が電子を受け取るが、この場合はシュウ酸鉄(Ⅲ)が電子を受け取る役割をしている。
とのことなのですが、このとき、水素イオンはどうなるのでしょうか。
NADP+は電子とともに水素イオンを受け取ってNADPHとなっていたかと思います。
シュウ酸鉄(Ⅲ)は電子を受け取って価数が+3→+2になるのはわかるのですが、水素イオンはH+のまま蓄積し続けるのでしょうか。
そうすると、H+濃度が高くなりすぎることによる影響があるような気もするのですが、、そうはならないのでしょうか。