- 締切済み
ボーア理論における電子のエネルギー遷移について
量子力学についてまだまだかじった程度なのですが、入り始めのボーア理論のところでつまずいています。 ボーア理論において、基底状態(n=1)の電子を一つ上のエネルギー状態(n=2)に遷移させるには、その分のエネルギーを外部から与えれば良いとの話です。 たとえば、水素原子の基底状態の電子に10.2eVの光子をぶつけるとちょうど遷移分のエネルギーなどですが、11eVの光子をぶつけたとすると余分なエネルギー分0.8eVはどこへ行くのでしょうか。 また、ボーア理論からは離れてしまいますが、量子力学において原子の周りの電子は雲のような?状態であるため、光子は電子にピンポイントにぶつからずとも原子の一部にぶつかれば電子にエネルギーを与えることができる、という解釈で合っているでしょうか。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
多分私はご質問者以下の知識しか持ち合わせていないと思いますが、#1のお答えも#2のお答えも「不完全」だと思います。 非常にシンプルなボーアモデルですと、「完全に一致した」波長の「幅」として使用可能な運動は「並進運動」だけ、つまり原子状水素の「速度変化」だけしか「外れ」を許さない事になります。 多原子系、多電子系なら「状態の数」が多いので「緩和」が可能ですが、単核・単電子系(いわゆる水素類似原子)では吸収・発光の波長の幅は非常に狭く、それだからこそ宇宙における赤方変位を確実に測定できるのだと思います。
- leo-ultra
- ベストアンサー率45% (230/504)
極端に考えると、n=1状態からn=2状態への遷移は、そのエネルギー差にピッタリの光子が来なければ、遷移は起こらないはずです。 だから10.2eVの光は吸収されて遷移が起こりますが、11eVの光は吸収されなくて遷移は起こらないはずです。 でも実際には諸事情(終状態n=2が安定ではなく有限の寿命を持つ等)の効果があるため、10.2eVジャストじゃなくても吸収が起こります。 解釈は、n=2状態は厳密にn=1状態の10.2eV上にあるのではなく、有限寿命のために10.2eVを中心にぼやけていると考えるべきなのではないでしょうか? #1さんの解釈だと軌道電子が余分なエネルギーをもつということですが、軌道電子には余分なエネルギーを受け入れる自由度はないように思えます。例えば余分な運動エネルギーを持てば、軌道からはみ出してしまいます。
お礼
回答ありがとうございます。 確立として捕らえれば良いのだと思うのですが、 電子に11eVのエネルギーを与えてn=2に'遷移した'とすると、そのn=2はn=1の11eV上にあるので、n=1に戻ったとたん一気に11eVのエネルギーを放出するのでしょうか。 それとも、kt1965さんが回答してくださったようにまず0.8eV分を放出し、その後10.2eVのエネルギーを放出するのでしょうか。
- kt1965
- ベストアンサー率34% (116/339)
遷移領域を超えるエネルギーを与えると、その分は電子自身が吸収して、その後再放射が起こります。当然のことですが、「エネルギー保存則」によって当たり前の現象として生じます。 つまり遷移しても、元の位置に戻るため、そのときに放出されるわけです。もう少し精密に観測できたとして、思考実験をしてみれば分かるでしょう。10.2eVのエネルギーによって、基底状態にあった電子が別の確率軌道に遷移する。その後、再放射によって基底状態に戻る。 11.0eVのエネルギーによって、基底状態にあった電子が別の確率軌道に遷移すると、同時に電子自身が+0.8eVのエネルギーを持つ。そして、電子自身が、あたかも0.8eVのエネルギーを持っていたかのように、エネルギーを放出する。そして、10.2eVの放射によって基底状態に戻る。 詳しいところは、ファインマン・ダイアグラムという経路積分で計算してみれば分かると思いますが、そんなメカニズムになるはずです。 解釈のところは、ピンポイントというより、実験をしてみれば分かるのですが、そんな簡単なものではないのです。原子全体に与えられたエネルギーは、それぞれの原子核、電子軌道に等しく分配されます(統計力学上当たり前のことですが)。 ただし、あるエネルギー領域を超えると、等しく分配が行われなくなります。これを、自発的対称の乱れ(南部-小林-益川理論、数学ではカビボ行列)と呼んでいます。
お礼
正しく理解できているか分からないのですが、水素のスペクトル線にはない0.8eVの放射と、残りのライマン系列の放射が順に起こる、ということでいいのでしょうか。 言われてみれば、確かにエネルギーは等分されますね; 自発的対称の乱れ、ですか。これ以上難しくなると理解できないので用語だけ覚えておくことにします。 回答ありがとうございます。
お礼
おそらく電子にエネルギーを与えたときその速度に影響するということだと思うのですが、私の理解できる範囲を超えてしまっているようです。 もう少し知識を付けてから考え直してみようと思います。 回答ありがとうございました。