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唖然とした
ある人が書いた文章の事で表現が良くないのではないかと、話題になりました。 ヨーガの勉強会をして、招いた講師がすばらしいポーズを見せました。 それを見学した人が、感想文で「あまりにも体が柔らかいので、唖然とした」と書きました。 それを読んだ人が、 「唖然」は「開いた口がふさがらない」ということだが、悪いしぐさや表現を見て、開いた口がふさがらないときにいう表現だから、 講師の体操が上手なのに驚いたのだから不適切ではないかというのです。 私もそういうニュアンスを感じます。 念のために国語辞書を2冊ほど引いてみましたが、 ただ「開いた口が~」と言う事だけしか書いてありません。 やはり、この場合「唖然」は不適切と考えて間違いないのでしょうか。 ちなみに、彼の文章の「唖然とした」を「あっと驚いた」と変えたいと思っていますが。
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「唖然」・・・予想もしなかった事態に驚きあきれてものも言えないさま。 とありますので、おっしゃるように不適切です。 「驚嘆した」などがよろしいと思います。 ただ、「唖然」も「鳥肌」などと同様、今度、逆の意味で使われもするかもしれません。
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口をぽっかり開けた姿ではなくて「ああああ」と言葉にならない声がもれる様子から聾者の様子を連想しているだけではないですか? 聴覚障碍者は決して無声ではありません。最近「聾唖」を使わない傾向があるのにはそういう理由もあります。口もぽっかり開けていませんし。 「びっ こ びっ こ」「ちん ば ちん ば」という歩く音から歩行障碍を描写しているのと同じだと思います。(差別語ですが説明のためあえて引用しました) 「唖者」自体は差別語と言っていいと思いますが唖然が唖者の様子から来たと言うのは逆ではないかと思うしだいです。(唖然という言葉のできた時期を調べる必要があるとは思いますが) 差別賛成なのではなくて字義からいえばそういうことだと思うのです。 http://www.iu-net.co.jp/hi-yan/rouasya.htm
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ありがとうございました。
- shinsho4
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3,6番です。 夢野久作 人間レコード ================================ 支那人風の 巨漢 ( おおおとこ ) は【唖然】となっている相手の顔を見下して大笑した。 「アハハハ。モウ手配はチャントしてあるよ。君の手におえん位の奴ならモウ人間レコードにきまっとるからのう。ハハハ」 ================================ 夢野久作 名君忠之 ================================ 尾藤内記は【唖然】となった。長い顔を一層長くした。 玄翁 ( げんのう ) で打っても潰れそうにない淵老人の頑固 面 ( づら ) を凝視した。 二 「……これは 如何 ( いかが ) なこと……御老人までがその連れでは拙者、立つ瀬が御座らぬ。 ... ================================ 豊島与志雄 広場のベンチ ================================ 十内は【唖然】としたが、考えてみれば、不思議なことではなかった。なにか、自分一人が迂闊だったようである。 全く気が付かなかったのだ。日本再軍備を唱道する声さえ起っていたのである。警察予備隊とは軍隊の異名にすぎないらしくもあった。 ... ================================ モーパッサン 秋田滋訳 初雪 ================================ 良人は、自分の 邸 ( やしき ) に煖房を据えつけようなどと云う突飛な妻の言葉を聞くと、しばらくは【唖然】としていたが、やがて、胸も張り裂けよとばかり、からからと笑いだした。銀の器に食い物をいれて飼犬に食わせるほうが、彼には遥かに自然なことの ... ================================ 原民喜 夏の花 ================================ みんな、はじめ自分の家だけ爆撃されたものと思い込んで、外に出てみると、何処も一様にやられているのに 【唖然 ( あぜん )】 とした。それに、地上の家屋は崩壊していながら、爆弾らしい穴があいていないのも不思議であった。あれは、警戒警報が解除に ... ================================ 海野十三 流線 ================================ 間諜と大江山は 【唖然 ( あぜん )】 として、帆村の顔を穴の明くほど見詰めた。そして、 やがて、 「どうも君は意地が悪い。その方を早くいって呉れなくちゃ困るね。一体どこへ逃げたんだネ」 「さあ、私はまだ知らないんですが、間もなくハッキリ分りますよ」 ... ================================ 芥川龍之介 煙管 ================================ 三人は、【 唖然 ( あぜん )】 として、為す所を知らなかった。 七 河内山宗俊 ( こうちやまそうしゅん ) は、ほかの坊主共が先を争って、 斉広 ( なりひろ ) の銀の 煙管 ( きせる ) を貰いにゆくのを、 傍痛 ( かたわらいた ) く眺めていた。 ... ================================ 上の昔の小説に出ている「唖然」は、 「ビックリして、ぽっかり口をあけ、ものも言えない様子、ちょっと間の抜けた感じ」 という、辞書に出ている意味がピッタリ合う用法です。 そして、上の作者達は、唖という重度の障害を持った人々の様子をよく知っていましたので、それほど辞書と違ってはいません。 とにかく、昔のこのような人々に対する差別はひどく、教育も十分に受けられなかったために、軽侮の対象でした。 ところが今の若い人はこれを知らないわけです。 ですから、もとの意味から違った方向へ動くのも、しようがないことだろうと思います。 私は、このような言葉は使いたいとは思いません。
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ありがとうございました。
- mimiary
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「唖然」は驚き呆れてものも言えない様を表す言葉なので、否定的な意味で用いられるケースが圧倒的に多いと思います。 ご質問の文もbosorojin さんがおっしゃるように「大変驚いた」、「大変感心した」などとした方が誤解のない無難な表現だとは思います。特にくだけた文章でない場合はそうすべきでしょう。 しかし、その驚きや感心が尋常でなく、ありきたりの表現では足りないと語り手が感じた場合に、逆説的(肯定的)に「呆れた」、「唖然とした」などと表現する例はよくあります。 例えば、日経エコロミーに掲載されている山根一眞さん(ジャーナリスト・作家)の連載コラムの中に次のような文が見られます。 --------------------------------- 氷を入れたスチロールケースに魚の大きさ別に振り分けて入れていくが、 その猛然たる速度、手際のよさには唖然とするほどだった。 (現地ルポ・「海のエイリアン」エチゼンクラゲと格闘する漁師たち(上) より) http://eco.nikkei.co.jp/column/yamane_kazuma/article.aspx?id=MMECce003021112007&page=3 --------------------------------- このように、前後の文脈から否定的に言っているのでないことについて誤解が生じる虞がない場合は、不適切な表現とは言えません。 ただ、ここに書かれている「体の柔らかさ」が、実際に「唖然」と表現するほどの驚きや感心に値するかどうかは重要です。余りにバランス感覚を欠いた誇大表現である場合には、適切さに疑問が生じます。もっとも、感じ方というものは十人十色なので、「私は本当にそれくらいビックリしたんだ!」と言われれば、それを他人が否定するのもおかしな話だと思います。 なお、このような逆説的な表現は、例えば「腹が立つほど美味い」とか「癪に障るくらいカッコいい」など、他にも多々見られます。
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ありがとうございました。
- shinsho4
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3番です。 白川先生の「字統」で【唖】という字を引いてみました。 =============================== 笑う声や鳥の鳴き声など言葉にならぬものを言う擬声語。それで【瘂(ヤマイダレの中が亜)】に通じて用いる。 また、驚きのあまり声のないさまを唖然と言う。 =============================== 【瘂(ヤマイダレの中が亜)】という字は、 唖の疾、唖者を表します。 諸橋先生の大漢和辞典で【唖】という字を引いてみました。(以下抜粋) =============================== 1.笑う 2.笑う声 3.おし(話すことが大変不自由な重度の障害者のことです) 4.(1)小児のかたこと(2)音楽の音色(3)鳥の鳴く声(4) 5.(1)ああと驚いて発する声(2)鳥の声 =============================== 諸橋先生の大漢和辞典で【唖然】という漢語を引いてみました。(以下抜粋) =============================== 1.語る声 2.笑うさま 3.あっけにとられるさま。驚いてものも言えぬさま。 =============================== Goo辞書 大辞林 【唖】 =============================== 話しことばが重度に障害された状態。話しことばをまったく、あるいは、ほとんど発することができない状態をいう。 =============================== Goo辞書 大辞林 【唖然】 =============================== 予想もしなかった事態に驚きあきれてものも言えないさま。 「一同―として言葉も出ない」「余(あまり)の不意に拍子抜して、…―たるのみ/金色夜叉(紅葉)」 =============================== Goo辞書 大辞林 おし 0 【▼唖】 =============================== 話しことばを発することができない状態。また、その人。 →あ(唖) =============================== 日本で使われている「唖然」の意味はもうおわかりだろうと思います。 笑い声とか鳥の声ではありません(昔の中国にはありましたが)。 【ビックリして、ぽっかり口をあけ、ものも言えない様子】のことです。 「唖」という字は、昔「おし」と訓じられ、話すことができない重度の障害者のことを表していました。 ですから、「唖然」という言葉を使う人は、皆それが頭の中にありましたので、【ビックリして、ぽっかり口をあけ、ものも言えない様子】を表すのに使っていた人が多いわけです。 「唖」が鳥の声を表すなんて誰も知りません(^-^。 Goo辞書英和【dumb 】 =============================== ━━ a. 口のきけない (mute); ((普通叙述)) 無言の; 無口な; 音[声]を出さない; (仰天して,悲しくて)物も言えない; 〔話〕 ばかな; 【船】自力推進できない. strike … dumb あっと驚かす; 唖然(あぜん)とさせる. ━━ v. ((次の句で)) dumb down 〔話〕 (教科書などの文章内容を)易しく書き直す. dumb・bell (普通pl.) 亜鈴(あれい); 〔俗〕 まぬけ. 以下略 ================================ 洋の東西を問わず蔑視のキライがあることは否めません。 昔はdumb・bell(ダンベル)を唖鈴といっていました。鈴の形に似ていますが音が出ません。 「ビックリして、ぽっかり口をあけ、ものも言えない様子、ちょっと間の抜けた感じ」・・・こんなようなところを表すのに使った人が多かったと思います。 以上のようなことが「悪いしぐさや表現を見て・・・。」というやや誤解気味なお話にも影響していると思います。 わざわざ「害」を仮名に変えた「障がい者」という言葉が使われている時代です。おっしゃる通り、「唖然とした」を「あっと驚いた」や他の方の表現方法に変えたほうがいいでしょうね(^-^。
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ありがとうございました。
使用した辞書は「字源」「字統」です。 なお唖を音または口の形と解釈する理由ですが作りの亞の字が王の墓の形から来た字であって、その字義とは関係が無いと考えられるからです。
お礼
ありがとうございました。
唖然も鳥肌も比喩として考える事もできるし事実起こった生理現象と解釈することもできます。 むしろ比喩表現は生理現象を題材にして定型化した(型にはまった)表現ですよね? だから緊張や興奮のために素晴らしいものに接する体験をしたときに鳥肌が立ったり冷や汗が出たりする現象を率直にあらわす場合に使ってもいっこうにかまわないと思われます。 この質問例の唖然ですがこれは比喩的表現であって実際口を開けてみていたわけではないと思いますが間違った比喩とは思えません。 唖は辞書によると笑い声や鳴き声のように言葉にならない声とのことです。おそらくアと言う音の時の口の形や音をあらわしていると思われます。(だから「唖然として見ていた」という表現の中に言葉にならない感動や驚きのようなニュアンスを我々は感じることができるわけです) “ ア 然 ” としているわけですからどこにも軽蔑してあきれると言うような意味は無いと思うので他人の表現にそこまで立ち入っていいのか疑問です。たいした問題ではないと思いますが歳の差があるとはいえ変えるのは失礼だと思います。 また前後の文脈から言って聾唖者を差別する内容ではないのは明らかです。
お礼
ありがとうございました。
- shinsho4
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昔の小説でどのように使われているか見てみました。 佐々木味津三「むっつり右門」 ================================ 前回の南蛮幽霊騒動において、事のあらましをお話ししましたとおり、天下無類の黙り虫の変わり者にかかわらず、おどろくべき才腕を現わして、一世を驚倒させたあの戦慄(せんりつ)すべき切支丹(きりしたん)宗徒の大陰謀を、またたくうちにあばきあげ、真に疾風迅雷(しっぷうじんらい)の早さをもって一味徒党を一網打尽にめしとり、八丁堀お組屋敷の同僚たちを胸のすくほど【唖然】(あぜん)たらしめて、 ================================ 「同僚たちを胸のすくほど唖然とさせた」という表現です。 豊島与志雄「程よい人」 ================================ 話を聞いてみると、彼は闇ブローカーのような仕事をしていたが、最近は金貸業を始めたとのことで、私はちょっと【唖然】とした。 ================================ 「ちょっと唖然とする」という表現もあります。 饗庭篁村「良夜」 ================================ この時の予はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、【唖然】たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁 臭穢 ( しゅうあい ) の空気を吸い込み ================================ これは、いままでの「驚いた」とはちょっと違います。 「唖」を辞書で引くと次のように出ています(Goo辞書)。 昔は、これを差別用語として使われなくなった呼び方で訓じていました。 あ 1 【唖】 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 話しことばが重度に障害された状態。話しことばをまったく、あるいは、ほとんど発することができない状態をいう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ぜん 【然】 Goo辞書から ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (接尾) 名詞に付いて、いかにもそのようなさまの意を表す。 「学者―としている」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以上により「唖然」の元の意味は、漢字から、「話すことができない重度の障害を持った人のような」ということになります。 そのようなことから、現在の辞書では次の意味になっています。 「予想もしなかった事態に驚きあきれてものも言えないさま。」 >悪いしぐさや表現を見て・・・にいう表現だから・・・。 ・・・こうとは決まっていません。かなり幅広く使われていました。 ただ、このような身体障害を持った方や関係者の中には、「唖然」という言葉を見ると気分を害される人もいると思います。 そして、現在では、この言葉の使用頻度も減少傾向にあるように思います。 おっしゃる通り、「唖然とした」を「あっと驚いた」や他の方の表現方法に変えたほうがいいでしょうね。
お礼
ありがとうございました。 差別的な、というところまで深くは考えていませんでした。
- goodn1ght
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唖然は、予想もしなかった事態に驚き【あきれて】ものも言えないさま。 不適切です。 驚嘆はいかがですか。 素晴らしさや見事さにおどろき感心すること。非常に感心すること。感嘆。「非凡な技に―する」「―に値する」
お礼
ありがとうございました。 「驚嘆」「感嘆」いいですねえ。 書いた本人に話してみようと思いますが、どう反応しますかねえ。 私だったら、忠告してくれてありがたい、と思うのですが。
お礼
ありがとうございました。